2021年12月24日

第56号(2021年12月24日発行)

2021年12月24日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

先月から在籍の保護者を対象に「うろうろかざこし」を実施しました。校舎をうろうろ過ごし、どんなふうに観て、どんなことを感じ・考えたか分かち合う半日の場です。
日常の子どもたち・スタッフの様子を見た約100名の保護者からは、チャイムも鳴らずあちこちからいろんな音や声が聞こえてくる中でも自分の学びに取り組んでいる様子に驚いた、スタッフがみんなチャレンジしていて誰一人として安全圏にいない感じがした、など嬉しくなるような感想が届きました。
つい、できていないことや足りていないことに目が向きがちなので、こうしたポジティブなフィードバックが生まれうる機会も大事にしたいです。

年明け1月14日(金)にオンライン授業見学(新春特別企画)を実施します。よろしければ、ご参加ください。
>> https://peatix.com/event/3114207/view

また、前期スタッフ(アルバイト)・ライブラリースタッフ(有期契約職員)を募集しています。詳細はホームページをご覧ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/

かぜのーと 第56号(2021年12月24日発行)
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【1】『普段していないことをしてみること。』岩瀬 直樹
【2】『未知なるものとの出会い』甲斐崎 博史
【3】『サンタさんの家』本城 慎之介
【4】『大事なことって、なーんだ?』臼田 亜由美
【5】『炭焼き珍道中』曳田 裕子
【6】『第8回アウトプットディ 前日・当時の様子』かぜのーと編集部
【7】『三年間の冒険』木下 史朗
【8】『 放課後村へようこそ!』かぜのーと編集部
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【1】風越のいま 『普段していないことをしてみること。』岩瀬 直樹
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風越学園のホームページ、カリキュラムのページの「探究の学び」にこう書かれている。

それぞれの「〜したい」という情熱から始まる探究の学びにひたります。

では「〜したい」という情熱はどこから生まれてくるのか。探究したいことに出会えずにいる人に「何したいの?」ときくのは愚問で、そもそもそれがはっきりしていれば苦労しないわけだ。
ぼく自身がもし子どもでこの校舎にいたとしたら、自分のプロジェクトは何にするだろうか。当時は、野球とバスケ、群れ遊びぐらいしか関心なかったかも。どうしても自分の狭い経験の中から探すことになりそうで、なんともつまらなくなりそうな気もしてくる。スタッフに「何をしたいの?」ときかれたら困ったかもな。
情熱や好奇心を「本人の中にあり、湧き上がってくるもの」と限定的に考えてしまうと、「好奇心のない私」と感じて、つらくなってしまうことにもなりかねない。

そこにはきっと「未知との出会い」みたいなものが必要で、情熱や好奇心は外からやってくることの方が実は多いのではないか。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/gori/20989/

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【2】だんだん風越 『未知なるものとの出会い』甲斐崎 博史
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Those who dwell,as scientists or laymen,among the beauties and mysteries of the earth,are never alone or weary of life.

地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生にあきて疲れたり、孤独に苦しめられることは決してないでしょう。
                                                         アメリカの生物学者 Rachel Carson(レイチェル・カーソン)の言葉

前回の記事で、アドベンチャーには「予期せぬ困難なチャレンジ」があると書きました。それに対して逃げずに立ち向かうことで、子どもたちは自分を知り、自分の可能性に気付くことができると述べました。

今回は、アドベンチャーのもつ、もう一つの魅力について書きたいと思います。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/20945/

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【3】風越のいま 『サンタさんの家』本城 慎之介
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雪景色の第38週。

久しぶりに前期の保育にまるっと一日。子どもたちと一緒に森に入る。
雪の上に残る足跡。動物たちのものに混じり、おおきな長靴の跡。

「しんさん、これサンタクロースの足跡じゃない?!」
「どうかなぁ。(実はさっき下見で歩いたんだけど…)」
「絶対にサンタさんだよ!」

ということでサンタの足跡を辿る冒険。

足跡は途中で消えてしまったけど、川を渡り、崖を登る。

てっぺんに一軒家を発見。

「わぁー、サンタさんの家があった!」
「ソリとトナカイの跡もある」
「これ絶対にそうだ」
「どうかなぁ、サンタさんの家じゃないかもよ」と答えると、
「しんさんは、サンタさんを信じてないの?」とタイチ。

