2022年5月26日

第61号(2022年5月26日発行)

2022年5月26日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

6月と7月のオンライン授業見学のお申し込みを開始しています。

● 6月13日(月)9時から11時「幼稚園のくらし」
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23045/

● 7月13日(水)9時から11時「ライブラリーとつながる学び」
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23223/

5月13日のオンライン授業見学のテーマは「土台の学び」でした。映像を見ながら、改めて土台の学びの”土台”ってなんだろう?”教える”ってどういうことなんだろう、などという即興的な問いに、ぐっと内省して言葉にしていくスタッフの姿がありました。
「学ぶことやわかることが楽しい、おもしろいと思えることが土台なのでは」という言葉が残っています。

かぜのーと 第61号(2022年5月26日発行)
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【1】『あてもなく追いかけていると』片岡 利充
【2】『子どもがつくり手になるために』曳田 裕子
【3】『子どもたちが興味を持っていることの面白さを信じる人でありたい』山﨑 恭平
【4】『実は「窮屈な」空間と「盤石な」カリキュラムに依り掛かっていたのではないかという問い』石川 晋
【5】 『この一年、「子どもたちの人間関係づくり」を学んでいきたい』澤田 英輔
【6】『ツキノワグマの棲む森』本城 慎之介
【7】『つなぎ、整え、多様で創造的なカオスな場をつくる』 西村 隆彦
【8】軽井沢風越ラーニングセンターの連携自治体を募集します
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【1】#3,4年 
   『あてもなく追いかけていると』片岡 利充
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4月。軽井沢にも、小さな緑が少しずつ顔を出しはじめたころ、3,4年生では、テーマプロジェクトのスタートとして、まずは自分たちの身の回りの世界のモノ・コトを面白がるべく、Feel度Walk(フィールドウォーク)という方法で、毎日のように野に飛び出した。

Feel度Walkでは、「何となく」気になることを、「とりあえず」集めて、「あてもなく」追いかけ、「ひたすら」記録する。これをただただ繰り返していく。

3,4年生は、12年間のなかでも、まだまだ身近な体験から学ぶことをベースにしたい時期。自分(たち)が「発見」したことを、自分(たち)なりに表現するということをたっぷり経験してほしい。そんな思いから、「発見と表現」という大きなテーマでスタートすることになった。まずは「発見」のトレーニングとして、Feel度Walk、というわけだ。

Feel度Walkをはじめて2週目のある朝、ハナがグループのみんなに提案を持ちかけた。

「ちょっと聞いてー。今日さー、ハナの家の裏山の向こうに行ってみたいんだけど・・・」

前回から川に行きたいという人もいるが、話し合いの末、行った先に川があるかもね!なんて話になり、ひとまずはハナの提案に乗っかってみることに。いざ、出発!

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/23245/

今月公開した片岡の他記事
・「新ホーム、はじまる」>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/23027/
・「まさかの主役が・・・」>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/23145/

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【2】#1,2年
  『子どもがつくり手になるために』 曳田 裕子
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『ファーマーさんはみすてない』(フォレストブックス)という絵本の読み聞かせをきっかけに、「レストランを作りたい。」という1,2年生の子どもたちの思いで始まった「レストランプロジェクト」。

「おいしいカレーとサラダを作って、お客さんに食べてもらいたいな。」「カレーのために、じゃがいもとにんじんを育てよう!」と畑を作りました。

多くの人が行き交う、駐車場からエントランスに向かう間の芝生に作った畑。苦労してうねを作ったのですが、どうしても踏まれてしまいます。

「何が植えられているかわかるように、看板を立てよう。」「飛び越えることがないように、柵もあるといいね。」と解決策がどんどん出てきます。

柵作り、1,2年生でもできる方法はあるだろうか。・・・そんなことを思い、ラボのこぐまさん(岡部)に相談すると、「大丈夫、できると思うよ。」と。

早速、その日のうちに、こぐまさん岡部が子どもたちに作り方を教えてくださることになりました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/23233/

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【3】#スタッフインタビュー 
『子どもたちが興味を持っていることの面白さを信じる人でありたい』山﨑 恭平
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子どもの頃から「学校をよくしたい」という思いがありました。というのも、数とか形に興味があったから、幼稚園の頃から時計を読んだり、図形を描いたりして、小学校の勉強を楽しみにしていたのに、進学してみたら算数の時間がすごくつまらなかったんですよ。数の数え方から教わる、みたいな感じで。それでなんの悪気もなくふらーっとそのまま家に帰ったこともあったりして(笑)。

