2021年4月22日
第四週。
朝。「おとうさんバイバイ、おとうさんバイバイ」と何度も繰り返し、手を振っている。土手の向こうは駐車場。危険はある。駆け出してしまうかもしれない。逃げ出してしまうかもしれない。そばに行った方がいいかもしれないけれども、離れてしっかり待つ。彼を信じて。できるのは念じること。
おとうさんの車が見えなくなると彼は、くるりと向きを変えて、土手をこちら側に駆け下りてきた。僕の右手の人差し指と中指を握りしめて言う。
「そうちゃんね、だんだんなかなくなってきたんだ。おかあさんとおとうさんとバイバイできるようになってきたんだ。」
子どもを信じる。そこが出発点。
大人の不安を絶対に出発点にしないこと。
(#300文字作文)
何をしているのか、何が起こっているのか、ぱっと見てもわからないような状況がどんどん生まれるといいなと思っています。いつもゆらいでいて、その上で地に足着いている。そんな軽井沢風越学園になっていけますように…。
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