森と雪と家、絵本の世界。

明日から風越は冬休みです。

記事はこちら >>  https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/21032/

今月公開した、他の300文字作文記事
・「遠足(とおあし)」 >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20917/
・「まちになっていく、もりになっていく。」 >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20847/

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【4】風越のいま 『大事なことって、なーんだ?』臼田 亜由美
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ホーム東・年少じゃぶじゃぶチームの10月13日の朝の集い。

久しぶりの本格的な雨。登園してきて、タープのしたになんとなくいると、「ここならえほんよめるねー」とカホが言い、「ここであさのつどいする?」とマキノ。「テーブルもあるからいいね〜」とアンノ。「じゃあ、緑の椅子持ってきて、丸くなって朝の集いをしようか」と声をかける。

私(てんてん)が、YY(幼児の室内スペース)に行くと、ダイセイとカンがちょうど連れションへ。長靴を脱ぐのが億劫になった私は「トイレ行ったら、てんてんのリュック持ってきてくれる?」と声をかけると、「いいよー」とトイレへ。ダイセイが戻ってきて、トイレのスリッパをきれいに並べてから、私のリュックを探す。カンも戻ってきて、「あー。これだぁ」とリュックを発見。中には6冊ほど絵本が入っているので、なかなかの重さだけれど、二人で力を合わせて私のところまで持ってくる。「サンキュー」とお礼を言い、タープへ。

「まーるくなーれ わーにーなーれ いーち にーの さーん」と歌いながらも座ると、こんな感じ。

入園してから今まで、この11人は、から松林のいつもの場所で自分たちでやっとこさ運べる重さの丸太に座っていたので、自分の思う「まるくなる」を表現したのは、ここが初めて。本人たちは気づいてないけれど(笑)。

「どう?」と聞くと、「なんかへんなまるだな〜」とそれぞれ手でまるの形を作って確かめている。「てんてんのとなりにだれかがきて、だれかのとなりにまた誰かが来て。。。」と伝えると、少しずつ動き出す。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20920/

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【5】風越のいま 
  『炭焼き珍道中』曳田 裕子
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3,4年生は今年度、「季節と作物」を大きなテーマに掲げ、それぞれの「やりたい」が生まれるテーマプロジェクトに取り組んできました。
4月のはじめ。みんなで町探検に行ったあと、3,4年生で1年間どんなことをやってみたいか出し合うと、「畑で作物を育てたい」「動物を飼いたい」など、次々にやりたいことが挙がりました。はたちゃんが描いたイラストを眺めて浮かんできたキーワードは「村」。
みんなが暮らす「村」をつくれたらいいなぁ。そんな思いでプロジェクトが始まりました。

9月のある日。子どもたちが顔を寄せて何やら話し合っていました。

「炭焼き小屋を作りたいんだよ。」
「炭を村の燃料にできたらいいよね。」
「それで、米を炊こうよ。」

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/21036/

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【6】だんだん風越 
  『第8回アウトプットディ 前日・当時の様子』かぜのーと編集部
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第8回めのアウトプットディ。
前日準備の様子と当日の様子をそれぞれ記事にしてみました。

【前日の様子】
明日12月7日(火)は、昨年から数えて第8回めのアウトプットディ。

今年度も新型コロナウイルスの感染状況に合わせて実施方法を試行錯誤し、2021年5月(第5回)はオンライン開催、7月(第6回)は校舎とオンラインのハイブリッド開催、10月(第7回)にオンライン開催を経て、今回は校舎のみで実施します。おおまかには午前中にテーマプロジェクト、午後はマイプロジェクトの発表が行われる予定。

前日の準備状況はどんな様子でしょう、ぐるりと校舎を回ってみました。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20775/

【当日の様子】

12月7日(火)に第8回アウトプットディを終えました。当日の様子をご紹介します。まずは体育館で開会式。前日、子ども運営スタッフのコウとハンナが準備していたパンフレットが配られます。自分たちの発表だけでなく、他の人の発表や展示にも興味を持って参加するために、午前中のプロジェクト紹介の最後に発表される「文字」を集めて言葉をつくろう、パンフレットを失くしてしまわぬように翌朝にパンフレットに記載している番号を抽選で発表、持ち主には何か景品があるよ、とのこと。こんなアウトプットディになるといいなという子ども運営スタッフの願いが込められたお知らせでした。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/20951/

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【7】キュレーション企画 『三年間の冒険』木下 史朗
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かぜのーとの「キュレーション企画」について聞いたのは、澄んだ青空と、先日冠雪しすぐ溶けた浅間山が見える風景の中でのことだった。

