2023年6月27日

第74号(2023年6月27日発行)

2023年6月27日

こんにちは、軽井沢風越学園です。
新年度がはじまって3ヶ月。2学年ずつの集団(ラーニンググループ)でも異年齢がまざる場面でも、7〜9年生が頼もしいなぁと思うことが増えました。今月号では異年齢で過ごすホームというコミュニティの中で、どんなことが起きているかの記事をお届けします。

来年4月から参画するスタッフの募集が始まっています。以下はスタッフの声ですが、子どもも風越の学びに同じような感想を持っているかもしれません。

「与えられるものが少なく、自分でつくっていくことが求められる」
「不確かさや分からなさを面白がれないとしんどい」
「自分で進める力も必要だが、複数人で協力しながら進めることが多い。時に意見も分かれ衝突することもあるし、時間も労力もかかる」

採用についての詳細はこちら>> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/30229/

7/7(金)と7/18(火)にはオンライン採用説明会も実施します。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/30227/

かぜのーと 第74号(2023年06月27日発行)
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【1】『「場」をつくる』西村 隆彦ほか
【2】『共に考えることがだんだん”じゆうしんど”になっていく』 佐々木 陽平
【3】『ライブラリーの本に想いをのせて』遠藤 つぶら
【4】『風越から、何を持ち帰ろうかなぁ。』富田直樹(GIFT School)
【5】 軽井沢風越ラーニングセンター・今月のかるせんのーと
【6】 入園・入学ご検討のみなさんへ幼稚園開放・校舎見学・説明会のお知らせ
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【1】# ホーム
   『「場」をつくる』西村 隆彦
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異年齢で過ごすホームの価値は?ホームの時間って、そもそもどんな時間?

風越で働き始めて3年目。昨年初めてホームを担当して、ただでさえ複雑な風越のカリキュラムの中で、そんな疑問を持ちながら、僕自身、昨年度9年生だった卒業生や、同じホームのスタッフだったさんだー(山田)、さやさん(岩瀬)、ふぅ(林)、リソースのささ(佐々木)やみやちゃん(宮原)、子どもたちにも助けてもらいながら、なんとか乗り切れた1年目…。

今年度は、昨年度から引き続き卒業生が抜けた同じメンバーに、新たに新5年生が加わった25名と、今年度新入職のもい(新井)とおかつ(竹内)を中心に、ホーム3はスタートしました。

4月、僕自身イメージを持たないままホームをスタートしてしまい、子どもたちにも見通しを持たせる事が出来ないままスタートしてしまいました。ホーム3の朝の集いは、その見通しの持てなさがそのまま出てしまったような冷えた状態でしたが、今回インタビューしたノイ、イイナ、セツ、ハルマキ、ユイを中心としたファシトレ(ファシリテータートレーニング)メンバーの実践で見違えるようなコミュニティに変化しました。

ここまで何を感じていたのか、どのような変化があったのか、子どもたち自身に聞いてみました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/29968/

他のホームについての記事はこちら >>
『動き出すホーム、そして学校』岩瀬 直樹
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/gori/29915/

『風越の魅力「ホーム」での活動』 竹内 克紘
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30067/

『Home,Go!』山田 雄司
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/29955/

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【2】# 数学
  『共に考えることがだんだん”じゆうしんど”になっていく』 佐々木 陽平
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昨年度、自由進度学習をやめてみたけど、ゆっくり学んでいる子どもたちはゆっくりなりに学んで育つ、速く学んでいる子どもたちは速くなりに学んで育つということを諦めたわけではない。一人ひとりの子どもたちが数学に没頭しながら育つ時間と空間をつくりたい。そんな思いで授業の場をデザインしている。

そのために、今年度どうしてもしたかったことが「数学の時間は7,8,9年のラーニンググループ(LG)を学習内容(すなわち現状では学年)で分ける」ということだった。
算数・数学の意図的なカリキュラムは、階段型のカリキュラムで系統がはっきりしている。たとえば、かけ算の九九ができなければ二位数÷一位数のわり算はどうしても苦しくなるということが起こる(もちろん九九表を与える支援などやれることはあるけれども)。だから、階段を一段一段登るようにカリキュラムを手渡していく。そのときに、ベルトコンベアで大量に流していくのではなく、子どもたちのペースでやっていくというのが自由進度学習だったと思う。

しかし、階段型カリキュラムをそのまま階段型カリキュラムで与えてしまってはお気の毒。登山型カリキュラムとまではいかないけど、一つ一つの授業が登山のように数学的にチャレンジして考える場をつくりたい。考えるべき問題や面白い問題にみんなでチャレンジし、個で取り組んだりチームで取り組んだり、それぞれに適した道具を用いながら、それぞれのペースで取り組んでいくような場である。階段型カリキュラムにおかれている内容を登山のようなチャレンジングな課題に置き換えていくならば、課題は内容に依存するので内容でLGを分けないと子どもたち同士の支援も起きにくいし、僕も見きれなくなるだろう。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/30281/

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【3】# ライブラリー
  『ライブラリーの本に想いをのせて』遠藤 つぶら
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ライブラリーはスタッフだけでつくっているのではありません。

2021年4月。保護者である大野さんが「このライブラリーを大切にしたい。埃や砂が溜まっているのでまずは本棚のお掃除をやらせてもらえませんか。」とライブラリースタッフに声をかけてくださいました。その声を保護者のみなさんに共有すると、「私もライブラリーのために何か役に立ちたい」と20名以上の方たちが手をあげてくださいました。本棚の掃除の他にもガーデンライブラリー(外にあるライブラリー)の制作、ブックカバーをかける作業、新学期には保護者の方もライブラリーを利用してもらえるということのお知らせ・案内など、ライブラリーをつくる一人として、学園に関わってくれています。

