2021年2月22日
こんにちは、軽井沢風越学園です。
3月19日に今年度の終わりの日を控え、スタッフ・子どもともに残りの時間を意識し始めました。ふとした場面の子どもたちの様子に、この1年の積み重なりを感じます。陽射しや風の中にも、少しずつ春の気配がする軽井沢です。
かぜのーと 第46号(2021年02月22日発行)
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【1】「自由な学校じゃない。ここは、自由をつくる学校。」岩瀬 直樹
【2】「さまよいながら、僕たちは。」根岸 加奈
【3】「ゆれるこころはそのままに」井上 太智
【4】「どう動くかで、その人自身がつくられていく。」外崎 恵子
【5】「その教室は誰のもの?」赤木 和重(神戸大学)
【6】「あんなこんななテーマプロジェクトの設計」大作 光子
【7】 今月のWebかぜのーと更新情報
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【1】 毎日うろうろ「自由な学校じゃない。ここは、自由をつくる学校。」
岩瀬 直樹
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__ この10ヶ月振り返ってどんな感じ?
楽しいこともたくさんあったし友達もできてきたし。
まだ、あんまりうまくできてない友達もいるし、友達っていえないような子もいるけど。
好きなことで分かり合える子ができてきたし、本好きとか、プログラミングとか、友達のおかげで、体験できないようなこともできたし。好きな本の話はあまり最近はしなくなってきたんだけど、プログラミング一緒に行ったりとか他の事で一緒に遊んでたりもしてる。
__そうなんだねー。風越きた時って、「自由な学校だって聞いてたのに。僕はずっと本を読んでいたい!」って言っていたよね。
自由な学校じゃない、ここは。自由をつくる学校。だって自由な学校だったら僕がやっていることに何か言ってきたりしない。自由な学校じゃないって思い知らされた(笑)
__自由な学校と自由をつくる学校、ユーマはどっちがいいの?
自由な学校体験したことないからかもしれないけど、自由をつくる学校がいい。
自由な学校とかほかの普通な学校に比べて、社会のことを分かり合えたり、社会を詳しく勉強できたりする。実際、社会もこの学校みたいな感じだし。自由ではないけれど、やりたいことができるみたいな。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/gori/16022/
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【2】だんだん風越 「さまよいながら、僕たちは。」
根岸 加奈
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たいち:改めて、テーマプロジェクトって何だろうね。新しい世界に出会うことを大事にしながら、カリキュラム的には理科・社会を中心に教科横断で学ぶものって据えてるけど、まだ言葉になっていない大事なものはすごくありそう。
ざっきー:セルフビルドの探究プロジェクトとは違って、結構な大人数でみんなでやる、みたいなところがプロジェクトの特徴としてあるのかなって思う。同じ子どもたちとテーマプロジェクトを重ねてると、お互いのことをだんだんよくわかってきて、その上での共通の目標に向かった協働がつくられていく。連携がスムーズになっていく感じ。他の学習グループやホームとはちょっと違うかな。あと、テーマプロジェクトは、問いとか内容との出会いだけじゃなくて、人との出会いもあるのかなって思ったんだよね。近しい学年の、自分とは違う人たちとの出会い。
ぽん:たしかに。人との出会いは大きいなー。そして、同じメンバーで積み重ねていくっていうことにも価値がある気がする。私自身も、スタッフというより子どもたちと同じ仲間としてそこにいる感じもあって。メンバーの一人として、一緒に積み重ねてきた感覚があるなぁ。
たいち:そうね。だから俺さ、テーマが変わっても、子どもたちの組み合わせは変えなくていいかなって思った。テーマも変わって仲間も変わったら、なんかつながるものがすごく細くなっていくというか。違うテーマをみんなで共有してるってすごく大きいよね。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/15820/
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【3】だんだん風越「ゆれるこころはそのままに」井上 太智
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風越学園の7年生は悩みも多い。
それもそのはず、新しい学校に飛び込んで今までとは違うことの連続なのだ。理科室に集まり、それぞれ今後の実験計画を立てていると7年生のホノカに声をかけられた。
ホノカ「ねぇねぇ、聞いてよ。たいち。私さ、他の学校の友達に風越って勉強してないんでしょ?って言われるんだよ!」
僕「え!ホノカ、勉強してないの?」
ほのか「何言ってんの。ちゃんとしてるよ!でもさ、風越は勉強してないって思われてるの。」
ミサト「でもさー、私たちは探究ってヤツしてるじゃん?」
ホノカ「そうだよね。プロジェクトとか頑張ってるもんね。だから私そう言われるの超嫌なの!」
ハヅキとユマは隣でニコニコと聞いている。
ホノカ「それ言われると悔しんだよね〜。風越は行かない方がいいとかさ。でも確かにさ、これでみんな高校行けませんでしたとか、絶対嫌だな。だから私、勉強頑張るよ。それでみんなで進路を叶えるの!それに、もしみんなが高校に行けなかったら風越の評判も下がっちゃうじゃん?それも嫌。」
「そう言われるかもしんないけどさぁ、俺たちのウリはプロジェクトをめっちゃ頑張ってることジャン!!」とテッペイが混ざる。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/16092/
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【4】スタッフインタビュー「どう動くかで、その人自身がつくられていく。」
外崎 恵子
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元々、個人事業主でいくつかの仕事をしていたんですけど、その中でお世話になっている人が「風越学園という新しくできる学校で事務局のスタッフを探しているみたいなんだけど、一回話聞いてみる?」と辰巳さんにつないでくれて。話を聞いてみたらすごく面白そうだったから、すぐ行こうと決めて、そこから2ヶ月くらいで軽井沢に引っ越ししてきました。2019年の5月のことです。
