2021年6月22日

第50号(2021年06月22日発行)

2021年6月22日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

実は今日6月22日が、私たちの6回目の創立記念日。2016年のこの日に、本城と岩瀬が学校づくりを始めました。

さて、8月に実施する学園説明会(オンライン)の申し込みを開始いたします。
詳細はお知らせページをご確認ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/admission_info/18266/

今年も一般の方の校舎見学の機会は、なかなかつくりづらい状況です。
かぜのーとだけでなく、オンライン授業見学や映像(かぜシネマ)を通じて、日常の様子をなるべく工夫してお届けしますので、ご理解くださると嬉しいです。

7月のオンライン授業見学のお申し込みは、こちらからどうぞ。
>> https://peatix.com/event/1969203/view

かぜのーと 第50号(2021年06月22日発行)
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【1】『情熱に感染する。』岩瀬 直樹
【2】『なんだかいい感じのスタート?!』赤木 和重(神戸大学)
【3】『束縛と放任と寄り添うの曖昧な違い』臼田 亜由美
【4】『色いろイロ – わたしいろ!あなたいろ!どんないろ? –』丸山 愛美
【5】『私という冒険譚の著者になる』甲斐崎 博史
【6】『嘘つき』本城 慎之介
【7】『「問い」と一緒に歩く。』山崎 恭平
【8】『「わたしをつくる」の時間って?』村上 聡恵
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【1】 毎日うろうろ『情熱に感染する。』
    岩瀬 直樹
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自分のプロジェクト(マイプロジェクト)に没頭している姿を見ると、なんとも言えない熱い気持ちになる。
風越のホームページには以下のように書かれている。

“後期(小学3年生から中学3年生)の子どもたちは、それぞれの「〜したい」という情熱から始まる探究の学びにひたります。後期のカリキュラムのうち約半分が探究の学びの時間です。子どもから生まれた問いを個々に深めることもあれば、興味関心の近いグループ、年齢の近い子どもたちで一つのテーマを探究することもあります。”

今年度から、毎週水曜日は自分のプロジェクトをとことんできる時間を設定した。「わたしをつくる」時間と呼び、水曜日以外にも設定されている。(昨年度はセルフビルドの時間と呼んでいた)。「生き物が好き!」「椅子を作りたい!」のように関心がはっきりしている人は、この時間を待ち侘びている。自身の内発性から生まれるプロジェクトだ。

一方でまだ「〜したい」の対象に出会えていない人もいる。彼ら彼女らに「なにやりたいの?」という質問は愚問で、それがはっきりしないから困っているわけだ。

「〜したい」という情熱は、何も自分の中から生まれてくるばかりではない。何かに出会った時に思わず「なんだかおもしろそう!」と外発的に始まることもあるんじゃないか。

そう、一人ひとりのプロジェクトはいろんな始まり方があっていい。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/gori/18245/

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【2】第6回 風越の教室に入ってみた『なんだかいい感じのスタート?!』
   赤木 和重(神戸大学)
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こんにちは、神戸大学の赤木和重です。

緊急事態宣言が,関西地区に出たため,風越学園への訪問が難しい状況が続いています。そこで,岩瀬直樹さんに案内してもらいながら,オンラインで参観をしました。

4月27日の午前中の1時間,後期クラスに,入らせてもらいました。活動時間は,「土台の学び」という名前の通り探究を支え深める学びの時間です。なお,ここでいう後期クラスとは,小学校3年生から中学校2年生のことをさします(風越学園では,3年生から8年生と呼んでいます)。

今回の私の関心は,「新年度になって,子どもたちの様子がどう変わったか?」です。

昨年度の在籍児は,幼児期の子どもたちも含めて194名でした。この4月からは,この子どもたちに加え,新たに70名の子どもたちが新たに入園・入学 しました。1年間,風越学園で学んできた子どもと,そうでない子どもたちがまざって学習します。そこには,おそらくお互いに戸惑いや,その戸惑いに伴うバタバタした雰囲気が校内にあるのではと予想していました。なぜなら,新しく風越学園に来た子どもにとっては,昨年度入学した子どもがそうだったように,これまで受けてきた学校の教育とは大きく異なることが考えられたからです。もちろん,このような戸惑いやバタバタは必ずしも悪いことではありません。そのズレこそが,新たなコミュニケーションや学びを創りだすこともあるでしょう。そんなことを思いながら,オンライン参観にのぞみました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/akagi_report/17914/

