2021年9月22日
2018年に第1期、2020年に第2期の「風越コラボ」を開催しました。これまで約90名の仲間たちと、学校や学びを取り巻く一人ひとりの実践を共に吟味し、それぞれの実践の場の変化に取り組んだ豊かな時間でした。
「幸せな子ども時代を過ごしてほしい」これが、私たちの学校づくりの根っこにある願いです。そしてそれは、学校の中に閉じられたものではなく、地域や社会へと広がっていくものだと思っています。その実現に向けて「幸せな子ども時代」を願う大人が集い、それぞれの学校・地域・社会のなかで今取り組んでいる実践の場の変化に挑戦していく刺激とエネルギーを交換し合う場を開きます。
「風越コラボ」は、【一人ひとりが「自由だ、幸せだ」という実感を持つ社会のために、どんな学校や教育がありえるのか、多様な人たちが集まって試行錯誤しながら実験し、それぞれの現場で実践していく場(Collaboration × Laboratory)】です。
2020年から続く新型コロナウイルス感染症によって、子どもも大人も学び方の変容を求められています。第2期「風越コラボ」では、全回オンラインでの実施を余儀なくされました。今年はオンラインだけでなく対面で実施したい気持ちはありつつ、まだ先の見通しを持てる状況にありません。
第3期「風越コラボ」はこれまでから形式を変え、風越学園のスタッフが多様な人たちと探究してみたい問いをもとに、5つのゼミを開講します。まずは、11月3日(水・祝)に、オンラインでそれぞれのゼミで探究してみたい「問い」についてお話します。ご興味のある問いの時間帯だけでも、もちろん全時間帯の参加も可能です。大人も学び続ける文化を育くむコミュニティの仲間をお待ちしています。
第3期 風越コラボ プレイベント
実施日:11月3日(水・祝日)10時〜15時
参加費:1000円
申込期間:2021年9月22日(水)〜11月2日(火)15時まで
申込方法:peatixページからお申し込みください。
当日の予定:
10:00〜10:10 イントロダクション
10:10〜10:30 ゼミ1)実践を駆動する「記録」ってどんなもの?
10:40〜11:00 ゼミ2)わたしたちは、それぞれの見方から何が学べるのか?
11:10〜11:30 ゼミ3)実践者のからだとこころをつなぐ言語とは?
11:40〜12:00 ゼミごとに質問タイム
13:30〜13:50 ゼミ4)私達の地域にはどんな探究のタネが埋もれているのか?
14:00〜14:20 ゼミ5)「心が動く時」って、どんな時ですか?
14:30〜15:00 ゼミごとに質問タイム、クロージング
開校予定のゼミの概要は次の通りです。プレイベント後の11月3日(水)〜10日(水)まで、各ゼミの申し込みを受け付けます。
「実践を駆動する「記録」ってどんなもの?」
日常的な<記録>を真に意義あるものへ育てていくためには、どうしたらいいのでしょう。軽井沢風越学園では、いま実践の記録について鋭意模索中(苦戦中)です。前期は幼児から2年生までの特殊なグループ編成ということもあり、この環境の特殊性に沿った記録のあり方を新たにつくりだす必要があります。でも、それがなかなか難しい…。本ゼミでは、主に保育の記録を中心に考え、つくっていく試みを外部へ開き、異なる実践現場の皆さんと意見を交わしながら、オリジナルな記録のあり方を模索していきます。参加者のみなさんとゼミ伴走者である研究者と共につくり出す4日間。記録をゼロから考えてみたいなぁという方、どうぞご参集ください。
対象:幼稚園・保育園等での実践者、幼児教育に関心があり何らかの実践現場をお持ちの方、小学校教諭、実践現場は持っていないが関心がある方、研究者
定員:研究メンバー定員 6名、オブザーバー定員 5名
(このゼミには、研究メンバーとオブザーバー、2つの参加方法があります。研究メンバーは、記録についての発表を行います。オブザーバーの場合、発表は不要です。)
参加費:10,000円〜20,000円のスライディングスケール形式
風越コラボ1,2期参加の方:9,000円〜20,000円の スライディングスケール形式
※スライディングスケール形式について 参加費1万円で伴走していただく研究者への謝礼が最低限支払うことができます。それ以上のお支払いをしていただくと、ゼミの準備にかかるその他経費が捻出できます。参加される方ご自身の本ゼミに参加する意義や経済状況などを勘案して、ご自身で支払う額を決定してください。
ゼミ伴走者・プロフィール:山本 一成さん(滋賀大学教育学部 准教授)
京都造形芸術大学こども芸術大学にて保育者として勤務後、「保育現場で起こる出来事の意味を言葉にする」ことを志し、臨床教育学の研究を行う。特に、「子どもと環境との出会い」、「生きているものどうしの想像力」について研究を行っている。主な著書に「保育実践へのエコロジカル・アプローチ―アフォーダンス理論で世界と出会う 」(九州大学出版会)がある。
