毎日うろうろ 2021年4月12日

ライブラリーと出会いなおす日

岩瀬 直樹
投稿者 | 岩瀬 直樹

2021年4月12日

金曜日、ホーム西(今年度、年少から2年生までの前期はホーム西と東の2つに分かれている)の1、2年生がライブラリーと出会う、あるいは出会いなおす日だった。

ライブラリーの青床ゾーンに集まってきた1、2年生たち。始まる前に自然と本を読み始める人が何人もいて、その様子をスタッフのみっちゃんは嬉しそうに眺めていた。

本に没頭しているのを止めることを申し訳なさそうに、「ライブラリーの時間はじめていい?」と、みっちゃんは読み聞かせをはじめる。

出会いに選ばれた絵本は『根っこのこどもたち目をさます』。春にピッタリのとても美しい絵本だ。昨年度たっぷり本を読んだり読み聞かせをきいたりしてきた子どもたち。本の世界にすーっと入っていく。

読み終えたあと、みっちゃんの話が始まる。ライブラリーと出会う大切なお話。まるで隣の人に語りかけるような柔らかい声で話し始めた。

「ライブラリーって、本を紹介するみっちゃんのような人がいるところのことをいうんだけれど、みんなはもしかしたらおうちの近くの図書館にいったことがあるかもしれないね。

ライブラリーの中にいると、どんなことををするとワクワクするかな、どんなことがうれしいかな、ちょっときいてみたいな、と思います。

例えば、今みたいに『本を読んでもらうのが楽しいよ』、と言う人がいるよね。あとはどうですか?去年からいたお友達、読書家の時間とか、作家の時間とかあったと思うんだけど。」

『自分で読むのが楽しい。』

「うんうん。あとは、例えばこんなのはどうだろう?何か知りたいことがあったときに本を使って調べるのが楽しい。お話だけじゃなくて、この虫なんの虫だろうとか、この植物なんて植物だろうとか、調べるのが楽しいって思ってくれるとうれしいなって思ってます。

あと例えば、作家の時間、そういう時間があるんだけど、作家の時間に本使った人いなかったかな。」

『いた!』

「みんなが作家さんになるんだよね。」

『うん!』『そうだよ。』

「本を作るんだよね。例えばこんな人がいました。本を使って調べたことを参考にしてお話を書いていた人がいたの。うんうんってうなずいている人いるけれど、調べたことを書くのが楽しいって、そんなふうにライブラリーを使ってくれるとうれしいなーって思ってます。」

「最後に一つ。こんな経験あったかな。本を参考にして何か自分のプロジェクトをやるとか、なにかつくる。どうかなー。例えば去年、掃除機を作っていた人がいたんですよ。」

『ケイシン!』『ケイシン!』

「そうそう。その時に、何度も何度も失敗して、どうしたら作れるだろうっていう時に、ライブラリーの本で調べて、自分なりの掃除機を開発してたの。

本を参考にして何かを作ることができる。それが楽しい。ライブラリーを使いながらそんなふうにも思ってくれるとうれしいなあ、そんな思いでライブラリーをつくりました。

これから1年間、みっちゃんとさいちゃんは、みんなが自分で読む本を選ぶお手伝いをしたり、何か調べたいことがあったときに本を探すのをお手伝いしたり、みんなと一緒にライブラリーで過ごしていきたいなと思います。

何かみんなから聞きたいことあるかなあ。大丈夫そう?」

「最後にライブラリーからお願いがあります。一つは、来週からライブラリーの本を選んで借りられるようになります。おうちに持って帰れるの。一人3冊借りることができます。自分が読みたい本をたくさん選んでいろんな本に出会ってほしいなと思ってるから、ぜひ来週から借りて楽しんでください。

その時に、例えばおうちで読んでいる時に、『やぶれちゃった!』とか『よごれちゃった』とかあると思います。そういうときにどうしたらいいかな。」

『隠さないで言う。』

「うん、自分で直そう!って思ってくれるのはうれしいんですけど、ライブラリーには専用の治すテープとか、ノリとかがあります。だからそのままで大丈夫です。どうしてもよごれちゃったり、破れちゃったりすることあると思うから、そのままでいいので、みっちゃんやさいちゃんに教えてください。オッケー?あとは、みんな使い方で聞きたいことあるかしら。」

『3冊借りなくていいの?』

「うん、3冊全部借りなくちゃいけないわけじゃないから、1冊とか2冊でも大丈夫。1週間借りることができます。月曜日に借りたら、次の週の月曜日まで借りることができるよ。あとは何か聞いてみたいことはありますか?大丈夫そう?」

きき手とていねいにやりとりしながら、軽井沢風越学園の心臓であるライブラリー、そしてスタッフのみっちゃん自身と出会う時間だった。

このあとそれぞれの読書タイム。一人で読む人、一緒に本を読む人、みっちゃんに本を読んでもらう人とさまざま。

ぼくも混ぜてもらって、近くにいた人と一緒に本を読んだ。ハジメが選んできた『ある朝ジジ・ジャン・ボウはおったまげた!?』を一緒に読んで思いっきり笑った。

ていねいに手渡す。そして伴走し続ける。これは何もライブラリーに限ったことではない。

この1年、たくさんのたくさんの本に出会ってほしいな。

後期も、休み時間に読書する人がじわじわと増えている。呼吸をするように読書をする。そんな人が増えていく1年になりそうな予感。

#1・2年 #2021 #ライブラリー

岩瀬 直樹

投稿者岩瀬 直樹

投稿者岩瀬 直樹

幸せな子ども時代を過ごせる場とは?過去の経験や仕組みにとらわれず、新しいかたちを大胆に一緒につくっていきます。起きること、一緒につくることを「そうきたか!」おもしろがり、おもしろいと思う人たちとつながっていきたいです。

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