2023年10月27日

第78号(2023年10月27日発行)

2023年10月27日

こんにちは、軽井沢風越学園です。
日に日に色づく木々の変化が楽しみな季節となりました。

風越学園では毎週水曜日の下校・降園時間が他の曜日よりも早く、放課後をスタッフが研修などの時間として使えるようにしています。これは、変化の多い風越学園の中で、開校以来変わっていないことの一つです。枠組みが変わらないからこそ、その過ごし方をふりかえることができる気がします。

かぜのーと 第78号(2023年10月27日発行)
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【1】『つくり手となる種を蒔く時期〜幼稚園と3年生以上の義務教育のはざまで〜』林 里沙
【2】『「  」になっていく。』本城 慎之介
【3】『光プロジェクト『 』展、4人の発表を丸ごと味わい直してみる』片岡 利充
【4】『自然の中で育っているものってなに?どらにゃごチームのいま』勝山 翔太
【5】『学校のチャイムと子どもの時間』村井 尚子
【6】『ライブラリーから「探究の学び」をつくる』東山 由依
【7】 軽井沢風越ラーニングセンター・今月のかるせんのーと━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

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【1】# 1,2年生
『つくり手となる種を蒔く時期 〜幼稚園と3年生以上の義務教育のはざまで〜』
 林 里沙
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風越学園の1・2年生は現在「茜・群青・黄金」という3つのグループに分かれて活動をしており、私は茜グループの子どもたちと一緒に活動をしている。このグループ活動は、自分の関心だけでは出会えない様々なものやことに出会ったり、協力や衝突・葛藤も含めた自分以外の人との関わりを経験したりしてほしい、というスタッフの思いから取り入れたものだ。

午前中は、くらしや遊びを中心として、様々なものやことに出会ったり、「やりたい!」という思いから始まったりする活動を、グループの子どもたちと共につくっていっている。この午前中の活動は1・2年生のカリキュラムの核であると言えるのだが、その一方で、活動の設計や展開に難しさがすごくあることを感じている。

幼稚園での活動と同じではないが、3年生以上が取り組んでいるスタッフが設計する『テーマプロジェクト』でもない。子どもたちの思いから始めたいけれど、子どもたちのやりたいことだけをやるわけでもない。

そんな、幼稚園と3年生以上の義務教育学校のはざまにいる「1・2年生」という時期に必要な生活について、日々頭を悩ませながら少しずつ進んでいる…というのが今の現状だ。

風越のスタッフ同士でも、「1・2年生って今何をしているの?」と聞かれることは多い。その理由には、屋外で活動を行っていることや「◯◯」とテーマを決めているわけではないため、活動を掴みづらいことなどが影響していると思う。
そのため、そんな見えづらい1・2年生の様子が少しでも風越の中の人にも外の人にも少しでも見えるようになれば…と思い、今回は先日のアウトプットデイでの3つの出来事をお伝えしたいと思う。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/31884/
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【2】# わたしをつくる
『「  」になっていく。』本城 慎之介
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「やってみる」があちらこちらに。
その積み重ねが、「 」になっていくのだろう。

8年生の「みらいをつくる」の時間。
「みらいについて、いま思うこと」を一人ひとり語る。

「ベンキョウメンドクサイ」とシンノスケはぶっきらぼうに言い放ち、カタルタを1枚めくった。引いたカードは【でも】。

「【でも】、でもー、ん-、でも、虫に関する仕事にはつきたいんだよね…。はい、次の人!」

ずいぶんとちいさな、でもたしかな声だった。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/31894/
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【3】# 3,4年アドベンチャー
『光プロジェクト『 』展、4人の発表を丸ごと味わい直してみる』片岡 利充
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夏休みが明けた2ターム目のテーマプロジェクト。3・4年生は、「光」をテーマにしたプロジェクトを進めてきた。10月5日のアウトプットデイは中間報告会とし、途中経過をアウトプットして返ってきたフィードバックをもとに、さらにプロジェクトが進んでいった。

