2022年11月29日

第67号(2022年11月29日発行)

2022年11月29日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

先週22日(火)は第2回めの遠足(とおあし)。
今年は1年生から9年生の約200人と保護者ランナー(&ウォーカー)約30人が参加しました。幼稚園の人たちも応援に駆けつけ、それぞれの挑戦、葛藤、楽しみ方が見える一日。
昨年の様子はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20917/

20日〜26日までは、「世界とつながる・ワールドアンバサダープロジェクト」(マイプロジェクト)メンバーのうち11人が、昨年6月から念願のフィリピンへ渡航。スタッフ・ぽんの提案から始まったこのプロジェクト、「世界とつながってどんな自分になりたい?」という問いによって生まれた情熱がこの日まで繋がりました。

26,27日は、みらいツクール1期生が約1年ぶりの再会。保護者と9年生もまざって、それぞれの変わったこと、変わらないことを交換しあいました。
開校から3年、まだまだ初めてのこともたくさんあるけれど、積み重なっていく文化や歴史が確実にあります。

かぜのーと 第67号(2022年11月29日発行)
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【1】『もぐらといっしょに寝たい!キャンプ計画の始まり』坂巻 愛子
【2】『枠を超えて生まれるものー7年ワールドピースゲームのふりかえりー』馬野 友之
【3】『さがしものはなんですか』遠藤 つぶら
【4】『子どもと保護者とスタッフと』林 里紗
【5】『#001 お前の使命は何なんだ?』本城 慎之介
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【1】#幼児
  『もぐらといっしょに寝たい!キャンプ計画の始まり』坂巻 愛子
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遡ること4月のある日。
この日、動物探検チーム(年長児を中心とした生活グループ)は絵本『14ひきのぴくにっく』(いわむらかずお / 童心社)に出会い、ネズミの穴探しにでかけた。それらしきものを見つけると、その穴に指、腕をつっこんで「あっ!!ここ、曲がってる!」「こうなってその先に部屋があるんだ!」と、土の中に息づく動物たちの暮らしの世界に関心が湧いていった。プラスチックのお弁当箱を食べてゴミ箱から出られなくなってしまったネズミを目の当たりにした時は「お母さんを探していたら迷子になっちゃったのかな」などとネズミを真ん中に想像したり、森の中で死んでしまったモグラに出会った時は「車にひかれた?」「プラスチック食べちゃった?」と自分たちの生活と繋げて考えたりする姿があった。

8月30日。
鶏小屋の隣で穴を堀り始めた人たちがいた。

コナ「みて、宝石」
アサ「幼虫だ」
ミチは幼虫を鶏の餌にしている。
タイチ「穴を掘ったらモグラと寝られるでしょ。どんどん掘ろう」

ん?….何が起きている?
わからないけれど、わっせわっせと穴を堀り始めた人たちはやる気に満ちている。なんだか楽しいことが始まったんだな、と様子を見ていた。

そして、帰りの集いにて事の真相がわかる。

タイチ「お知らせがあります。今、土の中に寝るところを作ってます。動物探検チームみんなが寝られるところです」
ジン「キャンプ場ね」
ハナ「土の中でモグラさんと寝るために穴を掘ってるんだよね」
ミチ「あと、にわとりさんの面倒もみられるから(鶏小屋の隣のキャンプ場だから)」
ヨウ「あ!!めざましどけい、(朝)にわとりが…コケコッコーってなるよねー」
タイチ「みんなに見てほしいから帰る時にみてね」

「明日は早く来て掘るぞ!エイエイオー!!」

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27070/

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【2】#7年生
  『枠を超えて生まれるものー7年ワールドピースゲームのふりかえりー』馬野 友之
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2022年9月12日(月)から16日(金)の5日間で、毎日3時間ワールドピースゲームを実施した。参加者は、7年生26名と8年生2名、6年生2名の計29名。

そもそも、今回このゲームを実施したいと考えたのは、つどいの時間や「地球と人」(風越における7年生以上の社会科の時間の名称)の授業で子どもたちをみていて、日々の新聞やテレビの報道などを通じて知った世界で起きている出来事にそれぞれが持っている距離感があることに気づいたからだ。「なぜ、こんなことが起こるのだろう?」と原因を知りたい人もいれば、「日本にいて何ができるのだろう?」と自分ができるアクションを考える人もいる。ただ、多くの子どもにとって、それは遠い国や世界の出来事であり、自分との距離は遠く、自分ごとになるのはなかなか難しい。

風越の「大切にしたいこと」に、次の言葉がある。

ー「つくる」ことを通じて、「自由に生きる」ということと「自由を相互に承認する」ということを繰り返し試していきます。そうすることで、1人ひとりが幸せになり、幸せな社会をつくっていくのです。

戦争や紛争、気候変動、未知の感染症…。現実世界が直面している課題に対して、仲間との議論やアイデアによって解決するワールドピースゲーム。参加した子どもたちには「1人ひとりが幸せを感じられる社会をつくっていくには?」という問いが迫ってくるはず。少しずつ世界にも興味が拓かれていく7年生という時期に、この学びを経験することで、今後の子どもたちの世界への見方が広がり、その結果探究も広く深くなっていく、そんな可能性を感じて、開催をしようと思った。

