2022年8月25日
こんにちは、軽井沢風越学園です。
8月23日(火)から夏休みを終えた子どもたちが校舎にやってきました。
長期休み明け恒例の「づくキャン」、1,2日めは異年齢のホームで過ごし、今日はスポーツフェスティバル、明日はミュージックフェスティバルという学校生活の再開です。
来週8月29日(月)はオンライン授業見学(特別編)として、アドベンチャーをテーマにご紹介します。
>> https://peatix.com/event/3305654/view
明日8月26日(金)12時から9月の園開放の申し込みを受け付けます。
詳細はお知らせをご確認ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/23205/
なお23年度入園入学に関する募集要項は9月中旬までをめどに更新いたします。
また、スタッフ採用に関する情報を文尾のあとがきでご紹介しています。
かぜのーと 第64号(2022年8月25日発行)
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【1】『「こうすればいい」というような、唯一の正解はない-マルエネプロジェクトの設計-』馬野 友之
【2】『未知の私自身と仲間に出会う』かぜのーと編集部
【3】『『いのちの秘儀 レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の教え』(若松英輔、亜紀書房)』奥野 千夏
【4】『カリキュラムぺージを改訂しました』かぜのーと編集部
【5】『新入職のスタッフからみた『風越らしさ』って?』かぜのーと編集部
【6】『楽しみ、考え抜き、手放したその先』岡部 哲
【7】『場で起きていることから「学び合う」をつくる』大作 光子
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【1】#テーマプロジェクト
『「こうすればいい」というような、唯一の正解はない-
マルエネプロジェクトの設計-』馬野 友之
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2020年の「見えないものを、見えるようにする」というテーマプロジェクトが、僕が風越学園に来て初めて設計したプロジェクトだった。今思えば、全体的な方向性は示されるけど、細かいプロセスは、個々に任せる部分が大きく、子どもたちにとってはハードルが高く難しいプロジェクトだった。7年(現9年)の多くは熱心に取り組み、「あのプロジェクト楽しかったんだよね」っていう声もときどき聞くが、子どもたちのことをよく知らなかった時期だったとはいえ、一人ひとりの力を活かすための事前の準備や全体の設計はもっとできたはずだと反省した。そこで、今回のテーマプロジェクトは、2年前にもっとこうすればよかったと思ったことを意識しながら、準備を進めた。
7・8年生の、第2ターム(6月6日から7月21日の6週間)のテーマプロジェクトは、「◯力エネルギーで発電」(通称:マルエネ)というプロジェクトで、ざっきー(山﨑)と一緒に実施した。
今回のテーマで僕たちが設定した目的は、「主に電気エネルギーの利用に対して、自分たちなりのバランスを探していく」ということ。エネルギー問題は誰にでも関わりがあり、一人ひとりの日々の意思決定が長い期間常に影響を与えている。エネルギーという身近だけれども、そこまで深く考えたことがないものに、「こうすればいい」というような、唯一の正解はないことを知り、思考停止せずに多角的・多面的に、これからの人生でも考え続けていってほしい、という願いがあった。
そして、テーマの設計をするときに二人でよく話したのは、「子どもたちが浅い知識で満足せずに、深く考えてほしい」ということだ。デバイスを使いこなし、さっと情報を集めて、見た目のいい体裁を整えたスライドやドキュメントをつくることは、すでに子どもたちにとっては難しいことではない。さっと情報を集めて分かった気持ちになるのではなく、すぐには分からないことに向き合い続けることで、深く考えてほしい。そのためには、どんなテーマとの出会いをしたらいいのだろうか?最終アウトプットまでに、どんなミニアウトプットの機会を準備したらいいのだろうか?を考えることに一番時間をかけた。
その中で、僕たちが意識していたのは、「この子は、このテーマでどのようなストーリーを描くことができるか?」だった。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/25314/
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【2】#セルフディスカバリー
『未知の私自身と仲間に出会う』かぜのーと編集部
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2021年度から始まったアドベンチャーカリキュラムでは、「未知の自然・経験と出会う:アクティビティベース」(登山やロッククライミングなど)、「未知の私たちに出会う:リレーションシップ ラボ」(ホームやラーニンググループで取り組む活動)に加え、6年生と9年生が「未知の私と出会う:セルフディスカバリー」の3つを経験する機会をつくっています。