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【3】風越のいま『束縛と放任と寄り添うの曖昧な違い』
   臼田 亜由美
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先日、ホーム東65人の朝の集いに行こうと向かっていたら、芝生で1年生になったカズヤとケイが何やら話しているのが見えた。

どちらもホーム東のため声をかけようかなと思っていたら、ケイがカズヤを一発叩いて、集いの方へ走っていく。まだそんなやりとりなのか、と思いながら近寄ると、カズヤは立ち尽くしたままで、その隣りに年少・じゃぶじゃぶチームのナツハがいた。

ナツハはカズヤのことを信頼していて、近くにいると安心する存在だった。ナツハも姉になったばかりなので、丁寧に関わりたいところだったけれど、「なっちゃん。朝の集い始まってるから行っておいで」と声をかける。「カズヤといきたい」と言ったけれど、「カズヤは少し話をしてから行くから、先に行っといで」と伝えると、何回か立ち止まってカズヤの方を見ながらも、朝の集いの方へ行く。
カズヤに目を向けると、拳を握って我慢していた涙が溢れ出てきた。その瞬間、カズヤが年上のプライドを持っていることに気づく。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/17964/

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【4】風越のいま 『色いろイロ – わたしいろ!あなたいろ!どんないろ? –』
   丸山 愛美
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日々、たくさんの感覚と感情と情報を取り扱っている。たくさんたくさん頭と心をつかっているはずだし、そのときそのとき思考しているのだろうけど、サラサラと、スーッと、流れていく感覚がある。とどめておかなくちゃ、と思いながらも、それすらも自然な営みとして受けとめていたい、とも思うのです。

でもその中でも、子どもたちの毎日の「いきる」がとてつもなく大切なんじゃないかと感じている。子どもたちの「育ち」って見本があるわけでも、教科書通りでもなくて、「いまここ」を積み重ねて、あるときビュンと表出されるのではないだろうか。そこを絶対に見逃してはならない。きちんと見守りきれる大人でありたい。子どもたちの姿からそんなことを感じているのです。

4月。新しいホームになってから、初めて「名もなき川」へ向かった。去年から風越にいる子どもたちにとっては「いつもとかわらない川」がそこにあったのだと思う。

斜面をおりたところに川が流れ、その先にほぼ90度の斜面が待ち構えている。斜面からは木の根っこがブラブラさがっている。

ユイはどうやらそこに登ろうとしているらしい。根っこにむかって手を大きく伸ばす。左右の足を使って身体を支える。何度も何度も手足の置く場所を変えて挑戦しなおす。でもその日、90度の斜面にのぼった子はだれもいなかった。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18021/

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【5】風越のいま『私という冒険譚の著者になる』
   甲斐崎 博史
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今年度から新しく始まったことのひとつに、後期の「アドベンチャー」カリキュラムがあります。甲斐崎(KAI)と寺中(アンディ)を中心に、自然の中での「アクティビティベース」「セルフディスカバリー(今年度は6年生のみ対象)」プログラムのほか、「リレーションシップ ラボ」としてホーム単位で異年齢の関係づくりの時間を持っています。

アクティビティベース初回は、5月26日に5,6年生15人が黒斑山登山に出かけました。

子どもたちとの最後のふりかえりでは、カモシカ、植物、ハイマツ、虫、木の大きさの違い、軽井沢との植生の違い、自然のスケールの大きさなどの自然への気づきを共有していたことが印象的でした。登るプロセスや目標達成のことを考えてしまいがちですが、大自然の中に入ったら、まずはそこだよな、子どもの感性ってそうだよなぁと思った次第です。これからも、いろんな自然に触れて、センスオブワンダーを感じてほしいと思います。今後も季節に合わせて、ロッククライミング、キャンプ、カヌー、スノーシューなどを予定しています。

年間を通じたカリキュラムの企画設計とアクティビティベースの一部は、日本アウトワード・バウンド協会(以下、OBS)の田中裕幸さん、志村誠治さんにサポートいただいています。寺中を交えた4人で、アドベンチャーカリキュラムについてやりとりしました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18007/