そのような僕の思いに、幼稚園スタッフのあやさん(遠藤)や、リソースセンターのとのちゃん(外崎)も賛同してくれて、3人で一緒にワールドピースゲーム実施の支援者集めや、当日までの流れをつくった。僕は主に中学生を担当しており、幼稚園やリソースセンターのスタッフと一緒にプロジェクトを計画・実施することは、今まであまりなく、その経験もとても貴重なものだった。後日、3人でこのプロジェクトをふりかえった。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27022/

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【3】#ライブラリー
『さがしものはなんですか』遠藤 つぶら
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新しい環境、はじめましての子どもたち、そして新しい仕事。私は図書館で働いた経験は全く無く、風越学園で初めてライブラリーの仕事をスタートした。

貸出のシステムってどうなっているの?
本の登録ってどうやってするの?
本の並び方ってどうなっているの?
本当に1から様々なことを教えてもらった。

少しづつできることが増える一方で、毎日悩んでいるのがみんなからの相談を受けて、資料を探すお手伝いをするレファレンスという仕事。印象に残っているレファレンスを書き残しておく。

4月中旬。1年生の女の子3人がカウンターに小走りでやってきた。

子「ナメクジ見つけたの!ナメクジの本が見たい!」
私「ナメクジの何が知りたいの?」
子「えーっとね、飼い方とか、どこにいるかとか!」

この辺かな〜と棚を探す。が、ナメクジだけの本は無い。私がカタツムリの本をパラパラと見ていると『ナメクジはカタツムリの仲間です。進化の途中で、カタツムリから貝が無くなったので、ナメクジとカタツムリも貝の仲間です。』とのこと。(じゃあ、カタツムリの飼い方を参考にできればいいかな〜?)と頭によぎったけれど、この【カタツムリの仲間】ってところを私がいきなり教えていいものなのかどうか迷う。子どもが行き着いた方が良いのか?でも1年生で読み取れるかな?とワタワタ。

とりあえずナメクジが載っている部分のページを見せて、「ちょっと探しておく!」と保留にした。最初に子どもが言っていた飼い方やどこにいるのかという情報はすぐに手渡してあげられなかった。

その後、みっちゃん(大作)に相談。「ナメクジ飼ってる人見たことないな〜。ナメクジの本もないな〜。じゃあ、似ている生き物を参考にしてみよっか!何が似てる?→カタツムリ!ってなると繋がれるかもね。で、カタツムリの本を観ながら、ここにカタツムリとナメクジは仲間って書いてあるよ!って教えるかな〜。」と。

なるほど。ナメクジと言われたからナメクジの本を!と探していた私。視野が狭かった。子どもと会話しながら情報の近くまでそっと近づくこともできたかも。何よりも興味の初速を潰してしまったことが悔しかった。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27066/

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【4】#保護者
『子どもと保護者とスタッフと』林 里紗
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「初任である1年目に、驚いたことや違和感を持ったことは、忘れないようにメモしておいた方がいい。」と、大学を卒業する時にお世話になった教授に教えてもらった。

それは、どんなに驚いたことや違和感を持ったことでも、その環境にいるうちにどんどんと慣れて当たり前になってしまうから、という理由からだそうだ。

私は、今年風越学園に入職した、いわゆる初任者。
風越学園に入って驚いたことなんて、言わずもがな、数えきれないほどあった。でも、そんな自分もこの驚きがだんだんと当たり前になっていってしまうのかもしれない。
そう思うと、「どれだけこの場に慣れたとしても、これを当たり前だと思いたくないなあ」と思う驚きが、風越学園にはたくさんある。
そのうちの一つである、「学校と保護者の関係」について、今回は言葉に残しておこうと思う。

私が「風越の保護者」としてのスタンスに出会い、衝撃を受けた最初の経験は、年度当初の面談の時だった。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/27144/

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【5】#開校までの歩み
『#001 お前の使命は何なんだ?』本城 慎之介
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少し時間をさかのぼって書いてみようという気分になったので、どこまで続けられるかはわからないが、書き始めてみようと思う。

2009年4月から、軽井沢での生活が始まり、森のようちえんぴっぴで子どもたちと関わる毎日になった。7年という周期で、何か大きな動きが自分の人生にはこれまでも起こっていたので、2015年頃から、「そろそろ7年だぞ」という思いが湧きあがっていた。とある大学の教員募集に応募してみたりもした。不採用だった。

2015年の秋のある夜、夢の中に三木谷浩史さんが出てきた。これまでも三木谷さんは、何度も僕の夢の中に登場していた。そして、僕はいつも三木谷さんに怒られていた。この日も同じだった。「本城、お前の使命は何なんだ?」、彼は僕に問いかけた。答えられないまま目が覚めた。そして、目が覚めても答えられない日が続いた。しばらく、その問いを抱えながら過ごした。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/history/27094/
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(あとがき)
ここ3ヶ月くらい(いや、もっと前からか)、これからどんなふうにかぜのーとを続けていこうか、頭の片隅で常に考えています。発行から5年半、もしかしたら風越学園の中で、一番積み重なっているものかもしれない。そろそろ変態させたい気持ちになっているのですが、はてその変態の方向がどうにも定まらず、蛹状態です。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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