__ 仕事を変えるだけじゃなくて、住む場所も変えるって大きなライフチェンジだと思います。当時、悩んだり、葛藤はなかったですか?
実家が埼玉にあって、軽井沢まで車で1時間半位で行けるから、小さい頃によく遊びに連れてきてもらっていたんです。だから、異世界な感じではなかったっていうか、場所として安心感があったかなあ。私、7年前に一度ガンを経験していて。そこで人生がガラッと変わったんですけど、治療して5年はとにかく安静にしていようと実家で暮らしていました。5年経ったらどこかに旅立ちたいなという思いがあって、そのタイミングともちょうどドンピシャだったんですよね。だから、迷うことなく行こうと思えた。
__ さっきも「面白そうと思って、すぐ行こうと決めた」と言っていたけど、どのあたりがとのちゃん的に面白そうと思うところだったんだろう。
『自由と自由の相互承認』という言葉に引っかかったんです。その時期ちょうどコーチングのコーチもはじめて、「人間を理解したい」という深い欲求が私の中にすごくあって。子どもの中では何が起きているんだろう、自由と自由の相互承認が子ども同士の中でどうやって起きていくんだろうということに興味を持ったし、それを身近で感じられるのは自分自身も楽しいだろうなと思いました。あと、その相互承認が起こっていくためには、お互いを知りたいという興味関心が生まれる必要があったり、そもそも取り巻く大人たちの関係性が大切だろうなと思って、そういう環境づくりを私もしたいなと思ってジョインしたって感じかな。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/staff_interview/16056/
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【5】第4回「風越の教室に入ってみた -その教室はだれのもの?- 」
赤木 和重(神戸大学)
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こんにちは、神戸大学の赤木和重です。コロナウィルスの感染拡大がとまらず,兵庫県にも,1月から緊急事態宣言が出されています。そのため,この間,風越学園に訪問できなくなっています。残念なことです。とくに私の研究スタイルは,実際に子どもの学ぶ様子や教室の様子を見て,その場で感じたことをもとに,自分の考えを組み立てるというものです。訪問ができないということで,実質,執筆がストップします。
ただ,厳しいことばかりでもありません。定期的に訪問していると,どうしても「今」起こっている出来事に気持ちが奪われます。風越学園から時間的にも物理的にも距離をとってみることで,自分が,ほんまのところ,何に心惹かれていたのか見えてくることもあります。
このように感じたのは,大学での授業がきっかけでした。12月中旬,いつものように教師・心理職を目指す学生に授業をしていたときのことです。いつものように授業から脱線し,ええ感じで雑談をはじめました。そして,いつのまにか「風越学園に初めて訪問した日(7月8日)に,一番印象に残ったことはなにか?」というテーマで話し始めていました。
そのとき,私の口から出てきた言葉は,「『先生,筆箱,忘れたから,教室に取りに行ってくるね』という小学校4年生男子の一言が印象に残った」というものでした。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/akagi_report/15833/
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【6】だんだん風越「あんなこんななテーマプロジェクトの設計」
大作 光子
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2020年度のプロジェクトは、前期1・2年生のプロジェクト、後期3〜7年生の「テーマ」と「表現」プロジェクト、そして、子ども自身が取り組みたい・探究したい気持ちから始まる個人プロジェクトがあります。
テーマおよび表現プロジェクトは、1タームが4〜8週間程度で、最終週には「アウトプットデイ」を設けています。アウトプットデイとは、保護者のみならず地域(今年度は困難な状況にあります)に広く公開してフィードバックをもらう場として、プロジェクトのプロセスを通じて学んだことや成果を発表するものです。
さて、風越のカリキュラムにおいて「プロジェクト」の大事なポイントは以下の6つに整理されます。
1)年齢の近しいラーニンググループでスタッフ発信のテーマに取り組む
2)理科・社会を中心に多様な教科・領域を横断しながら深める
3)自分なりの問いを立て、自分なりの答えを求めて探究する
4)多様な探究方法や発信方法を考える
5)協同して取り組む
6)学校外のリソース(人的・物的共に)を活用する
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/16114/
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【7】今月のWebかぜのーと更新情報
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「すすめ、すすめ!」甲斐崎 博史
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/16066/
「Nice to see you again.」藤山 茉優
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/16082/
「かざこしミーティング〜わたしたちが生活する場にしていくために〜」 片岡 利允
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/15924/
「2020年12月の映像をご紹介します」
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/15875/
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(あとがき)
年長児は、卒園までの日を「あとなんにちかれんだー」で数えはじめました。毎日16人で13時で集まり、卒園までにやりたいことの対話を始めています。1,2年生と一緒に土台の学びを体験してみる日の緊張感とワクワクに満ちた顔。彼らを迎える1,2年生も、いい表情していました。
今日22日(月)は町内の西部小学校まで(片道8.2キロ!)遠足へ。4時間半の旅だったようです。8時50分に出発して、到着したのは13時20分。すぐにお弁当かと思いきや、まずはグランドで遊び始める16人…。すごい体力です。
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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