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【6】風越のいま『嘘つき』
   本城 慎之介
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第10週。

8年生対象の「みらいをつくる」という授業は大嘘からスタートした。

週の半ばくらいに思いついたのは「8年生25人全員の進学する高校、大学、就職先、すべて決めておきました。」という嘘。緩む表情を引き締めて、渾身の演技で8年生25人に伝えた。

実在の高校との連携話には大歓声。それが、大学・就職先も予め決まっていると知ると、戸惑いの声にだんだん変わっていく。「それは困る!だって私は…」と途中で泣き出す子も。

すべて嘘だとわかった時の複雑な表情。「みらいを決められたことを、一瞬喜んだ自分はいったい何だったんだ?」そんな思いだったんじゃないかな。

この日、心の中で起こった感情の変化を忘れないでいてほしい。そして、「みらいは自分で決めます」と思い続けてほしい。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/17945/

本城の「300字作文」他記事:
『梅雨入り』>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/17833/
『のびのびとのびていく』>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18077/
『ひとりの時間』>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18256/

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【7】風越のいま『「問い」と一緒に歩く。』
   山崎 恭平
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風越ノート「問いの地図」となって手元に返ってきた自分たちの「問い」。しばらく経って戻ってきたものを読み返すと、「問い」をつくった時とはまた違う手触りを感じる。その時々で感じ方も変わっていく「問い」を、もう少し味わいながら付き合っていきたいなということで、馬野(うまっち)・山﨑(ざっきー)で往復書簡的にやり取りを重ねていこうと思いついた。

この「問い」は、暗闇の森の中を進んでいくためのランタンのようなもの。きっと風越では一人ひとりがランタンを持ち、暗闇の森を歩いている。それはホタルが光りながら舞っているよう。そのイメージを思い浮かべると、みんなと繋がっている感じがする。
続きはこちら>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18195/

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【8】だんだん風越『「わたしをつくる」の時間って?』
   村上 聡恵
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4月から呼び名をかえてスタートした「わたしをつくる」の時間。ブランチ(学校の校務分掌。教務・研修・生徒指導・進路指導などにあたるような領域のこと)の担当者としても、あれこれ考えながらつくっている毎日です。

どんないきさつで呼び名が変わったのか、そして、これからどんなふうに進んでいこうと思い描いているのか、ちょっと立ち止まってかぜのーとパートナーのぽん(根岸)に話してみました。
ぽん:去年は「セルフビルド」という呼び名だったものが、どうして今年から「わたしをつくる」になったのか、あらためてむーちゃんに聞けたらなと思って。

むー:呼び名を今年の4月から変更したのは、「わたしをつくる」ブランチから子どもたちへ向けたメッセージって感じかな。昨年度、私たちスタッフと子どもたちの間でこの時間の認識にずれがあるかもと思う節もあって。そもそものマインドセットをきちんと合わせたいということが一番大きかったんだよね。

「セルフビルド」の時間って、「自分の学びを自分でつくる」時間のこと。だから、セルフビルドの中核には「探究」がある。一人ひとりが自分自身の「やりたい」という思いを大切して、探究する時間にしてほしいって私たちは考えているのだけれど、自由時間とか、やりたいことなら何をやっていてもいいんでしょ…と、この時間を捉えている子どももいるかもしれないという振り返りがあったんだよね。だから、今年度、この時間をスタートするにあたって、子どもたちにダイレクトにこの時間の価値や意味を伝えたかった。それで「わたしをつくる」という呼び方に変えてみようということになったの。

続きはこちら>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/18236/


(あとがき)

かぜのーと記事に、タグ機能がつきました。
2017年からこれまでの記事は300以上あり、またカテゴリだけでは他の関連記事に
たどり着くのが難しい状況でした。
かぜのーと一覧ページから「検索」を押すと、タグ一覧が表示されます。
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/

また、4月から各記事に「感想/お便り」を寄せていただけるようにしたところ、
編集部の予想以上に、届いています。
こんなふうに読んで受け取ってくださっているのだなぁと毎度嬉しい気持ち。
お返事はできないけれど、読んでます。ありがとうございます。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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