そんなゆるやかなコミュニティの呼びかけ人は2022年度には、竹内さん(以下、えいちゃん)に引き継がれ、その後月に1回「本の森カフェ」という場を開くことを決め、そこから毎月テーマに合わせて選んだ本を囲みながらコーヒーやおやつ片手に本を眺めたり、読んだりしながらざっくばらんにお喋りする場を開いてきました。いろんな企画を考える中で「ライブラリーをつくっているみっちゃんの話がききたい!」という保護者の方たちからの声を受け、5月には風のものがたり(保護者が聞き手となりスタッフや保護者の話を聞く場)とのコラボでみっちゃん(大作)が話をすることに。

この記事は、その話の一部ではありますが、開校当時からのみっちゃんの想いが皆さんにも届くといいなという願いで書くことにしました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/30197/

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【4】# 風越参観記
   『風越から、何を持ち帰ろうかなぁ。』富田直樹(GIFT School)
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GIFT Schoolという小さな学校、マイクロスクールをやっている富田直樹と申します。

先月5/26、27日に開催された「学びのかたちをつくる会#01 まわる まざる まなぶ」に参加してきました。

風越のイベントに参加するのはこれが初めてではなくて、もう5年も前の、開校直前に行われた「風越コラボ」という会が初めてでした。当時、新しい学校を創ろうと思ったはいいけれど、経験は全くないし、知り合いに「先生」が1人もいなくてどこから手をつけようかと迷っていた時に、苫野さんの本と出会い、軽井沢に新しい学校を創るらしいと知り、急いで申し込んだのが「風越コラボ」でした。そこで出会った赤木和重先生の本(「アメリカの教室に入ってみた」)に登場する「The New School of Syracuse」は、今のGIFT Schoolの大きなインスピレーションとなっていたり、僕の中ではその時々のいろいろな課題を解決するヒントを見つけにいくような、そんな存在のように勝手に思っています。

さて今回のイベントの主催者は校舎の設計者である仙田満さんを中心とした「学びのかたちをつくる会」。
空間と学びの関係を紐解いていくという趣旨に、教育関係者だけでなく建築やデザインなどに携わる方、コミュニテイ作りをしている方など、様々な視点を持った人たちが全国から150名も(!)集まってきていました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/30330/

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【5】軽井沢風越ラーニングセンター・今月のかるせんのーと
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今年度は、長野県教育委員会から二人の教員が派遣され、軽井沢風越ラーニングセンターによる「学習者中心の学びのための、スクールベースの教師教育プログラム」が今年も始まっています。二人がどんなふうに過ごしているか、かるせんのーとでお届けしています。

『授業を記録するのは何のためか?』 岩瀬 直樹

今年度、長野県教育委員会から派遣されているおかつさん(竹内)、ほりけん(堀内)の2人は軽井沢風越ラーニングセンターの「学習者中心の学びのための教師教育プログラム」(以下、単にプログラムとします)を受講していますが、月曜日から金曜日、1〜6コマ目まで、ほぼびっちりプログラムが入っています(私がかつて所属していた教職大学院の院生より忙しい…)。たとえば6月5日の週は、午前中は幼稚園での研修、午後は義務教育学校でテーマプロジェクトの研修、放課後はリフレクションと大忙しでした。

午後のテーマプロジェクトの研修、今はそれぞれテーマプロジェクトに入ってその授業の様子のドキュメンテーションを書く、という課題に取り組んでいます。
ドキュメンテーションとは、イタリア市のレッジョ・エミリア市の保育実践で生まれた、子どもの活動や発言を写真などの視覚的な資料を用いて可視化した活動記録のことです。各園でファイリングされているだけでなく、ドキュメンテーションそのものを書籍としても販売しています(邦訳はない)。日本では幼児教育の文脈で取り入れられ、発展し広がってきています。

風越学園では、評議員でもある大豆生田啓友さんの書籍(*1)を参照しながら、2020年からテーマプロジェクトの記録としてドキュメンテーションの試行錯誤を始めました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30108/

7月13日(木)には自治体連携事業に関する見学説明会を開催しますので、ご興味のある自治体・学校法人はどうぞご参加ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/30155/

その他のかるせんのーと記事はこちら>>
『2023年度、3つの自治体との連携がスタートしました』中川 綾
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30040/

『子どもたちに出会うまでの10日間』 堀内 健
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30030/

『校内研修を観察して分析してみる 〜シャドーイングとカード観察法〜』 岩瀬 直樹
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30043/

『長野県・松本市:探究コーディネーター同士の学び合い』 中川 綾
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/30103/

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【6】入園・入学ご検討のみなさんへ幼稚園開放・校舎見学・説明会のお知らせ
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8月7日(月)、8日(火)に校舎見学および学園説明会(オンライン)を実施します。
明日6月28日(水)12時からお申し込み受付いたしますので、入園入学を検討していらっしゃるみなさんはどうぞご参加ください。
なお、募集する学年を見直し、新6年生を新たに対象としました。24年4月入園・入学の募集対象は、幼稚園の新年少・年中、義務教育学校の新1年・6年・7年です。

>> https://kazakoshi.ed.jp/news/admission_info/29156/

また7月14日(金)実施分の幼稚園開放の申し込み受付を6月30日(金)12時から実施します。7月以降、現在お住まいの地域による申し込み制限はありません。

>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/29735/

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(あとがき)

夏休みまでちょうど残り1ヶ月となりました。アウトプットデイやアドベンチャープログラムを控え、7月もまたいろんなできごとが起こりそうな予感がします。
明日は今年から保護者のみなさん発で始まった月1回の全校ランチ・コトコトの日。とうもろこしのキーマカレー、楽しみです。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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