2021年12月22日
12月7日(火)に第8回アウトプットディを終えました。当日の様子をご紹介します。
まずは体育館で開会式。前日、子ども運営スタッフのコウとハンナが準備していたパンフレットが配られます。自分たちの発表だけでなく、他の人の発表や展示にも興味を持って参加するために、午前中のプロジェクト紹介の最後に発表される「文字」を集めて言葉をつくろう、パンフレットを失くしてしまわぬように翌朝にパンフレットに記載している番号を抽選で発表、持ち主には何か景品があるよ、とのこと。こんなアウトプットディになるといいなという子ども運営スタッフの願いが込められたお知らせでした。
開会式のあとは、そうぞうの広場ステージや2階のルーム、エントランス横のかまくらなど校舎のあちこちで発表が始まります。
ふだんは小さい人たちの本を読むスペースとして使われているかまくらでは、7,8年生Aグループによる即興劇・「同じ窓・違う窓〜えんじるプロジェクト〜」の発表。
終わった後は、観客と演者が混ざってふりかえりを実施。本公演を翌週に控え、どんなふうに届いたか、どう次に繋げていくか、手応えを確かめるようにフィードバックを受け取っていました。
2階のルームでは、3,4年生の保存食・昆虫食プロジェクトの展示。
自分が取り組んだこと、学んだことを誰かに話す様子は、緊張しながらもどこか誇らしげに見えます。3,4年生のテーマプロジェクトは他に、炭焼きプロジェクト、畑・大豆プロジェクト、家・家具プロジェクト、にわとりプロジェクトと5つ。スタッフから提案するテーマプロジェクトに子どもの「〜したい」気持ちが掛け合わさると、発表しなきゃというよりも、伝えたいことがどんどん溢れて止まりません。
こちらは、5,6年生Aチームのテーマプロジェクト「浅間山を究める」。興味関心の近い問いでグループに分かれ、問いを深め探究を進めました。このグループは、机の下からドライヤーをあて、噴火後の火山灰が飛ぶ様子を表現しようと試みています。
アウトプットディ後におこなったふりかえりシートからも、一人ひとりに生まれている問いの多様さが読み取れます。
そうぞうの広場のステージでは、7,8年Bグループによる「えんげき〜宮沢賢治の世界〜」の公演。
こちらもアウトプットディ後に本公演を控えています。観客席後方では音響と美術チームがchromebookを駆使して効果音を出したり、舞台背景を切り替えたり、大忙し。アウトプットディは成果物だけでなくそのプロセスを含めて発表する場にしたい、と去年から願っていたけれど、実際はなんとか成果物を間に合わせるような場面がこれまでのアウトプットディにはありました。そんな中、今回の演劇や即興劇、7,8年生の「マイプロジェクト作品展示」(「わたしをつくる」の時間に取り組んでいることの展示)などは、プロセスそのものをごろりと見せる試みです。
午後からは、マイプロジェクトの発表が続きます。
ステージでは、ホームE(3〜8年の異年齢グループ)による「Eでショー!」。前日リハーサルしていた「3分クッキング」でサーモンカツづくりを披露したあとは…
自作の木に蛇が登る様子をみんなで眺めて愛でる「蛇でShow」、卓球、コント、即興劇、二重奏、ハンドベル演奏、全員での合唱と、個性豊かなホームのメンバーによる発表が次々に登場しました。
ライブラリーの一画では、「風越ヘボコン」が開催。ヘボコンとは、ヘボいロボットが勝つ相撲大会のことで、昨年佐久で行なわれた大会に出場した子どもたちもいます。学校の中で失敗をおもしろがる、楽しめる土壌を育むプロジェクト。何より、見ている小さい人たち含めて大盛り上がりでした。
ミニラボスペースでは、3年生による「クラフト売り場」と的当てゲーム。ここにも、幼児がたくさんいます。
ふと足下を見ると、年齢によって立つ位置を少しずつ変えていました。
キッチンの和室では、「読み聞かせプロジェクト」で幼児や保護者に読み聞かせをする3年生。午前中の発表含めて、聞き手や参加者のことを考えて考えて準備したんだろうな、と思える工夫や場面がたくさんあって、なんだか嬉しくなります。
こちらは、第1回アウトプットディから毎回マジックを披露している4年生のケンスケによるジャグリング。
去年の秋から練習を重ね、今回はスタッフのだーちゃん(岡田)を誘い、二人でパッシングも披露していました。
ゆっくり少しずつではありますが、子どもも大人も自分や自分の子ども以外の他者に関心を持ちつつある、学びのコミュニティとして広がったり深まったりしているなと感じられる8回目でした。オンラインでのアウトプットディでは、どうしても自分たちの発表準備に追われ、またそのままChromebookを見続けてしまうことがあるのですが、対面で直接的なフィードバックがあることは、確実に子どもたちの熱量に繋がっているなと感じます。
対面での開催は、「あの子がこの場面でこんなだったね」などとスタッフ同士や保護者同士、またスタッフと保護者で小さくともコミュニケーションを積み重ねられる機会としての価値もあります。自分の子ども以外の子への関心を持ち、アウトプットをおもしろがる保護者の姿に嬉しく、心強く思うスタッフは少なくありません。
アウトプットディのためのアウトプットではなく、子どもたち自身がこの機会を乗りこなせるように、大人はどんな働きかけをするとよいのだろう。まだまだ模索は続きそうです。