2022年10月27日

第66号(2022年10月27日発行)

2022年10月27日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

今週いよいよ、浅間山が初冠雪。
毎日、外で山の存在を感じている幼稚園の子どもたちからは、早くも雪あそびを楽しみにしている声が聞こえます。
たとえ雲がかかって姿が見えない日があっても、確かにそこに山があるということが、私たちにどんなはたらきかけがあるだろう、とふと思ったりします。

11月18日(金)の園開放申し込みは明日10月28日(金)12時からです。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23205/

かぜのーと 第66号(2022年10月27日発行)
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【1】『いのちのつながりづくりプロジェクト レポート 1 ーそれは芝生をはがすことから、はじまった』遠藤 綾
【2】『「今こんな感じ」のやりとりがしたい』清水 春美
【3】『子どもとの距離感』岩瀬 直樹
【4】『数年後の君へ』臼田 亜由美
【5】『自然スクールTOEC訪問記』片岡 利允
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【1】#循環する環境づくり
  『いのちのつながりづくりプロジェクト レポート 1 ーそれは芝生をはがすことから、はじまった』遠藤 綾
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2022年度がはじまると同時に、私たちは少しずつ芝生を剥がして畑にし、幼児から9年生までが共に、または学年ごとに豆類を中心に作物を育ててきた。6月には、3名の9年生たちによってちいさな田んぼができた。この畑や田んぼも含んだ、循環する環境づくりを目指した取組み「いのちのつながりづくりプロジェクト」についてレポートしてみたいと思う。

「いのちのつながりづくりプロジェクト」は、パーマカルチャーデザイナーの四井真治さん(ソイルデザイン)をパートナーに迎えて、10月までに計10日間かけて進めてきた。参加者もスタッフ、子ども、保護者へと少しずつ範囲を広げて、9月からは7,8年生のテーマプロジェクトでも循環する環境づくりに取り組むことになった。プロジェクトの中心になっているスタッフは、わこさん、たいち、ゆっけ、こぐまさん、246(ニシム)、リリーと専門性も多様なメンバーが集まっている。

そもそも、なぜせっかく育てた芝生を剥がすことになったのかというと、その発端になったのは「新しい情景づくり」だった。

2022年正月明け早々、風越学園スタッフの有志メンバーで集い「新しい情景づくり」を集中して考える合宿を行った。風越学園では、開校前から情景を描くことを大切にしてきた。来年度カリキュラムを検討する中で、5年先である2026年の情景を描き、シェアして書き加えたり共同編集していくプロセスを通して、私たちが挑戦していること、挑戦していきたいことを言語化しようという試みが「新しい情景づくり」だった。その中で私は「森と生命の時間」というタイトルの情景で「森とそこでの生命の営みと子どもとの関わり」を描こうとした。そのテーマを選んだ理由は、風越学園の校舎の隣に広がる森の存在が大きい。端から端まで歩くだけで探検になる広さ。刻々と変化し続ける複雑な自然の中では、あらゆるところに驚きと発見の種が落ちている。

風越学園に参画して1年に満たない私の目から見て、他に真似できないユニークさとして映ったのが、この森と自然環境だった。この場所がこの場所らしく育っていくためには、場が元々持っている性質を活かしていくほうが伸び伸び育つ。それは、人も場も同じはず。だから、今よりもっと森や自然環境がカリキュラム(=子どもの経験の総体)の中で活かされていくといいと思った。そんな想いで情景を描きすすめていくと、森から校舎へと続く環境も森での営み、つまり生命の循環を感じられる場所になっていくイメージが浮かんでいった。森だけでなく、校舎の周りの環境も含めた野外環境をこれから中長期的な視野を持って育てていきたい、そうすればきっとその環境自体が子どもたちのワクワクを誘発してくれるはず。そんなことを構想していく中で「いのちのつながりづくりプロジェクト」が誕生した。そんなプロセスを経て春を迎え、わたしたちは芝生を剥がし、小豆を植えることからスタートしたのだ。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/26504/