なぜか靴を脱ぎ、羊が食べて短くなった雑草の感触を感じているのかのように畦を裸足で歩いている3年生の娘。以前いつの間にか靴下が残り一足になっていて、あるはずの靴も無くしたので、スティーブ・ジョブスじゃないんだから靴を履いてくれと話したことがある。もちろん2012年生まれの彼女に伝わるはずもなかったが、見ていて気づきはあった。どこでも裸足になるわけではない、アウトレットでは脱がないけれど、知人のカフェでは土足エリアでも脱いでいる。屋内、屋外ではなくて、心からリラックスしている証のようだ。一人で行く田んぼでは長靴を履いていたけれど、友達と一緒に過ごすそこでは裸足になる。

その横で1年生の息子は友達とかけっこをしている。稲刈りは先月のうちに終わり、刈り取られた稲株が冬ぶちを待っている。(信州では冬に行う田おこしのことを「冬ぶち」といい、藁を分解し土中の微生物に空気を与え良い米作りの土台になると昔聞いたことがある)

機械で植えたのと異なり、規則正しく並んではいない。だからか何かをそこに感じる。もちろんデコボコもあるけれど、走りにくそうにしている様子はない。一緒に走る子どもたちの体格もまちまちだ。走って、ゴールして、笑いながら集まり少し話をしてまた走る、けれども今度はさっきまでと少し違う。3歳の子は手前から、息子と同じ学年の子は一番奥からのヨーイドン。でもやっぱり大きい子が速い。げらげら笑いながらその次には、息子はもっと後ろからのスタートになっている。

暦では冬の始まりだが、日あたりのよい田んぼに抜ける風には不思議と冷たさを感じず心地よかった。子どもたちそれぞれの過ごし方を眺めながら、何を書けばいいのかなと考えたときに、まだ風越学園が開校するまえ、かぜのーとで知った1冊の本を思い出した。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20939/

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【8】だんだん風越 『 放課後村へようこそ!』かぜのーと編集部
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8月4日に行われた学園説明会で放課後について、ゴリさん(岩瀬)はこんなふうに語りました。

放課後の話をすると、今のところ(編集部追記・1学期の意味)風越は、子どもたちは16時半まで残っていいことになっているんだけど、スタッフは次の日の準備やその日の振り返りなどもあって、子どもたちと関わるのは難しく、子どもたちはただ学校で時間を過ごしているだけだったんだよね。おおよそ豊かな放課後とはいえない状態。 そのことを発信したら保護者の方が受け取ってくれて、どうしたら豊かな放課後がつくれるのか考えるワーキンググループを立ち上げ、もう3ヶ月くらい動いてくれている。「豊かな放課後は子どもと保護者とでつくる」と再定義して、我が子だけではなく、ここにきている子たちが幸せなこども時代を過ごせるにはという気持ちで動いてくださっている方がたくさんいるんだよね。
(中略)
実際の放課後の様子を見た保護者から、「もっとお互いを大事にする文化をつくりたいよね」というような発言もあったんだけど、それってすごいなあと思うんです。先生どうにかしてよ、あんな子どもたちの様子でいいんですか?、にならないで、そういう文化をつくっていきたいよね、一緒につくっていこうよっていう保護者の存在は本当に心強い。

「放課後の時間を豊かにしたい。でも、なかなかスタッフだけでは難しい。また、残っている子どもたちが片付けできずに帰ってしまうことで、翌日を迎える準備にスタッフが集中できない。」

そんな風越のスタッフからの声を保護者が受け取ってくれました。夏休み明けの新型コロナウイルスの状況を考慮し、約2ヶ月間は放課後の校舎滞在ができませんでしたが、2021年10月25日からようやく、『放課後村』が始まりました。
どんなふうに始まったのか…はまた今度ご紹介させていただき、今日は実際の放課後の風景をお届けしたいと思います。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/20998/

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(あとがき)
6月に実施したみらいツクール、12/11,12に後編として再会しました。
(前編に関する記事はこちら>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/18449

18〜24才のツクール生や保護者の存在によって、8年生の中に生まれる言葉の質感が日常と違うなと感じる場面がたくさん。
また、ツクール生にとってオンラインが日常化しているこの2年間、その便利さや可能性は感じつつも、彼らからリアルな機会への渇望感がひしひしと伝わってきました。こうした場をつくることが、ささやかながらもコロナ禍における大人の役割なのではないかと、改めて気の引き締まる思いです。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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