だんだん風越 2021年1月31日

さまよいながら、僕たちは。

根岸 加奈
投稿者 | 根岸 加奈

2021年1月31日

2020年度のテーマプロジェクト(探究の学びのひとつ。スタッフから子どもたちにテーマを提案する)は年間で4回実施している。5,6年Aグループ(5,6年生は2グループに分かれている)を担当している私たち(井上・根岸・山﨑)は、1回目の「コマドリプロジェクト」の後、2回目のテーマを「森」にすることにした。せっかく風越にはこんなに素敵な森があるのに、後期の人たちはなかなか森に出て行かない….というスタッフの問題意識から投げかけたテーマだった。
もっと森を近くに感じられるようになるといいなという思いで、まずは風越の森を散策したり、段ボールハウスをつくって森に住んでみたりと、いろんな角度から森と出会っていった。その後、自分たちの居場所を森の中にもつくるために鎌を使って自分たちの手で一から開拓もしていった。ただ、子どもたちがやっと森に親しみを感じてきた頃に2回目のテーマプロジェクトは終わってしまう。
そこで私たちのチームは、3回目も引き続き「森」をテーマにし、2・3回目合わせて、約4ヶ月森と出会い、向き合い続けることにした。そのプロセスで起きていた葛藤や愉しみ、最終日(2020年12月23日のアウトプットday)の感触を残しておきたくて、子どもたちと開拓してきた森で対談することにした。

開拓をはじめた日。機械等は使わず、すべて自分たちの手で草を刈った。

テーマプロジェクトを通してつくる文化

子どもたちと開拓してきた1月の森にて。(左から、ざっきー・ぽん・たいち)

たいち:改めて、テーマプロジェクトって何だろうね。新しい世界に出会うことを大事にしながら、カリキュラム的には理科・社会を中心に教科横断で学ぶものって据えてるけど、まだ言葉になっていない大事なものはすごくありそう。

ざっきー:セルフビルドの探究プロジェクトとは違って、結構な大人数でみんなでやる、みたいなところがプロジェクトの特徴としてあるのかなって思う。同じ子どもたちとテーマプロジェクトを重ねてると、お互いのことをだんだんよくわかってきて、その上での共通の目標に向かった協働がつくられていく。連携がスムーズになっていく感じ。他の学習グループやホームとはちょっと違うかな。

あと、テーマプロジェクトは、問いとか内容との出会いだけじゃなくて、人との出会いもあるのかなって思ったんだよね。近しい学年の、自分とは違う人たちとの出会い。

ぽん:たしかに。人との出会いは大きいなー。そして、同じメンバーで積み重ねていくっていうことにも価値がある気がする。私自身も、スタッフというより子どもたちと同じ仲間としてそこにいる感じもあって。メンバーの一人として、一緒に積み重ねてきた感覚があるなぁ。

たいち:そうね。だから俺さ、テーマが変わっても、子どもたちの組み合わせは変えなくていいかなって思った。テーマも変わって仲間も変わったら、なんかつながるものがすごく細くなっていくというか。違うテーマをみんなで共有してるってすごく大きいよね。

ぽん:大きい。今回の森プロジェクトも、2回続けてやってすごくよかったなぁと思うんだけど、そこにはその前のコマドリの経験を一緒に積んだことも関係している気がする。一人ひとりが思い切りつくってみる、そこでお互いに個性を認め合いつつも、みんなで上映会(佐久市子ども未来館で製作したコマドリ映像の上映会を実施した)に向けて進んでいくっていう経験があって、その上で、森ではチーム感をより意識してやってた感じがするな。

居場所チーム。「ローインパクト」を意識してベンチや小屋づくりに奮闘していた

ざっきー:個から始めるか、協同から始めるかの順序が違っても、また違ったんじゃないかなって思うんだよね。個から始めたからこその姿があったと思う。

たいち:そうだね。なんかこの5,6年Aグループのテーマプロジェクトで培ってきた文化がある気がする。物をつくること、ちゃんと一人ひとりが主役になることとか。テーマプロジェクトは、文化をつくることです!って表向きには言ってないけど、そういう要素もすごくあるんじゃないかなって思ったりするな。

ぽん:ほんとそうだね、文化をつくる。それって時間のかかることでもあるよね。今回の4回目のテーマプロジェクトから私は違うグループに移ったけど、また5,6年Aグループとは違う文化がある気がしておもしろいの。これまでのストーリーや、そのグループで作り上げてきた文化がきっとあって、そこを大事にした方がいいなっていう気がすごくしてる。新しいテーマプロジェクトでも、子どもたちの声を聴きながらつくっていくことを大事にしたいな。