それでもだんだんと学校に順応していったんですけど、中学校に入って「学校ってすごく嘘っぽいことも多いな」と思っちゃったんですよね。どうでもいいと思っていることをすごく重要なことのように扱うというか。

__ どうでもいいと思っていることをすごく重要なことのように扱う、ですか。

今でもよく覚えているのが、飴玉の包み紙が教室に落ちていたら、先生が「学校に飴を持ってきて食べたやつがいる」って50分のホームルームを全部使って話し合いをしたんです。その時に、「塾で食べてポケットに入れたままだったんじゃない」「本当はみんなどうでもいいと思っていることに、なんでこんなに時間を使うんだろう」って正直思っちゃいました。

不登校の子がいたり、いじめもあったりして、「なんでそんなところに義務教育として通わないといけないんだろうか」とも感じていて。中学生なりに「学校ってもっと面白くできるんじゃないか」と思ったし、それこそ風越学園が大切にしたいと思っている「どんな子どもにも幸せな子ども時代を過ごしてほしい」という願いは本当にそうだなと共感しているんです。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/staff_interview/23149/

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【4】#風越参観記
『実は「窮屈な」空間と「盤石な」カリキュラムに依り掛かっていたのではないかという問い』石川 晋
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N P O授業づくりネットワーク理事長の石川 晋です。

「晋さん、ここがぼくが授業してる教室です」とたいちさん(井上)が案内してくれた「理科室」はびっくりするほど普通だった。4人くらいが座るとちょうどいい実験テーブルがアイランドで設置されていて、普通。棚には実験器具が結構整然と収められていて、普通。日本中のどこにでもある理科室のたたずまいである。教室の前側に立ったたいちさんがこれから進める探究の時間について説明する姿も、普通。子どもたちがそれを聴くのも、普通。じっと座っているのはあまり得意でない子が前に出てきて体を揺すりながらたいちさんの話を聞き時々合いの手のように反応するのも、普通。一番後ろのテーブルの上に置かれている実験器具もビーカーやシャーレや若干のアルミ箔など、普通。

今回風越学園に赴いたのはそのたいちさんが久しぶりに自分の理科教室のばん走をしてくれないかと依頼してきたからである。

さて、ぼくは30年近く北海道の中学校で国語教師をしてきた。その当時はもちろんぼくのエンドユーザーは子どもたちだったのだ。が、今のぼくのそれは第一義的には教師である。だから“かぜのーと”の執筆を依頼されたけれど(ぼくはちゃんと愛読者である 笑)、その原稿の多くのような子どもと教師との関わりや子どもへの眼差しや子どもが紡ぎ出すエピソードのことを書くということでは全くなく、たいちさんが今いる場所でどんなふうに居てどんなふうにしているように見えるかを書いていくことになる。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/23181/

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【5】#スタッフ
  『この一年、「子どもたちの人間関係づくり」を学んでいきたい』澤田 英輔
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軽井沢風越学園の2022年度は、「風越づくりキャンプ」で始まり、翌週から学習単位であるラーニンググループで過ごす時間になった。僕は今年も小学校5・6年生を担当。去年も5・6年生を受け持っていたので、半分は知っている子たちになる。受け持ち学年の同僚はがらっと変わって僕が最年長になったのだが、こちらもとても頼もしい人たちばかり。もともと人をまとめたり人付き合いをしたりが苦手である僕は、年齢だけで学年主任的立場になるのめっちゃ嫌だなーと正直思っていたのだけど、そんな心配は杞憂に終わりそうだ。忙しくも楽しいスタート。今日はそんなはじまりの一週間で感じたことを書き残しておきたい。

一週間でいちばん「すごいな」と思ったのは、同じ学年受け持ちの木村さん(あっきー/木村)。木村さんは、PA(プロジェクト・アドベンチャー。体験から気づきを得るプログラム)のファシリテーターで、大事な最初の一週間で、学年の目標である「安心・安全な場づくり」に向けてぐいっとみんなをひっぱっていってくれた。

また、この週は、サポートスタッフとして5・6年に関わってくれるKAIさん(甲斐崎)にも支えられた。『クラス全員がひとつになる学級ゲーム&アクティビティ100 (ナツメ社教育書ブックス)』の著者でもあるKAIさんがPAの達人であることはすでに知っていたのだけど、KAIさんが様々なアクティビティの引き出しから適切なものを選んで場を温めてくれたり、木村さんの関わり方を僕らに向けて言語化してくれたりしたのがありがたかった。