2022年6月6日(月)〜10日(金)に実施した9年生のセルフディスカバリーを企画担当した甲斐崎と寺中に本城が聞きました。
寺中:今回のセルフディスカバリーでは、23人の9年生が3つのチームに分かれて4泊5日を一緒に過ごしましたが、道中の自転車は自分一人だけで乗る。「風越学園から日本海までの160キロを仲間と自転車で行く」という避けられない、自分の全部をぶつけないとなんともならないような課題が目の前にあることで、誰かとの比較じゃなくて、自分自身のことを考えられるような機会になるといいなと思って企画しました。でも、実際に起きたことは思っていたことと少し違って、9年生たちはみんな自分だけでなく、仲間とつながっていることの喜びを感じてるように見えましたね。
本城:期間中、彼らはどんな体験をしたんだろう?
甲斐崎:雨の初日しかも延々と続く登り坂、ほとんどの子どもたちが「ほんとに日本海まで行けるの?」っていう気持ちを感じていたんじゃないかと思いますね。雨でずっと登り坂で自転車なんか乗れない、ひたすら自転車を押して、本当にこれで着くのかな?っていう不安とか絶望感があったんじゃないかな。そういう状況でも自分なりのチャレンジがあって、絶対に成し遂げたいことを躊躇せず表明する姿がありました。
例えば自転車に慣れていないカリンは、登りも下りも自転車を押す時間がありました。でも、搬送車には絶対に乗らない、と言ったことがあったんです。それを言えるのがすごいなって思ったんですよ。
それはきっと、自分が表明するチャレンジは大切にされるんだっていう確信が、彼女の中にある。風越学園でこれまで培ってきた時間に、仲間もスタッフも自分のチャレンジを認めてくれる、という信頼がある。到着が何時になろうが私は車に乗らずに押して行くんだと、普通だったら言えないんじゃないか。「私はこれを大事にしたい」と表明できるという自信や自負は、9年生みんなにあったんじゃないかなと思います。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/25627/
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【3】#子どもに関わる全ての大人に読んで欲しい本
『『いのちの秘儀 レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の教え』
(若松英輔、亜紀書房)』奥野 千夏
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「読書は不思議な営みだ。書かれていることが十分に理解できなくても、行間にある何かがある確かさで感じられる場合がある。文字に表れていない何かを知性とは異なる認識の力が把握するのである。むしろ書かれていることだけを理解する読書の貧しさをこの頃、強く思う。大切な人からの手紙も同じだろう。」
たまたま見かけたこの短い文に魅かれ「この人の文章をもっと読んでみたい!」と、批評家で随筆家の若松英輔さんの本を数冊ポチポチした。その中の1冊が『いのちの秘儀 レイチェル・カーソン 『センス・オブ・ワンダー』の教え』若松英輔 亜紀書房。
この本では、レイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』を若松さんが読み解いていく。若松さんはレイチェルをこのように紹介している。
「レイチェルは第一級の科学者ですが、同時に優れた詩人でもありました。(中略)彼女の言葉と思想の根底を流れているのは、冷徹な科学者の眼だけでなく、「いのち」とのつながりを決して見過ごさない詩人の魂でもあるのです。」
「レイチェルが興味深いのは、「いいあらわすことのできない」ところで止まらないことでもある。言葉にならない、という現実を引き受けながら、どうにかしてそれを他者と分かち合おうとする。これこそ、詩人の止みがたい思い、詩人の衝動というべきものなのです。」
保育の世界、子どもの世界はこの「いいあらわすことのできない」にあふれている。私は保育の世界に入ってからずっと、「いいあらわすことのできない」をなんとか言葉にできないだろうかと四苦八苦し続けている。
「センス・オブ・ワンダー」という言葉自体もそうだ。最初は「驚異の感覚」と訳されていたが、訳者の上藤恵子さんが「それでは訳しきれないことがある、現代の日本語では十分に表わすことのできない何か、翻訳してしまったらこぼれ落ちてしまうもの、それを大切にしたい」と、この表現を選んだのだそう。日本語に訳しづらいだけでなく、言葉で説明すること自体が難しくもある。
この春から夏にかけて、風越学園の今年度のカリキュラム改訂について、義務教育学校のスタッフと一緒に話し合いを重ねた。年少から中学3年生までの12年間、探究の学びが続いていくことを大切にしたいと話したが、幼児の姿を思い浮かべるとまだ探究ではないのではないか。そのベースになっていくものは絶対にあるけれど、それってなんなのだろうと話した。探索しながら、この世界に出会っていく段階。土、水、季節によって変わる風の感触、虫などの小さな生き物、見えないものも含めた森のいのち、自分とちがう他者とその思い、そういった自分の外側にあるものたちに出会いながら、驚き、よろこび、畏れ、心が動く出会いを通して、自分とも出会っていく。