すごいでしょ、じゃなくても言葉があふれるプレゼン

たいち:7月1日にコマドリプロジェクトのアウトプットdayが終わって、まぁ〜すごい疲れたじゃん。なんか、1回目のアウトプットdayは全体として、みんな頑張んなきゃって感じがすごくあったし、そこに対する違和感はなんとなく抱えながらも、大人もぐっとアウトプットのために引っ張っちゃったのかなって感じもあったよね。見学に来ていた藤原さとさんからも、「全体として、”私たちのアウトプットdayってすごいでしょ”って言われてる感じがした」ってフィードバックを受けて、それも結構心に残ってて。正直、俺らもすごいでしょって言われなきゃいけない気もしてたから。

それで、アウトプットがドン!と決まっているものをやめてみようってなって、2回目は森に入っていったじゃん。だから、3回目最終日の12月23日のアウトプットdayでの子どもたちの発表が、全然すごいでしょって感じがしなかったのが、逆に俺はすごい震えた。

ぽん:わかる。なんだろうね、あの感じ。子どもたちの中から言葉が紡がれていく。素朴なんだけどひしひしと心に伝わってくるものがあって。

たいち:そう。全然すごいでしょ、って感じじゃないんだけどさ。子どもたちの言葉があふれてきたり、自分の言葉を探している姿があって。なんかすごくよかったな。

ざっきー:2回目と3回目で記録の方法を変えたことによる変化はあったような。あとは、川チーム、居場所チーム、ワークショップチームという3チームに分かれたことで、自分たちがその活動をやっているという意識が強くなった気がする。

ぽん:うんうん、毎回プロジェクト内で各チームのプロジェクト・チューニング(*)をみんなでしていたり、スタッフだけでなく子どもたちによるドキュメンテーションにも挑戦してみたよね。

5,6Aプロジェクト内では、毎回はじめの10分間でお互いのチームのチューニングを行った。

たいち:でも、3回目もよかったんだけど、2回目のテーマプロジェクトもなんとも説明しがたい良さがなかった?(笑)特別なアウトプットがあったわけでもなく、ただ森で過ごしてた、みたいな感じ。

ぽん:そうね。2回目最終日10月14日のアウトプットdayでは、ただ森で一人1エピソードを持って…みたいな。

一人一枚の写真とエピソードを持って語った。レイ「気持ちよさそうに寝ているぼく」の写真。

たいち:なんだったんだろうって感じだったけど、まぁでも大事だった。

ぽん:うん、大事だったよね。まさに森と出会ってる時だったもんね。

ざっきー:文化を育んでいたもんね。

たいち:まさにそう。でもどういうプロジェクト?って言われると、わかりづらいなっていう。やってよかったなぁと思うんだけど。

ぽん:1回目のコマドリと2回目って全然違うタイプじゃない?コマドリは、最後のどーんっ!ていうアウトプットに向けてガシガシ進んできたけれど、2回目は特別なアウトプットは目指さず、日常の中で森と出会ってきた続きをアウトプットdayで来てくれた人たちとしていた感じ。

たいち:そうそう。その間をとったのが3回目で、こっちから問いを投げかけてみたんだよね。川チームには「この水は飲めるのか?」、居場所チームには「みんなが居心地がいいってどういうことだろう?」とか。各チームごとに投げかけられた問いから、それぞれにやりたいことも生まれてきて、プロジェクトの進んでいく方向が見えてきた感じがした。

ぽん:2回目で見えた子どもたちの様子や声を拾い上げつつ、3回目で問いを投げたっていうのは、あれは自然な流れだった気がする。必ずしもその問いで最後まで探究していったわけではないけれど、問いをもってそれぞれのチームが3回目の探究を深めていたよね。3回目のアプトプットdayでの子どもたちの姿を見た時に、改めてそれぞれ手元に自分たちのテーマや問いがある感じはしたなぁ。横で木に登ってる人とかも含めてさ(笑)。