その後10月17日。光プロジェクトの節目の報告会として、「光を使ってわたしの暮らしを『 』展」を開催。この『 』の中には、それぞれグループに分かれて追究してきたテーマ、「楽しさ」「癒し」「便利安心安全」が入る。題材はそれぞれ。ランタンやプラネタリウム、光る鏡に光る料理など。

今回は、『 』展当日の発表を一部紹介。ふらっと立ち寄った4人の発表とその場のやり取りを、写真と録音をもとに、できる限り丸ごと記録に残してみます。

本人たちは、光プロジェクトを通して、どんな経験をしてきて、何を学んできたのでしょうね。また、当日に至るまでに、スタッフのどんな関わりがあったのでしょう。僕自身も、もう一度真っさらな気持ちで、あの場あの瞬間を味わい直して、考えてみます。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/31912/

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【4】# 幼稚園
『自然の中で育っているものってなに?どらにゃごチームのいま』勝山 翔太
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どらにゃごチームが、風越の森と庭で過ごして三年目。

日々の子どもたちとの暮らしの中で、僕はスタッフとして、一人ひとりにどう寄り添ったり関わろうか悩みながらも、子どもたちの育ちをいい感じ、と思っている。でも、改めて考えると”いい”となんとなく感じているその根底には何があるのか。

そもそも1年の大半を野外で過ごしている子どもたちの中に育っているものってなんだろう?そんなこと考えながら、ともに過ごしているどらにゃごチームの子どもたちの日々の姿をいくつか紹介したい。

夏休み明け、畑の草取りをはじめるどらにゃごの子どもたち。ミツルとカノンは抜いた草を一輪車に山盛りにして、二人で協力しながら運んでいた。途中、でこぼこ道でカノンが転んでしまい、その拍子に一番上にのっていたズッキーニの茎が落ちた。

落ちたズッキーニをじっと見つめるミツル。「…ストローみたい」ズッキーニの折れた茎をみて空洞になっていることに気づき、それをストローと表現したミツル。

そこからミツルは他の茎も折ってみる。どこを折っても空洞の茎をみて、
ミツル「ここを水が通ってるのかな?」
カノン「私もやってみる!」
ミツル「ね?濡れてるでしょ?」
カノン「…本当だ!じゃあ水通ってるんだよ!」
二人でいくつもの茎を折ってはのぞき、分解してよく観察している。

カノン「いいこと思いついた!リリー切って!」
手だとどうしても切り口がきれいにならないので、切ってほしいと伝えてきた。
1本切って渡すとさらに観察し、
ミツル「やっぱり!ちいさい穴も空いてる!こっちも切ってみよ!」
茎の色の違いに気づいていたミツルは根元を指差す。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/31949/

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【5】# 風越参観記
『学校のチャイムと子どもの時間』

 村井 尚子(京都女子大学発達教育学部教育学科教育学専攻 教授)
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一般的に学校というところは、5分単位の時間で子どもを動かす場所のようである。

6月、実習巡回で全国のいろんな小学校にうかがった。どの学校でも子どもたちは元気いっぱいで、笑顔いっぱいに「実習の先生のせんせい」に挨拶してくれる。

でも、子どもがとくに元気なのはやっぱり「休み時間」だ。

中休み(地域によって呼び名が違ってそれはそれで面白い)やお昼休みはもちろんのこと、5分とか10分の授業と授業の合間でも、すごい勢いで教室を飛び出し、運動靴に履き替えて運動場に飛び出していく子も多い。そして、キンコーンカンコーン(これも鳴ったり鳴らなかったり、音楽が違ったりしていて面白い)という合図の鐘が聞こえると、てんでばらばらに散らばっていた子どもたちが教室という空間に吸い込まれていく。

「起立! 礼! 着席!」の合図も地域や学校によってそれぞれだし、その時に立って挨拶をするのか、座ったままなのか、何度のお辞儀をするのか、椅子は片付けるのか、片付けないのか、いろんな文化があるが、ともあれ、子どもたちは「授業の始まりと終わり」を意識させられ、始まった授業に集中する(ことになっている)。そして、ペアワークをしていたり、ふりかえりを書いていたり、先生の板書を写していたり、夢中で問題を解いていたりしても、45分(もしくは40分)が経ち、終わりの鐘が鳴ると、また、例の「起立! 礼! 着席!」(今後「儀式」と記させていただく)で区切りがつけられる。