詳細はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/23065/

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【6】#森
『ツキノワグマの棲む森』本城 慎之介
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第6、7週。今年もピッキオによる学年別のクマ学習が始まった。

森の緑はぐっと濃くなった。見えていた向こう側がまるっきり見えなくなっている。風越学園に隣接する森は、長い間、人が立ち入らない様々な生き物たちの場所だ。もちろん今も。ツキノワグマは、別荘地に囲まれたこの森を休息地にしているらしい。

新緑の季節、冬眠から覚めたクマたちは活動を始める。もちろんこの森の中でも。そして僕らはこの森で遊ばせてもらっている。だから、出会う可能性は低くない。

もし人に被害が出たら、クマは射殺されてしまう。それは避けたい。だから、人がクマについて学ぶ。僕らは侵入者なんだから。

共存や接点、棲み分けや区分け。どうしていくといいか、頭を悩ませている。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/23020/
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【7】#ラボ
  『つなぎ、整え、多様で創造的なカオスな場をつくる』 西村 隆彦
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昨年度はラボだけでなく、新型コロナウイルス感染防止対策で、異学年が居合いながら学ぶ場が制限されていたことの影響で、異学年が混ざりながら暮らしや学びを共にする時間が大きく減ってしまいました。その結果、子どもたち自身で駆動するプロジェクトや動きが小さくなってしまったことがありました。

今年度は「12年のつながり」をカリキュラムの柱の一つとし、幼児から9年生まで、風越学園で過ごす12年間の子どもの時間をつなぐ役割として、「ラボやライブラリーや森が場をつくっていくリエゾンセンターである」と再確認されてスタートしました。ただその場を共有しているだけでは混ざらない、異学年が居合えるような「場」を整えていくことが、ラボ(筆者は主に工房を担当)におけるテーマの一つです。

僕自身は、これまでの経験で「デザイン」という視点や切り口はありますが、専門の「教科」があるわけではありません。もともと既存の領域を深掘りしていくよりも、別々のものをどう繋いでいくのか?その繋ぎ方や、グラデーションの作り方、間にある名前のない領域や、その隙間からこぼれて落ちてしまうような微細な変化にも気づける受け皿になりたいという思いがあります。昨年度から風越学園で過ごす中で、子どもたちが自分ごととしてつくることや探究する力を深めていくには、「ひとりで居ること」と「だれかといっしょに居ること」とが矛盾せず、両者が互いを支えあう「包む場」が必要なのでは?という仮説を持つようになりました。それは、昨年度のコロナ対策で、大人が管理しやすいように学年別に集団を分けたことで、「場」の持つ熱量が減ってしまい気づかされたことでもありました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/23278/

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【8】#お知らせ
   軽井沢風越ラーニングセンターの連携自治体を募集します
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軽井沢風越学園は、2022年5月に研修研究事業として「軽井沢風越ラーニングセンター」を開所しました。2023年度から軽井沢風越学園でのスクールベースの教師教育プログラムに参画する自治体を募集します。
今年度の軽井沢風越ラーニングセンターでは、次の実践ラボ事業と研修事業に取り組みます。

1)実践ラボ事業
 ・「学習者中心の学びのためのスクールベースの教師教育プログラム」を開発する
 ・プロジェクト型学習による探究的な学びをつくるために必要な、教師の力量形成の道すじを明らかにする
 ・学校をフィールドにした教師教育を実践・研究する
2)研修事業
 ・自治体との連携協定や自治体等からの派遣研修を受け入れる

本学園では、設立準備の頃より、学校と研修研究機関が往還しながら教育実践をつくることを構想していました。開校3年目を迎えて、「子どももおとなもつくり手であること」、「おとなも学び続けること」の実現に向けて、本事業を始めます。
ご興味持ってくださる方は、お問い合わせください。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/news/pr/23008/

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(あとがき)

来週6月2日(木)、3日(金)に町内及び近隣在住者向けに放課後の校舎見学を実施します。申し込みは不要です。詳細はこちらからご確認の上、いらしてください。

>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23005/

また今年度から、軽井沢町と御代田町に在住のご家庭に限り、幼稚園の園開放の機会を小さく始めることにしました。
7月から12月の間に5回実施、初回のお申し込みは6月24日(金)にホームページから受付開始いたします。風越幼稚園のスタッフや環境と出会っていただける機会になりますように。

詳しくはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23205/

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
ホームページ https://kazakoshi.ed.jp
メールアドレス info@kazakoshi.jp
#配信停止については、ホームページのお問い合わせ(https://kazakoshi.ed.jp/contact/)
からお知らせください。