2021年11月23日
こんにちは、軽井沢風越学園です。
10月下旬から新型コロナウイルス感染拡大防止対策のために実施していたいろんな「わける」を徐々に見直し、ふたたび「まざって」過ごす場面が増えつつあります。1学期から保護者有志のみなさんが準備を重ねてきた放課後の動きも始まりました。
12/14(火)に久しぶりにオンライン授業見学を実施します。
今回は「アドベンチャー」カリキュラムについてご紹介予定です。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/20318/
かぜのーと 第55号(2021年11月23日発行)
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【1】『暮らしグループ、はじまりの準備』片岡 利充
【2】『この道であってんのかよ!?』本城 慎之介
【3】『子どもと探究に橋をかける』大作 光子
【4】『ベテラン』澤田 英輔
【5】『自分たちでつくる』橋場 美穂
【6】『鬼探検のプロジェクト』大豆生田啓友
【7】『 風の音に耳をすませば』新井美幸・大野裕子
【8】『一人ひとりの言葉の力がつく授業を。』甲斐 利恵子
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【1】風越のいま
『暮らしグループ、はじまりの準備』片岡 利充
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11月12日金曜日。翌週から異年齢の「暮らしグループ」をはじめるにあたって、午後、2年生みんなで集まりました。
「今週みんなに伝えてきたように、コロナのこともあって、ここまでは2年生中心で活動してきたけど、来週からは、それぞれの学年が混ざった5つの『暮らしグループ』に分かれます。きっと、これまでよりみんなの力も発揮されるはず。それぞれの場所で、前期のいちばん大きい人として、前期のみんなのことをお願いしたい。」
新体制になるにあたってのみんなへの期待。頼りにされると張り切っちゃうみんなへのお願い。改めて、今回は、前期のみんなにとっても、2年生のみんなにとっても大事な節目なんだということを伝えると、みんなはいつも以上に真剣な眼差しで聴いてくれました。そして、『木はいいなあ』を読み聞かせをしました。
「3歳の人もいるなかで、5つのグループで分かれて集まるって難しいと思うんだよね。だから、風越にもたくさん生えている『木』を目印にしようと思うんだ。新しいグループは、木の名前と駐車場から順番に数字を合わせたグループ名になっています。でも、どの木がどのグループの木かわからないから、よりわかりやすい目印が欲しい。(誰かが「看板!」と叫ぶ)そう!『看板』。その看板に来てもらうための?(誰かが「チケット!」と叫ぶ)そう!『チケット』。新しいはじまりの準備として、今日の午後は、2年生みんなにグループごとに『看板』と『チケット』をつくってほしいんだ。」
この時点で、すでにワクワクしている人がちらほら。そんなことを伝えたあと、グループ名とメンバーの発表。「もみじ1丁目、メンバーは・・・」
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20468/
今月公開した片岡執筆の他記事
・「暮らし」の中で学ぶということ 〜ぶんぶんばち、綱引きの綱を借りにいく〜
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20537/
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【2】風越のいま 『この道であってんのかよ!?』本城 慎之介
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第30週と31週は、放課後村、風のランチ、うろうろ風越が動き出し、保護者の姿が校舎の中に戻って来た。
7・8年生の鼻曲山登山、11月2日午前3時出発。暗闇の中、ヘッドライトで地図を照らし、ルートを確認しながら子どもたちは進む。6時8分の日の出までに山頂にたどり着き、朝日をみんなで見たい。大人は黙ってついていく。分かれ道で意見が割れる。踏み込む人がいて行く道が決まる。でも、行き止まりになり、また戻る。
「この道であってんのかよ!?」という誰かに向けた声が聞こえる。こういうのが一番腹立つが、ぐっと黙る。
自分で地図を広げろ。自分で周りの景色を見ろ。そして自分で進め。そうじゃなかったら、黙って誰かにずっとついて行け。
そう思ってることが時々あるな。
記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20384/
今月公開した、他の300文字作文記事
・「うらやましいぜ」 >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20460/
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【3】風越のいま 『子どもと探究に橋をかける』大作 光子