幼児期に大切にしていることは、突き詰めるとそういった「センス・オブ・ワンダー」を育むことではないかと思うのだけれど、その一言で表わしてしまうのはどうしても躊躇があった。なんとなくいいことというのはわかるけど、結局それってどういうことなの?という、あいまいさも感じる。そんなことを考えていた時に、この本に出会った。
記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/book/25598/
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【4】#カリキュラム
『カリキュラムページを改訂しました』かぜのーと編集部
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2022年8月1日にカリキュラムページを改訂しました。開校以来、毎年少しずつ改編を続けていますが、毎度どんな言葉を選ぶか、どういう関係として整理するか、あれこれ思案を重ねます。2021年度のカリキュラムからどんなことが変わったのか、子どもたちのエピソードも交えて紹介します。
この記事は、8月4,5日に行われた学園説明会の一部をもとに構成しています。
今年度からの大きな違いの一つは、2020年度・2021年度までの年少から義務教育学校2年生までを「前期」、3年生から9年生までを「後期」という分け方をやめたことです。前期と後期という区切りによって起きていた(主にスタッフの)分断をなくし、一人ひとりの子どもにとっての12年間の連続性を大事にしたいという願いがありました。そのうえで、近しい学年でのラーニンググループをつくり、そのラーニンググループを横断して12年をつなぐ存在として、リエゾンセンターを再定義しました。
そして、今年のカリキュラムページの冒頭では、風越学園における「カリキュラムとは子どもの経験の総体である」としました。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/25669/
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【5】#学園説明会
『新入職のスタッフからみた『風越らしさ』って?』かぜのーと編集部
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おもに2023年度の入園・入学を検討していらっしゃる皆さんを対象に、8月4、5日にオンラインで学園説明会を開催しました。
2020年4月の開校から3年目を迎え、理想として描いていたことと現在地との間を、具体的に埋めていくような挑戦の時を迎えています。理想の姿には、まだ届いていないところが多くあります。
その現在地も含めてお伝えできる説明会にしたいという思いから、今回の学園説明会は、「軽井沢風越学園のカリキュラムについて」、「2022年4月入職スタッフからみる風越学園のリアル」、また、新年少、新小1の入園入学を検討されている方向けに「幼稚園、1・2年生担当スタッフが4月からの実践を振り返り、夏以降の実践に向けてのやりとり」、新中1の入学を検討されている方向けに「7〜9年生担当スタッフが4月からの実践を振り返り、夏以降の実践に向けてのやりとり」という内容で行いました。
ここでは、2日にわけて行われた新スタッフによる「2022年4月に入職したスタッフからみる風越学園のリアル」を1つの記事にまとめてお届けします。聞き手は、校長の岩瀬(ゴリ)です。
記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/25515/
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【6】#スタッフインタビュー
『楽しみ、考え抜き、手放したその先』岡部 哲
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人は誰でもいろんな側面や強みを持っている。それにしても、岡部(以下、こぐま)の中には、3,4人の分身がいるよう。ラボを中心とした造形活動を主に担当しながら、図工室で子どもたちの「〜したい」に伴走するだけでなく、農機具小屋をはじめとする大工仕事をこなす。ベーシストとして様々なミュージシャンと共に演奏を行い、Live Libraryでは企画や出演者のアレンジもする。アドベンチャーのロッククライミングは、こぐまなしには成立しえない。
風越学園での造形活動については、本人が記事を積み重ねていることもあり、インタビューでは、とことんクライミングの話をしようと思い立った。2019年の終わりからクライミング熱が再燃したこぐまのおかげで、同じくクライミング病に罹っている辰巳が聞きました。
ー クライミングをはじめたきっかけは?
