実践研究/実践ラボ

大人も自立した学び手であってほしいという願いから、ラーニングセンターでは学びを深めたいスタッフの研究や学会発表などのサポート(実践研究)や、研修会やワークショップの様な「実践を開く」(実践ラボ)場づくりのサポートなどをします。スタッフが試行錯誤している実践の場に、ぜひいらしてください。みなさんの関心も持ち寄りながら、共に学び合う時間を過ごしましょう。

 

2024年度の実践ラボ第1回は、幼小の接続で、今後も多様なラボが開かれる予定です。決まり次第、更新していきます。

#03「教科横断的なプロジェクト学習の魅力と起こし方~教科を社会にひらく・接続する~」

 社会が急速に変化し、多様な課題が生じている現代、そして未来を生きていく子どもたちにとって、正解のない問いに自分なりの答えを見つけていくことが大切です。

このような時代では、既存の知識を学ぶ以上に、自分がどの方向へ進むべきかを示すコンパスをつくることが必要となります。レールに従って目的地へ向かう旅とは異なり、生き方そのものが問われる時代です。

軽井沢風越学園のテーマプロジェクトは、共同設計・共同実践を軸に運営され、教科や領域を超えたテーマに取り組んでいます。ここでのテーマや問いには決まった答えがなく、自分なりの答えをつくることは、コンパスをつくり出すことにつながっていきます。

プロジェクトやテーマはどのように生み出されるのか? 軽井沢風越学園では、プロジェクト設計シートやプロジェクト・チューニングが設計や実践を支えていますが、その前段階となるコミュニケーションや準備にも重要なポイントがあると感じています。担当教科と他教科の関連性や、素材に内包された教科横断性を整理することで、学びは社会にひらかれ、より強く接続していきます。

今回の実践ラボでは、教科横断的なプロジェクト学習の魅力とその立ち上げ方について、具体的な事例を交えて紹介します。その後、学習素材を基に簡単なプロジェクト案を作成するワークを行い、教員間の協同についても考えます。

 

講師:山﨑恭平(義務教育学校:56年生)

 

日時と内容

(1)12月12日(木)8:30~16:30 アウトプットデーの参観と意見交換、交流

(2)1月24日(金)9:00~15:00 授業参観、テーマプロジェクト「ここにしかないタネ」の事例紹介(どのように設計・実践されたのか。子どもたちは何を学んだのか)、教科横断的なプロジェクトづくり

 

会場: 軽井沢風越学園(〒389-0113 長野県北佐久郡軽井沢町発地1278-16)

 

参加対象者:教科横断的な実践に関心があり、中学・高校・中等教育学校での実践の場をお持ちの方。

 

定員: 15名

※応募多数の場合は選考させていただく場合があります。
※11月22日(金)までにお申込みいただいた方を優先します。

 

参加費: (2日間全日程)

一般 7,000円

U-10年割*:5,000円

※実践の場(教員など)について10年未満(自己申告)の方

 

参加お申し込み:

こちらのフォームよりお申し込みください。

第一次締め切り:11月22日(金)

*参加費のお支払いは、参加決定後Peatixをご案内します。

*第一次締め切り以降に空席がある場合は第二次募集を行います。

 

参考図書『プロジェクトの学びでわたしをつくる』(2024年3月刊行)

バリューブックスのサイトよりご購入できますhttps://www.valuebooks.jp/bp/VS0058752973

 

#02「一人ひとりの子どもごとに教材研究する」ってどういうこと?(小中)〜一人ひとりの子どもが教材を味わう算数・数学の授業を一緒につくる〜」

 問題解決型授業では一人ひとりの子どもの考えを扱いきれず、扱いきれなかった考えを傍におきがちです。自由進度学習では、扱う内容が教科書になりやすく、教材の価値を見落としやすいと感じています。それぞれの実践をやってきてそのよさと限界を見直しながら同僚のふっしぁんと新しいチャレンジをしています。一人ひとりの子どもたちの現在地が違うなかで、どうすれば一人ひとりの子どもがその子たちらしく教材を味わうことができるか模索しています。日本のお家芸としての教材研究も見落とさず、一人ひとりの子どもの考えも傍におかずに、「一人ひとりの子どもごとに教材研究する」とはどういうことなんだろうか。今回の実践ラボでは、参加者と一緒に一人ひとりの子どもがその子の現在地から教材を味わいつつ、一つの問題をじっくりたっぷり考える授業づくりの模索を楽しんでいきたいです。(佐々木陽平

 昨年度、3年生の算数(このときは自由進度学習)を担当していた際に、答えを導くまでにその子がその子なりに考えたり悩んだりした形跡が残っているノートやワークシートに「これだよな〜」と感じたことがありました。最終的に同じ答えになったとしても、それまで考えた道のりは人それぞれ。スタート地点も人それぞれ。でも、「答えが決まっている」ことで、そのプロセスがあまり大事にされていなかったり、そのプロセスを考えることも大事にされていなかったり・・・算数は「表現」とは程遠い上に、一人ひとりの違いができる・できない以外の点で見えにくい教科だなーと感じていました。