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【2】#ウェルネス
  『「今こんな感じ」のやりとりがしたい』清水 春美
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子どもたちと「こころとからだの時間」という時間を持っている。こころとからだのこと、いわゆる「保健」の分野を扱う時間。「保健」の授業としては3年生以上が該当するけれど、身体計測や短時間での保健指導、健康診断なども含めて、「こころとからだの時間」として、幼稚園から9年生までの全学年で実施できるように調整、計画している。
どの学年でも継続して「こころとからだの時間」を積み重ねることで、自分のこころやからだ、関連する様々な事柄を考えることが自然になって、学年や学びの内容が変わっても、自分ごととして大きな抵抗感なく受け止められるんじゃないかな、その下地になるといいな、と思っている。

風越学園にはいろんな名前の時間があり、どんな名前にしようかと思ったとき、そのままわかりやすい名前がいいなと思って、「こころとからだの時間」にした。

「こころ」が先か「からだ」が先か悩んだけれど、「こころ」のサインが「からだ」のサインとして現れる、それで保健室に来室する子も多いなと思って、「こころ」を先に置くことにした。

風越学園はいろんな名前が略される傾向にあって、「こころとからだの時間」も「ここから」と呼んでくれたりして、思いがけず、今この場所から始まっていく感じがする言葉に、なんだか嬉しく感じている。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/26555/

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【3】#東京学芸大学連携協定
  『子どもとの距離感』岩瀬 直樹
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軽井沢風越学園は東京学芸大学と連携協定を結んでいます。その一環で、髙山綾子さん(やっこ)が9月12日から5週間の短期インターンとして来ていました。東京学芸大学教職大学院の2年生で、4月から長野県の教員になる予定です。
あっという間の5週間。1、2年生チームに入ってたっぷり学びました。やっこにとってどんな経験だったのかミニインタビューしてみました。

__どんな5週間でしたか?

あっという間でした。できるチャレンジは全部させてもらいました。「スタッフとして子どもとかかわっていくってどういうことだろう」ということを自分なりに模索してきた5週間でした。ゆっけ(井手)に質問したときに、「教える人ー教わる人ではなくて、学ぶ人とそれを支援する人という関係性がいいよね」といわれて、確かにそうだなって。

例えば1、2年生は、まだ休み時間なのに13時から(授業は13時半から)作家の時間(国語)で書いている作品の続きを始めるんです。遊びと学びが境がない感じで始まるんですよね。私が専門としている算数も、なだらかに学びと遊びをつなげられたら、自然と学ぶ気持ちが高まる気持ちを持てると思うんです。そこまでいければよかったなあ。

__担任の先生としての役割とスタッフの役割って違う?

公立に行ったら一斉授業が多くなって、どうしても先生をみんなが見ているという「教わる人ー教える人」になりやすいのかな。でも、ここでの経験とか、ゴリさんの実践のビデオを見せてもらったりしたのがきっかけで、その関係性って変わるのかなと思うし、ゆっけの言うような、学びたい気持ちを伸ばせる教師になりたいなって思います。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/26483/

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【4】#12年のつながり
  『数年後の君へ』臼田 亜由美
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たまに、Facebook、Google Map、Google フォトで、「〇〇年前の今日・・・」な感じで、出てくることがある。そうすると、「あー、そうだ!そんな時期だったなぁ」とか「そうそう。あの時、ああいう経緯があって、そんなことしたんだった」と過去の出来事を思い出して、そしてなんだかふと現在が新鮮に思えるような、現在から未来がちょっとワクワクするようなそんな感じがしてくる。過去にあまり興味はないものの、ちょっとしたスパイスに私の中ではなっているらしい。

風越学園が開校してから、私は子どもの記録にtyphoonの記録システムを多用している。いやむしろ愛用していると言ってもいいぐらいスタッフの中でも、使用している方なんじゃないかと思う。今回はずっと書きたかったけれど、時が来た感じがするので、この記録システムの私の持論を書き残したいと思う。