小学校の場合は、この区切りは意外と緩くて、終わりの鐘を無視してふりかえりを書いていることも多いし、先生によっては、5分延長してしまったら、次の授業の始まりを5分遅らせることもあるようだ。

それにしても、子どもを5分単位で動かすこのシステムは、明治の学制とともに導入された、考えてみれば比較的新しい(人類10万年の歴史から見れば)システムだと言えるだろう。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/31807/
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【6】# ライブラリー
『ライブラリーから「探究の学び」をつくる』
東山 由依(慶應義塾大学大学院 図書館・情報学専攻 博士生)
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慶應義塾大学大学院の東山由依です。図書館・情報学専攻の博士課程に在籍しています。

軽井沢風越学園にはこれまで何度か訪問させていただき,今年の8月末から10月上旬までの6週間は,ライブラリーを中心としたフィールドワークに入らせていただきました。具体的には,みっちゃん(大作)のお仕事の様子を観察し,記録したことをもとに,司書教諭がどのように学校図書館(ライブラリー)を動かし,探究の学びを設計,実践しているのかを明らかにする,という観点から研究をしています。

学校図書館をマネジメント(運営・経営)する。カリキュラムに参画する司書教諭。それはどのようなことができる人で,何をしていて,どこで,誰と,どのように関わり,どのように「探究の学び」に伴走しているのか…今回は,6週間観察,記録をして,私なりに見えてきたことの一端を,みっちゃんが子どもたちにかけた言葉とともに記したいと思います。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/31934/

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【6】#軽井沢風越ラーニングセンター・今月のかるせんのーと
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『共同設計する“探究的な学習” 』 上條 春城(松本市立丸ノ内中学校 教員)

本年度,本校(松本市立丸ノ内中学校)は,本校の学区にある開智・田川の両小学校と共に,「学びの改革パイオニア校」として,「総合的な学習の時間」を窓口とした“探究”の実践に取り組んでいます。
年度当初,3校の職員に意識調査を実施したところ,『「総合的な学習の時間」の授業を進める上で,心配なことはありますか?』という問いに対して,約80%の職員が「ある」と回答しました。特に,「児童・生徒が問いをもち課題を設定するための支援」と「児童・生徒が主体的・協働的に問題を解決していくための支援」に関する不安は,とても大きいことが分かりました。
非常に恥ずかしい話なのですが,探究コーディネーターという役をいただいている私自身も,これまで「総合的な学習の時間」に本気で取り組んできたとは,正直言い難く,どのように「探究的な学習」を進めればよいのか,大きな不安を抱いている職員の1人でした。
このような状況をふまえ,3校の探究コーディネーターによる打合せでは,軽井沢風越ラーニングセンターの助言をいただきながら,それらの不安をどのように解消していけばよいのか,具体的な手だてを話し合いました。その過程で,本年度の目標として,次のことを掲げました。
『「探究的な学習」の不安や喜びが語り合える職員集団を形成する研修計画の模索』
まずは,“探究”に対する不安や喜びを語り合い,共有できる職員集団をめざす・・・そのために各校では,研修のあり方を見直し,従来陥りがちだった「トップダウン型研修」から,職員の必要感に基づいた「ボトムアップ型研修」への転換を図り,その時間を位置づけていくことにしました。

続きはこちら>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/31900/

その他のかるせんのーと記事はこちら>>
『アウトプットディから学ぶこと』堀内 健
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/31697/

『実践者として、初めて研修を経験した』竹内 克紘
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/31618/

『ひろがるチューニングによる学び』中川 綾
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/klc/31623/

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(あとがき)

よりよくつくるプロセスを重ねるうえで、変化を選ぶか、あるいは変化しないことを選ぶか。どちらを選ぶにしても、誰のどんな様子をその根拠とするか。
そんなことを思いながら、来年度のことを考え始めています。

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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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