アウトプットday当日の様子。

たいち:森プロジェクトは、2回をまとめて1本って感じはあるよね。

ざっきー:2つに分かれているのはさ、こちら側の都合だから。子どもたちにとっては森っていう大きなプロジェクトだったのかなって。

ぽん:うん、あの2回目の期間は、ぜったい必要だったと思う。丁寧に森と出会う時間。

たいち:2回目のプロジェクトのスタートで、こうなるとは誰も予想してなかったよね。そういう想像していないことが生まれるっていうのもおもしろい。

*プロジェクト・チューニング:PBLを主体としたカリキュラムを実践しているHigh Tech Highで開発された、プロジェクトを検討するワーク。建設的なフィードバックを得たり、考えつかなかったアイデアをもらったり、想定していなかった問題点を指摘してもらう。チューニングは「発表者」と「アドバイスグループ」に分かれて、① 概要説明、②解像度を高める問い・掘り下げる問い、③議論、④レスポンス、⑤チューニングの振り返り、のステップで進められる。

テーマや問いの渡し方

3回目は、「よりよい自然との関わり方とは?」という問いで、「森とつながるアースデイ風越」っていうテーマを提案したんだと思うけど。なんでその問いになったのだろう。

たいち:おれすごいはっきりしてるわ。二人はどう?。

ぽ・ざ:えっ、何その感じ(笑)。

たいち:いやいや、答え合わせじゃないからさ(笑)。

ぽん:私はねー、2回目より3回目でぐっと考えてほしいこと学んでほしいことがこちら側にしっかりあったなって。自然との関わり方について、よりちゃんと向き合ったり、学べたらいいなって思ってた。

たいち:たしかに。

ぽん:たしかに、て(笑)!

たいち:(笑)いやいやいや、そうだなーって思ってさ。じゃあ、どうぞざきさん(笑)。

ざっきー:2回目はさ、森との出会いで入り口に立った感じだったよね。そこから3回目どうするかって考えた時に、1回目のプロジェクトをみても、この子たちって自分のやりたいことを実現していく力があるから、より深くなるとか、より新しい出会いという意味で深めるんだったらどっちに踏み出すかっていうので、自然との関わりを問いとして出した。

僕らは校舎が完成する前に浅間環境事務所の方々と環境調査を一緒にする機会があって、自然環境のことをたくさん考えてきたことを知ってるから、子どもたちにもそこ大切にしてほしいなーって思いもあって。あと、子どもたちからはすぐにそういうことは出てこないんだなって思った2回目でもあったしね。やりたいことどん!みたいなエネルギーはあるけど。

たいち:うん、そういうことよ(笑)。2回目は、風越で過ごしているのに、森と全然出会ってないなー、森とは絶対出会ったほうがいいなーってのはあったけど、森の何を考えてほしいかとか、みんなで考えたい問いはなくスタートしたよね。やりたいことはいっぱいやれたけど、KAIさんに「そこに橋を置くことってほんとにいいことなの?」ってフィードバックもらったりする中で、そこの考えが足りてなかったなって気づいた。

で、3人でそういう話をたくさんしたじゃん。ちゃんと自然環境と向き合うことをど真ん中において3回目やろうって。それで、めずらしくこっちからちゃんと提案したんだよね。今まではこっちから提案することにけっこう躊躇することが多かったけど、この「よりよい自然との関わり方とは?」って問いと森のテーマは、違和感なく渡せたな。

3回目のプロジェクトのスタート。スタッフから考えてほしい問いをまっすぐに渡した。

たいち:それに、子どもとプロジェクトをやる時に、スタッフが大事にしたいことをきちんと持って、テーマとして与えるべきなんじゃないかって思うようになったんだよね。それがスタッフの役割の一つ、というか。2回目みたいに、森っていいよね、森って気持ちいいよねくらいでやると、結構いろんなこと起きて、バタバタしたり、こんな感じになるのか!っていうおもしろさもあったけど、これでいこう!みたいな戻れる場所があった方がいい気がしたんだよね。

ぽん:そうね。今回は大人も子どもも、何度も問いに戻った。毎回やってた子どもたち同士のプロジェクト・チューニングでも、大事な視点としてそこにあったね。

ざっきー:2回目は「森と出会う」っていうテーマや問いって感じだったけど、ちょっと抽象度が高いというか、大雑把すぎたのかもしれないよね。やってみてわかったかな、ちょっと大きすぎたって。

