2022年7月14日
ホームって?
これは開校から、子どもたち、スタッフが問い続けている大切な問いだ。
新しいホームがスタートして、3ヶ月。今起きていることを書いてみたい。
まず、今年度はスタッフの配置の関係で、ホームでは1年生〜4年生の子たちをメインに関わっている。受け持っている科学の授業は5年生〜9年生だからそれもバランス良し。朝と帰りに出会う愉快なおじさんポジションでいけたらサイコー!なんだけどなぁ。
さてここからはもう少し真面目な話。毎年悩んでしまうのは、ホームとしてどんなホームを目指すか、、みたいなこと。
まとまりのあるホームを目指せば、そこからはみ出す子が気になってくる。なんで一緒にやらないの?と責めたくなったり、マイナス発言はやめようよみたいな残念な関わりをしてしまう。
ホームが家というメタファーで語られるとしたらどうだろう?こんな家を目指そう!と意気込んで日々生活するのは僕だったらちょっと疲れちゃう。何かがなくてもホッとできる場所だと嬉しいよな。スタッフはどんな風にいられると良いだろう?スタッフだって人間だもの、色んな日がある、イライラしちゃう時もある、それもひっくるめて一緒に過ごすということなんだけど。できるだけスタッフはご機嫌でいたい。それならまずは、本当に楽しんで一緒に過ごしちゃうのはどうだろう。その空気が、場を大事にすることや、仲間を大切にすることにつながるんじゃないだろうか。そんなことを3年目にして考えている。
さていよいよ、今年度のホームの様子がどうなのかの話をしよう。
僕はホーム4!名前も無事きまった。
・幼稚園は、こうさくちー「ぬ」
・1年生〜4年生は、「ぬ」くまる
・5年生〜9年生は、「ぬ」んぬん
だ。
僕が一緒にすごしている「ぬくまる」の子たちといったら、それはそれは家出しまくりだ。つどいの時間になってもぜーんぜんっ集まらないんだ。
ある子はライブラリーで読書に没頭中。
ある子は私はぜったい行かないもんね!とダダこねてる。
ある子は他のホームの楽しい遊びタイムに潜り込んでいる。とほほ
むーちゃん(村上)が読み聞かせをしてくれることが多いので、僕は校舎を歩きながらつどいにこない子たちに声をかける係になってしまっていた。いや〜毎朝こんだけ探すとなると大変だな〜と思いながらラボに立ち寄る。
そして、そこから見てしまった外の光景に衝撃をうける…
んー?あれ、年中さんだよね?朝のつどいがはじまる頃だ。なんと、みんなできれいなサークルをつくってそれぞれに楽しそうにおしゃべりしているではあーりませんか!
いやまてよ、スタッフもその場にいないし!
近くにいたこぐま(岡部)とアンディ(寺中)に思わず話しかける。「ねぇねぇ、年中の子たち、すごいんだけど。勝手につどっておしゃべりしてるじゃん。うちらどんだけ校舎内で子どもたち探してんのよ。」
「ほんとだよね、、。うちらもっとやれることあるよなぁ。がんばろう。」とアンディ。
「幼児にヒントがあるってことだよね。」とこぐま。
すると森から出てきたリリー(勝山)がニコニコと肩を揺らしながら歩いてきた。年中の輪に混じる。「おぉ、余裕の笑顔だね、リリー」と心の中で呟く。
こぐまの言う通り、幼児たちがヒントをくれることになる。
たまたま次の日、アドベンチャーのサポートに入った幼稚園スタッフのちかの代わりに、僕は幼児たちと過ごすことになった。
ここでのつどいも最高だったので紹介しよう。
ちか(奥野)からは、「明日はたいちがくるけど、たいちは何にもわからないから、つどいとかよろしくね!」と子どもたちに伝えてあったようだ。子どもたち、特に年長さんは朝からやる気になっている。
僕が手ぶらなのに気がつくと、わぁ大変!たいちはスタッフなのに、絵本も持ってないじゃない!読み聞かせの絵本を持ってこなくちゃ!とミチはライブラリーに走っていく。ダイト、ジンくんも続く。(いや時間的に3冊も読めないと思うけど!と一人でツッコむ。)
そのあとは、いない子たちを探しにそれぞれが声をかけにいく、「つどいだよ〜!」「今日はホームの日だからここでやるよ〜」幼稚園は週に一回だけ、異年齢のホームで集まっているので今日は迷子の子も多い。
仲間を探しにいったり、声をかける子どもたち、ちゃんと一人ひとりの存在を大切にしているんだなぁと改めて思う。
つどいがはじまっても、年長のやる気が空回り気味でうまく進まない。私がやる!僕もやりたい!と仕事の取り合いでてんやわんや。わこさんがちょうど良い感じに声をかけながらなんとか進む。
そして、おまちかねの読み聞かせターイム!予想通り3冊読む時間はないので一冊だけ読み聞かせをして、残りの2冊はつどいの後にそれぞれに読むことになった。
そして、ダイトの読み聞かせが始まった。
いやぁ、、それが長い!長かった!一文字一文字全力で追いかけている、ときどきつっかえながら読むのだから長くなるのは当たり前だ。でも、一生懸命に読んでいくダイトをみながら、年少も年中もよく聞いている。いやぁ、よい時間だ。
帰りのつどいなんて、年少の子たちは半分くらいウトウトしていたんだけど。なんだか、このグダグダな(いやいい意味ですよ?)つどいがなんとも心地よく、1日の疲れを癒やしてくれた。
絵本を一緒に楽しんで、お互いの存在を確認して、ちょこっとおしゃべりするだけだ。時には手遊びや歌も楽しんだりしているんだろう。そんな特別でもなく、日々の暮らしの中から安心な居場所をつくっていく営みだ。
おぉ、それってホームじゃん!!
幼児スタッフのみんなとちょこっと振り返りをした時にわこさん(斉土)が言った。
「今日もいい日だったわね〜!」
いやー、ほんとにそう思った。
きっと、つどいをつくろうとした年長の子たちにとっても、遊び疲れてクタクタになって帰りのつどいではほとんど寝ている年少にとっても間違いなくいい日だった。それは久しぶりにしっぽとりをしたり、工作をしたり、ゆったりとつどいに参加した僕にとってもだ。
幼児と過ごしてから、ホームで意識していることがある。
特別なことをしようとしないこと。
何かを目指さないこと。
今を楽しむことだ。
そんな風に過ごしていると自然とよいアイディアが湧いたり面白いことが生まれたりするもんだ。昨日もむーちゃんが、オフィスに置いてあった梅を見つけて、「これ、ジュースにしてみんなで飲もうよ!」と言い出した。むーちゃん、ナイスアイディア!とこんな調子。
アンディとホームで使うホワイトボード(掲示板)を用意した。メンバーの名前マグネットとお知らせコーナー。週の予定は悩んだけど書くのはやめた。この子たちとまだ先の予定を考える必要は無さそうだ。その日暮らし万歳!
こんな気持ちで過ごしていると全部楽しいし、笑えてくる。もちろん、問題もあるし、課題を扱ったり、真面目な話もするけどね。そういうやりとりも少しずつできるようになっている。
そういえば、風越ミーティングで久しぶりに5年生〜9年生と過ごしたけどそれもまたよい時間。やっぱり、大きな人は大きな人で頼もしい。
最後に、たまたま撮れた、つどいの様子をお裾分けしよう。
笑ってさよなら、また明日。