「私達の地域にはどんな探究のタネが埋もれているのか?」
自分の身の回りの地域を歩いて、不思議だな、面白いなと思ったものを深く探究していきます。教材研究や趣味の街歩きをより充実させるなど、各自の動機で探究して、地図の形でアウトプットしましょう。
対象:総合学習等で地域を探究する授業を実践されている方、実践したいと思っている方、実践現場は持っていないが地域の探究に関心がある方(教育関係者に限りません)
定員:10人程度
参加費:30,000円(その他、フィールドワークに関わる実費は各自負担)
風越コラボ1,2期参加の方は、20,000円
「わたしたちは、それぞれの見方から何が学べるのか?」
同じ場面やものでも、人によって見方が異なることはよくあります。それはその人の経験によってつくられるものではないでしょうか。そして、その見方から、その人らしさが立ち上がってくると考えます。このゼミでは、同じ動画や写真を見て、どのように見えたかをやりとりすることなどを通して、私らしさに気づき、見方の多様さを感じて他者の視点を取り入れます。また、他のゼミとの交流もする中で、この問いに迫っていきます。どんなゲストに来ていただくかなど、活動内容もゼミの参加者と一緒に企画していきます。
対象:「わたし」の見方を探究したい人、他者の視点から発想を広げたい人(教育関係者に限りません)
定員:10名(最少催行人数 5名)
参加費:30,000円(その他、活動に関わる実費は各自負担)
風越コラボ1,2期参加の方は、20,000円
ゲスト:日下慶太さん(コピーライター。著作『迷子のコピーライター』写真集『隙ある風景』など)
「「心が動く時」って、どんな時ですか?」
あなたの心が大きく動くのは、どんな時ですか?美しい景色を見た時?それとも美しいメロディや素晴らしい作品に出会った時でしょうか?あるいは本の中のフレーズだったり、投げかけられた言葉、誰かが取った何気ない行動に触れた時かもしれません。人はどんな時に心が動くのだろう。子どもの感性はどうやって磨かれていくのだろう。そんな不思議な心の動きを、時にその分野の専門家をお呼びしながら、参加者の皆さんと共有・探究します。
対象:子どもたちの「心が動く」その時を、共に探究してみたい方
定員:10名(最少催行人数 5名)
参加費:30,000円(その他、活動に関わる実費は各自負担)
風越コラボ1,2期参加の方は、20,000円
ゲスト:
佐渡島庸平さん(株式会社コルク代表取締役CEO/編集者)
「2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している。」
北沢彰利(いぶき彰吾)さん(黒姫童話館 館長/児童文学作家)
長野県の生まれ。日本児童文学者協会・信州児童文学会会員。『朝に吹く風』で塚原健二郎文学賞奨励賞受賞。現在、ミヒャエルエンデ、松谷みよ子、岩崎ちひろなどの作品所蔵で有名な長野県信濃町黒姫童話館館長を務めている。「いぶき彰吾」のペンネームで自らも児童文学も執筆、代表作に『千曲川はんらん希望のりんごたち』、『黒姫ものがたり』などがある。信濃毎日新聞で『森の赤鬼C.W.ニコル』連載中。
「実践者のからだとこころをつなぐ言語とは?」
私たちは日々、子どもたちと過ごしながらよりよい実践とは何かを追求しています。一人の実践者の子どもへの働きかけ、関わりをみたとき、そこにはことばでは共有できない何かがあり、からだが自然に動いていることも多くあります。そんな実践者(自分や仲間)の身体性に、関心を寄せてみるとより深い理解が生まれるはずです。そして、個人の身体性の理解を前提とした、チームでの協働と創造が生まれたら面白いと思うのです。このゼミでは、日々の実践を「からだ」「こころ」「ことば」を使って掘り起こしてみたいと思っています。「からだ」を動かしたり、これまでの実践を言語化したり、それらをまとめてパターンを見出したりしながら、チームをつなぐ「ことば」を探します。
対象:3〜15歳までの子どもの遊びや学びに関わる方・仲間と実践を共有する難しさを感じている方
定員:5名
参加費:18,000円
風越コラボ1,2期参加の方は、15,000円
ゲスト:井庭 崇さん (慶應義塾大学総合政策学部教授・博士(政策・メディア)) 慶應義塾大学クリエイティブ・ラーニング・ラボ代表、株式会社クリエイティブシフト代表、パターン・ランゲージの国際学術機関 TheHillsideGroup理事、および、一般社団法人みつかる+わかる理事。専門は、創造実践学、パターン・ランゲージ、システム理論。著書に『クリエイティブ・ラーニング:創造社会 の学びと教育』、『パターン・ランゲージ』など。