たいち:うん、大きいよな、森って(笑)。

ざっきー:問いの設定って結構大切なんだって思った。僕らが考えるだけでなくて、子どもたちが活動する上でもちょうど良いサイズとか、言葉みたいなのがきっとある。

プロジェクトを開いていくことの価値

たいち:2回目はプロジェクトを設計してる時も、はじまってからも、そういうことをじっくり考える余裕がなかったのかもね(笑)。

ぽん:考える余裕もなかったし、個人的には森に関しては入ってみないとわからないこともすごくあったなーって。2回目は、大人も子どもも森のことわからなすぎて、、ひたすら森の中をさまよってたじゃん。

たいち:そうそう、ハチに刺されたりもしてな(笑)。いきなりハチに刺されんのかよ!みたいな。

ざっきー:(笑)。子どもたちも、2回目は計画頑張って立てたのに、初めてのフィールドでいろんなことがあって全然うまくいってない感じあったよね。

ぽん:そうそう。今となっては笑い話だけどね、ハチに刺されたあとのテンションの下がり具合といったら。

ざっきー:テーマ変える?みたいな雰囲気もあったもんね。

ぽん:私あの時のたいちの表情忘れられないよ。あんな表情のたいち初めて見たよ(笑)。

たいち:(笑)。テーマプロジェクトが終わった感あったよな(笑)。

ざっきー:お先が一気に真っ暗になるみたいなね。

ぽん:あったな〜。あれ乗り越えたんだからね、感慨深い。でも私、あれをもし一人で主導でやってたら、心折れてた。ほんと一緒にやっててよかったな〜と思ったよ。

たいち:ほんと反省したもんね。危険生物のことそんなに考えられなかったな、って。おれ、あんな反省してるぽんはじめて見たよ(笑)。

ぽん:(笑)。深夜まで蜂の種類とか危険生物について色々調べてたからね!

たいち:でもその時思ったけど、プロジェクトをうまく開くのって大事だよね。

ぽん:うんうん、たしかに。ほんとそう思う。しんさんやこぐまが、応急処置や蜂の巣退治に加えて、今後のプロジェクトの流れについても一緒に考えてくれたのはすごく心強かった。

今回のプロジェクトからスタッフ間でも子ども間でもプロジェクト・チューニングを始めたけど、私自身プロジェクトを開く価値をどんどん実感し始めてるなぁ。

ざっきー:なるほどっていう助言が結構もらえたもんね。いろんな人とつくっている感じもあったかな。

ぽん:今回は、5・6・7年の子どもたち合同のプロジェクト・チューニングもあって、その時に、居場所チームのセツが小屋づくりのことを相談したら、違うテーマプロジェクトのカノが「うちのお父さん建築家だよ!聞いてみるよ!」ってつなげてくれて、建築家の三浦慎さんが来てくれたりね。ローインパクトな小屋作りが、専門家の視点も加わってぐっと本物になっていった気もするなぁ。

たいち:おれ、好きだなそういうの。コマドリの八代健志監督もそうだし。森でもいろんな人が関わってくれて。結構三人っていうより、三人が中心になって、誰とつくるかとか、そういう感じかな。

ぽん:たしかに。ほんとにその過程過程でいろんな人がプロジェクトづくりに関わってくれてると思うんだけど、今回私がとくに印象的だったのは、シンノスケがぐっと関わってくれたこと。ある日のプロジェクト終了後、うちら三人のとこに来て「ランチミーティングしようぜ!」って誘ってくれて、ね。

たいち:それな〜。それこそ「三人はテーマプロジェクトってどう思ってんの?」とか聞かれたもんね。俺「あ、えっと〜」シンノスケ「うんうん、それで?」みたいなさ(笑)。でも、シンノスケはすでに答え持ってたしね、自分で。「まぁ三人はそう言うけど、要は楽しんだもん勝ちだと思うんだよ」って。

ぽん:いやー言ってたね〜刺さったな〜。ほんとにみんなが心から楽しめることが大事なんだっていうことを言われて、すごいはっとした。

たいち:しかもシンノスケは、「たとえば自分はコマドリなんかを提案してもらえなかったら、絶対その世界に出会えてなかったからよかったと思うよ」って言ってくれたじゃん。

なんか、色々議論出てくんじゃん。テーマプロジェクトは選べた方がいいんじゃないの、とか。でもやっぱり、選べないからこそ出会える世界ってちゃんとあるなっていうのはすごい思うし。

ざっきー:あとその時にシンノスケがさ、選べなくてやるからこそ個性が出る、って話をしてくれて。自分だったら自分なりのものしか作れないし、カイだったらカイっぽい作品になるし、みたいな。めっちゃいいこと言うなって。よくみてるよね、シンノスケ。スタッフのことも、周りの子のこともね。