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1年生のキョウは朝ふらっとライブラリーに来ては、スターウォーズの本ない?クワガタの折り紙の本ない?などライブラリーを信頼してくれているひとり。カウンター的なテーブルの内側で気がつくと本を読んでいることもある。
ある時、ごりさん(岩瀬)が家から持ってきた昔の硬貨が、テーブルに飾ってあるスナフキンのぬいぐるみの膝の上にのっていたのを見つけたキョウ。早速キョウは「これなぁに?」と冷静な眼差してたずねてきた。待っていましたよ、と思いつつ、「それ、ごりさんの家にあったみたいだよ。オフィスにいるから聞いてみたら?」と。
ごりさんのところに聞きに行ったキョウは本で調べてみたら?と促されて、また私のところにやってきた。「みっちゃーん、このお金って江戸時代に使われていたものかな?」とピンポイントで聞いてきた。歴史好きでもあるしな、と思いながら、いっしょに歩いてライブラリーの探究エリアに向かう。まだまだ私に連れて行ってもらう段階でおっけーと思っている。
キョウの父母と話すと、「キョウはみっちゃんへの信頼がある!」と言ってくださるのだけど、キョウは「みっちゃんよ、ぼくの期待にどこまで応えてくれるのだい?」とばかりに、まだまだ探っていると思うなぁ〜。それでも昨日は忍者の本の袖に載っていた本がライブラリーにあるかどうかたずねてきた。100%絶対じゃないけれど、信じてみたいという気持ちのあるキョウとの関係を築いていきたい。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20575/
ライブラリースタッフは、11/30に応募締め切りです >> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/20135/
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【4】だんだん風越 『ベテラン』澤田 英輔
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11月12日金曜日、朝の9時過ぎ。5・6年生が国語の授業をする赤床エリアに、2年生がやってきた。今日は、りりー(勝山)が絵本の読み聞かせをしてくれる日。りりーが取り出した『えがないえほん』に、さっそく2年生の間で「これ笑うよ」「めっちゃ面白いよ」のささやき声がいきかう。5年生は、ちょっと距離を置いてそれを聞いている。
りりーが絵本を読み始めると、遅れて来た5年生のサイトが、ひと目見て「あ、知ってる。絵のない絵本!」と笑顔になって指差した。大人が読むのをためらう言葉が盛りだくさんのこの絵本に、前期の子を中心に歓声があがる。「読んで読んで!」「次めくって!」。そう言いながら、後期の子のあいだにずんずん入って、いつの間にか集団が混ざる。
2冊めは、落語の絵本。何冊かの候補本から、りりーは、読んだ人が少ない『かえんだいこ』をチョイスした。安物と思った古い太鼓が、なんと三百両で売れるお話。想像を絶する儲けに仰天する古道具屋夫婦のリアクションに、あちこちで笑いが漏れる。
5・6年生の国語の授業では、週1回くらい色々なスタッフに読み聞かせをしてもらう。前期スタッフにお願いする時は、前期の子たちも一緒に聞く。そうやって一緒の時間を増やして、ゆくゆくは後期の子が前期に読み聞かせに行けたらいいな、そう思っていた。
でも今回は、いつもの読み聞かせと少し違っていた。実は読んだ絵本は、りりーではなく、前期の子が後期のために選んでくれた本だったのだ。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/20489/
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【5】風越のいま 『自分たちでつくる』橋場 美穂
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昨年度、前期のスタッフとして過ごしてきたけれど、ホーム以外の1,2年生の子どもたちの様子をなかなか見ることができなかった。そこで1年生と共に前期の暮らしをつくっていきたいという思いで、足を踏み入れた今年度。暮らしを大切にしながら学び、人と共に生きるということを心におきながらスタートした。
前期130人。ホーム東65人。ひがし1ねん15人。という集団の枠がいくつかある中でまずは近くで出会った仲間たちとの関わりを豊かなものにしていきたかったので、ひがし1ねんの集団としてお互いを知り合い、思いやり、助け合う仲間になってほしいということを意識しながら、この春から風越に仲間入りした人も含めて新たな関係性をつくってきた。
その中で、時にはこちらが集団あそびや散歩などでグッと引っ張ることもしてきたし、生活の中に学びも取り入れてきた。子どもたちはそんな与えられた課題でも自分なりに解釈して自分のやりやすい方法を見つけたり、自分が納得のいくやり方にしようとする姿があったり、集団あそびもこちらが提案することをやってみようとする姿だけだったのが次第に自分達で仲間を集めて、好きな場所で、自分たちで作ったルールでやりはじめる姿も見え始めた。
そんな時に家庭の都合で一日私がお休みさせてもらった日があった。その日、ひがし1ねんのことをゆっけ(井手)に託したのだが、帰りの集いの時間をどう過ごすのか自分たちで考え、ルカが絵本を読み、自分たちで下校をしたと聞いた。