まず私が記録を記入する上で、根底に置いているのは、どう読み手に受け取られたとしても、これは単なる記録なのだ。この記録は、保護者もスタッフも選択すれば見せれるようになっている。私はこの3年間、幼稚園から小学校1・2年生を担当しているので、子どもが自分でtyphoonを開くことはない(4年生以上の子どもは自分でtyphoonにログインする。5年生以上は自分でも記録する)し、後で詳しく書くけれど、記録として記入するなら、保護者も読んだらいいと思っている。

ただ、私はこの記録システムは、いわゆる幼稚園や保育園でノートでやりとりしている連絡帳とは違うんじゃないかと思っている。だから「今日、こんなことして遊んでいました〜」「こんなことができるようになりました〜」のような報告の要素ではないので、です・ます調ではない。初年度、書き始めた頃は、読むのは保護者なんだから、やはり連絡帳の要素があるんじゃないか、と保護者の反応にちょびっとビクビクしていたこともあるけれど、現在はやはりその子の記録として残していくことに意味があるように思っている。そして私の記録していることは、たいていくだらないと思われるし、自分のその子が今日どんなことをしていたのかという思い出しも兼ねて利用しているので、これは記録に納めとかなくちゃ!みたいなことも少ないと思う。そして単純に面白いと個人的に思ったことも、載せたりしている。なので、ある意味この記録システムを一番乱用しているとも思っている。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/26516/

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【5】# スタッフの学び
  『自然スクールTOEC訪問記』片岡 利允
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2020年の風越学園開校当初から、何度か話を聞いていた徳島の「自然スクールTOEC(以下、TOEC)」。これまでチャンスを逃してきたが、今年の6月にスタッフのふな(渡邊有紀さん)、プーさん(仲本桂子さん)、代表のたつろうさん(伊勢達郎さん)が風越に来られたことをきっかけに、9月22日から25日の4日間「フリースクールセミナー」に参加することになった。念願でほんと嬉しい。

僕のような教員以外にキャンプ団体の方や保育園の園長、療育関係の方、スクールカウンセラー、大学院生、これからフリースクール設立される方など多様な19人が集まり、スタッフも含めた約30名で、4日間遊んで学んで、本当の意味で共に暮らした。今回は、この4日間で体験したこと、個人的な気づきをぜひシェアしたいな、TOECを知ってもらいたいな、という思いで書きはじめている。まとまらないとは思うが、ぜひ読んでみて欲しい。
広大な田んぼのど真ん中をあぜ道を進んでいくとたどり着いたのがTOECの家。フリースクールなので、本来は「校舎」と表現すべきかもしれないが、僕としては「家」と表現する方がしっくりくる。中に入ると、調理場と大きな机の並ぶ土間と、大人30人程が輪になるにはぴったりの畳のスペースがあって、そこにぞろぞろと参加者、スタッフが集まっていた。
「歌からはじめようかな〜」

あるスタッフがそう口にし、ウクレレを持ち出して「にじ」を歌うところからフリースクールセミナーがはじまった。(いきなり歌!?)と内心思いつつ、スタッフが楽しげに歌うので僕もつられてリズムに乗って楽しく歌っていた。はじめましての人たちの集まりだったが、ウクレレの音色と歌声によって一体感が生まれ、なんだか場が一気に緩んだ感じがした。これは子どもがいるときも同じで、はじまりは音楽を通して一体感を感じるところから。朝ごはんのようなものでもあるのかもしれない。

代表のたつろうさんは、フリースクールセミナーでは、自慢のスタッフを見て欲しいと誇らしげに語っていた。僕はこのとき、スタッフの姿、語られる言葉を中心にして、この4日間過ごしてみようと決めた。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/26582/
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(あとがき)

開校3年目で初めて、「軽井沢風越学園公開日〜風越す〜っ・ポン・ボン!〜」を12月9日(金)に行うことになりました。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/26501/

11月初旬に申し込みを開始します。
「子どもがつくり手になっていくための大人のかかわりとは」という問いについて
みなさんと一緒に考えてやりとりしてみたいと考えています。
申込受付開始日時が決まりましたら、またホームページでご案内します。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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