ぽん:本当にそう。だからかわかんないけど、私なんかはさ、しんのすけに何度も森に連れて行ってもらって。テーマプロジェクトの時間だけじゃなくて、セルフビルドの時間とか昼休みとかも一緒に森や川へ行って、イカや魚を釣ったり、虫探したり、お弁当食べたり、どんぐりをバケツいっぱいに拾ったり。

で、一緒に手を動かしている時に私が「楽しいな〜なんか泣きそう、、」って言ったら、しんのすけが「ね、ほら、出会ってみないとわからないでしょ」って。え!やられた、って思ったよ(笑)。でもそれがめちゃめちゃ楽しくって。ほんと、楽しんでる人のそばで新しい世界に出会うってすごく豊かだなぁと思う。

たいち:そうだね。だからやっぱり、俺らも楽しんでるのが大きいよね。テーマ選ぶ時もそうだけど。

ざっきー:自分たちがつまんないと思うのはね、あんまり…。これ絶対楽しいでしょ!ってものをね、これからも置きたいよね。

たいち:そうだね。あとは学んでみたいと思ってることとかね、うちらがね。

ざっきー:そうそう、楽しいだけじゃなくて、おもしろそう!やってみたら色々学べそう!これはやってみたい!とか。

たいち:とにかくアイデアたくさん出したよね。

ざっきー:そう。で、その上でこれだ、っていう直感があるよね。

自分のものにする、の先にある願い

ぽん:今回は、「テーマを自分ものにする」っていうのが一つ大切にしたい軸としてあったよね。

ざっきー:そう。提案されたものを自分のものにするっていうのはさ、結構なんでも楽しめる人になってほしいなって感じじゃん。あー、そのテーマだったらこういう風にやろうかなーみたいに、人に与えられてその通りにやるんじゃなくて、いつでも自分が動かせる、みたいな。それはなんかさ、コンテンツよりずっと大切かなって。

たいち:そうだね。だからあれがしんどかったよね。「今日何やるの?」って、子どもに聞かれた時。

ぽん:ほんとそれ。2回目の時にね。それ、個人的には大きかったかな。テーマプロジェクトを設計したときに思い描いてた子どもの姿じゃないぞ、って。

たいち:だよな。やっぱりそれを言ってる限り、子どもは爆発してこないもんね。こういうことやってみたいんだけどとか、これが気になるとか言い出して、そこから枠からはみ出たり、うちらの知らない世界に連れて行ってもらって、一緒に悩んだりとかさ、専門家に聞いてみようかとかさ。そういうのが生まれて、本物のプロジェクトになっていく感じはするね。だからなんか、「自分のものにする」に結構こだわっていたのかもね。

ぽん:そうそう。こっちが全部提案し続けていると、想定外のものは生まれにくいなって思う。やっぱり自分のものになってると、テーマプロジェクトの時間以外にも勝手にやってるし。

今回は、セルフビルドの時間にシンノスケが全校に呼びかけて森と川に親しむイベント開催したり、プロジェクトが終わってからも、コウタロウ主宰で「自然環境調査書解読」が行われていたりね。そういうの見てると、ほんとに探究楽しんでいるときってそうだよなーって思うし、それって自分の手元にちゃんとそのテーマがあるってことだよなとも思って。

そういう経験を積み重ねている子は、これからの人生で、自分の学びや探究をつくったり、自分自身をつくるっていうことに充実感や手応え、自信をもって進んでいけるんじゃないかなって思う。

子ども企画の川探検には、前期の子たちも参加してくれた。当日の様子はショウタロウがドキュメンテーションを書いてくれた。

約4ヶ月続いた「森」プロジェクトは、テーマプロジェクトとしてはひとまずおしまい。
ただ、まだまだ続けたいという子どもたちの声もあり、これからは水曜日の午前中に隔週で「森の日」をひらいていくことになった。
自分のものにする、の先に何が起こり、これからどんなストーリーが続いていくのだろう。

初回の「森の日」(2021年1月20日)に集まったメンバーで出した、やりたいことリスト。

 

根岸 加奈

投稿者根岸 加奈

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人との出会いやつながりに支えられてきました。温度感があるものには、はかり知れないパワーがあると思います。多様な人びとや物事が混ざりあい、温度感にあふれた環境で遊び学べたらいいな。

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