21年前の2001年、大学の終わり頃にクライミングに出会ってしまった。もともと自然とか山は好きで、でも山頂を目指す登山というより、登山道ではない誰も行かない道を歩いて、一人で森を散策するのがおもしろくて。日本だけでなくカナダとか海外の山にも旅する大学時代だった。
でも、怖がりだからクライミングには手を出さずにいたんだけど、ある時ふと1泊2日のクライミングツアーに応募してみたら、うっかり当たっちゃって。小川山(川上村にあるクライミングのメッカ)まで、電車で行った。最初に登った「ガマスラブ」は手で持つところが全然ないし、トップロープとはいえ、本当に怖かった。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/staff_interview/25646/
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【7】#軽井沢風越ラーニングセンター
『場で起きていることから「学び合う」をつくる』大作 光子
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22年度から始まった研修・研究事業に取り組む軽井沢風越ラーニングセンターの「実践ラボ」として8月9,10日に「探究的な学びを支える学校図書館員研修」が行われました。子どもたちの学びを支える学校図書館に関わる仕事をしているさまざまな人が風越に集まり,あたたかな風が吹きました。
専門職と言われるしごとは,資格や免許をとってから現場で実践することを通して自分の中にあるものを磨き続けていくのだろうな,とつくづく思っています。学校をフィールドにする場合は,教師であろうが司書であろうが,子どもに関わるおとなは子どもの姿から自分の実践の影響を真摯に感じとらなければならないだろうなと。
学校図書館ではたらく司書教諭,学校司書の人たちは,自分たちの学びに貪欲な人たちが多く,ずっと何十年も前からよりよい実践をつくろうと愚直に積み重ねてきています。
今回「実践ラボ」では,特に学校司書に対するニーズが高い業務をとりあげることにし,それを風越のフィールドをめいいっぱい使って体験することを通して,自分がどのような実践家でありたいのかを考え,自身の実践の場でどのように行動していくかを考えられるような時間をつくることに挑戦することにしました。ゆっこ(元小学校教員,公共図書館や司書教諭など経験豊富)とつぶら(元小学校教員。現在はライブラリアンの猛勉強中)といっしょに。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/25617/
今月公開した大作の他記事
・「町の学校とつながる「本の虫プロジェクト」」>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/25628/
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(あとがき)
子どもの育ちや人の成長を信じ、ともに学校づくりに挑むスタッフを募集中です。
【8月31日応募〆切】臨時教員スタッフ(2022年10月〜2021年3月末まで)
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/25431/
【9月8日応募〆切】幼稚園スタッフ(2022年12月または2023年4月〜)
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/25358/
幼稚園スタッフ募集については、9/2(金)にオンライン説明会を開催します。
ご興味がある方は、ぜひご参加ください。
なお、当日参加が難しい方はアーカイブ動画の視聴も可能です。
>> https://greenz.jp/event/greenzjob-kazakoshi-20220902/
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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