 今年度、数学スタッフのようへいと一緒に5年生の算数で、「その子がその子なりにその子の現在地から考えること」やそのプロセスをノートに書き残す(表現)ことにチャレンジする中で、「できる・できない」を超えたところに算数・数学の面白さがあり、その子の算数・数学の世界を知ることができるなーと感じはじめています。「一人ひとりの子どもごとに教材研究する」ってどういうこと?を参加者のみなさんといっしょに戸惑い、悩み、モヤモヤしていけたらと考えています。(藤山茉優

 

講師:佐々木陽平(義務教育学校:789年生)、藤山茉優(義務教育学校:56年生)

 

日時と内容

11月8日(金) 18:30 〜  20:00 ゆるやかなおしゃべりと当日の授業の教材の検討会@Zoom

11月15日(金) 8:30   〜  16:00 授業観察と振り返り@風越学園

11月16日(土) 8:30   〜  16:00 教材研究と授業づくりワークショップ@風越学園

 

会場: 軽井沢風越学園(〒389-0113 長野県北佐久郡軽井沢町発地1278-16)

 

参加対象者: 算数・数学の授業に関心のある教員、教育関係者、学生

 

定員: 18名  (最小催行人数3名開催決定しました!)

 

参加費: 12,000円(3日間の全日程)

 

Zoomに参加するときのお願い:
・ZoomのURLは後日送ります。
・画面ONでご参加ください。

 

関心のある方は以下の「かぜのーと」をぜひお読みください:

自由進度学習をやめてみて、何を始めようか

共に考えることがだんだん”じゆうしんど”になってゆく

サンちゃんとすうがく

早く行きたくて一人で進みたい。遠くまで行きたくてみんなで進みたい。

こだわることで愛情を感じたり、見えてくる面白さがある。(佐々木 陽平)

その人らしさが積み重なった先に

その人がその人なりに考え続ける

「子どもたちと悩みながらつくりはじめる数学する時間・空間」

 

校舎にいらっしゃるときのお願い:
・日々の自分の実践や悩み・葛藤がわかる写真をA4の大きさ(1枚)に印刷してお持ちください。
・1日目と2日目の昼食はご自身でご用意ください。
・上履きをご持参ください。
・服装は暖かくカジュアルな格好でお願いします。
・宿泊について。校舎での宿泊は可能です。ただし、夕食、朝食等はご自身でご用意ください。希望者には有料(3,000円)で布団を用意します。寝袋を持参しても構いません。シャワーはあります。
・夜のおしゃべり会について。1日目の夜に希望者でご飯を食べに行けたらなと思っています。

 

参加お申し込み:

締切:10/15(月)<第一次締切>

<第二次募集> 締切:10/31(木)こちらのフォームよりお申し込みください。 

*実践ラボの趣旨に照らし合わせて選考させていただく場合がありますので,ご了承ください。

*参加費のお支払いは、参加決定後Peatixをご案内します。

 

お問い合わせ
ご質問などお尋ねになりたいことがありましたら,以下の担当までお願いします。

klc@kazakoshi.jp (担当:佐々木、大作)

 

<報告>

●2024年度 実践ラボ

林里紗「幼小のつなぎを考える 〜何をつないで、何を変えるのか〜」

●2023年度 実践ラボ

佐々木陽平「中学校数学科において目指すべき子どもたちの学びをみんなで考える」>> 講師レポート

井上太智「概念で深める探究の学び in 科学者の時間」>> 参加者レポート

山﨑恭平「プロジェクト学習を支えるものづくり学習環境とは?」>>講師レポート

岡部哲「子どもが自由になるための環境の設定と大人の関わりを考える

●2022年度 実践ラボ

大作光子「探究的な学びを支える学校図書館員研修」>>講師レポート

 


実践研究

山﨑恭平
研究テーマ「エンジニアリングデザインプロセスを活用した教科横断的なプロジェクトにおける生物育成に関する技術リテラシー教育の実践」

<報告>

研究テーマに関連して、7,8年生を対象にテーマプロジェクト「ここにしかないタネ」(6月〜8月)の実践を行いました。この実践について、8月19〜20日に開催された日本産業技術教育学会第66回全国大会(鹿児島大学)で口頭発表しました。

学会当日は、プロジェクト設計から実践までの取り組みと、プロジェクトの最初と最後での記述の変化や、最終レポート記述の傾向について報告しました。また、質疑応答では、教科の履修時期・範囲や、プロジェクトにおける教科の取り扱いについて質問や助言をいただきました。

山﨑恭平、山崎貞登:生物育成の技術に関する教科横断的なプロジェクト学習の実践

日本産業技術教育学会 JSTE 第66回 全国大会(鹿児島)プログラム