そこで私は思いついた。私は家庭の都合でまだお休みしなくてはならない。私のいない一日を自分たちで計画してみないかな・・・。前日に子どもたちに提案してみた。
「自分たちで一日の計画立ててみない?」
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20371/
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【6】風越参観記 『鬼探検のプロジェクト』大豆生田 啓友
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子どもたちの遊びから、テーマ性や協働性が生まれ、プロジェクトになっていくことの始まりには何が大切なのでしょうか。年中児が集まる朝の集いで保育者が鬼の絵本を読むと、真剣に聞き入っていました。読み終わった後、絵本の感想などが次々と出されます。というのも、昨日、隣接する森に行った際、鬼の看板を見たということがあったからでもあります。中には、「鬼の声を聞いた」という子もいます。そして、「それをもう一度、森に見に行きたい」という声が数人の子からあがったのです。
でも、「怖いから行きたくない」という声も多数。行きたい子だけで行くことになるのですが、迷っている子もかなりいます。ある子は、竹の棒を持ち出し、「これを持っていこう」と言うと、怖がっていた子の何人かはそれを持つことで勇気づけられたようで参加を表明します。さらに、女児の中から「鳥の羽をつければ大丈夫かも」という声もあり、保育者は羽を作るための材料や道具を用意します。結構な参加希望者が集まり、森へと出発です。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/20538/
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【7】キュレーション企画 『 風の音に耳をすませば』新井 美幸・大野 裕子
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かぜのーとは、共に子どもたちの幸せを願うつくり手たちが綴る一冊の本です。
この本は「なるべくそのままを正直に伝える」というスタンスで編まれた大らかな本でもあるので、読み手はたっぷり設けられた余白を使って自由に問い、考え、学ぶことができます。
今回は互いに年長の娘がいる新井と大野のそれぞれの読み方を、参考までにご紹介させてください。
我が家の玄関をくぐると、床から天井まである本棚が見えてきます。間取りを考える時に大切にしたことの1つが、本棚の位置でした。毎日必ず通るところ、家に入ってまず目につく場所、すぐ手にとれる空間に本を置こう。そうこだわったのは、ゴリさんの「ライブラリーを校舎の真ん中にした理由」のこんな一節に出会ったからです。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20506/
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【8】スタッフインタビュー 『一人ひとりの言葉の力がつく授業を。』甲斐 利恵子
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公立中学校で国語科の教員として38年の経験を持つ甲斐(りんちゃん)。
教師の道を歩み続けてきた彼女の授業に参加したことのある何人かのスタッフから、こんな言葉を聞いたことがある。「りんちゃんの声がいい。」
真っ直ぐと、でも柔らかに届くその声は、自分に語りかけられているんだと感じる力がある。そんなりんちゃんのことをもっと知りたくなって、ゆっくりと話を聞いてきました。
__ まずは、なぜ風越にということからお話伺えますか。
長年、公立中学校で国語科教師としてやってきました。年数で言うと38年。人ごとのように、自分でも「えーーーー(そんなに長く!)」という感じなんですけど、ただ「教室にいたい」という思いだけで続けてきました。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/staff_interview/20602/
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(あとがき)
なんだかあっという間に年末の足音が聞こえてきました。スタッフのミーティングでも、来年度のことについて取り扱うことが増えてきています。子どもも大人もまだまだこれから始めてみたいことがたくさん。授業料等減免制度をもっと拡充したい、芝生にもっと木を植えたい、グラウンドに大きなあずまやをつくりたい…などなど。
そうした動きを加速させるため、寄付でのご協力をしていただける方は、ぜひお願いします。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/others/20535/
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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