風越のいま 2020年1月22日

大人も学び続ける仕組み

井上 太智
投稿者 | 井上 太智

2020年1月22日

開校まで100日を切り、スタッフからは開校を待ち望む声が聞こえてきます。
校舎には屋根や窓がつき、中に入ると子ども達が活動している場面や保護者同士が語らう場面が想像できるほどになりました。カリキュラムづくりは現在も進行中ですが、つくっては壊しを繰り返しながら、少しずつ描けてきたところです。「いよいよですね!」、「楽しみにしています」と声をかけて頂くことも増え、はじまりの空気も高まってきました。

一方で、今年度なかなか動き出せなかったことがあります。
それは、僕たちスタッフが学ぶこと、そして学び続けること。

僕自身、昨年の夏頃から風越スタッフの学びはどうあるべきか?ということが気になりはじめていました。こんな実践が本当にできるのだろうかという「焦り」に動かされていたのかもしれません。その頃、子どものいない現場の難しさやスタッフ一人一人の違いに気づかされ、戸惑いの真っ最中だったのです。学びについて話し合うことよりも、改めて風越のこのスタッフで自分の学びをつくる経験が必要だと感じていました。

そこで、働く時間の使い方から考え直し「スタッフ研修」を始めることにしました。研修の目的は「風越スタッフとして、何を学ぶべきかを考え、自分の学びをつくっていくこと」です。午前中の4時間を「研修」とし、軽井沢風越学園の子どもたちが学ぶ枠組みで、実際にスタッフ自身が学んでみることにしました。
一言でいうと、軽井沢風越学園の大人版です。

そんな研修をスタートするにあたり、改めてホームページにある「大切にしたいこと」を読んでみることに。

 

「風越スタッフがどのような存在なのか」ー そこから考える必要がありそうです。

僕たちが学んでみたいこと・考えたいことって?

まずは「棚卸し研修」と題して、現在掲げているカリキュラムを次のようにもう一度読み合うことにしました。
1)10分ほどかけて1人で読む
2)読んで生まれた問いやひっかかり、呟きを書き込む
3)書き込んだ紙を隣の人に回覧し、コメントを書き合う。コメントを重ねることも可能。

ぐるりと一巡して、他のスタッフの視点が加わった紙が自分の手元に戻ってきます。

『「過不足なく」→”ここはスタッフによって差がありそう。それが良いこともある。それをどう捉えるか。”』

こんな書き込みが随所に見られ、それぞれの違和感や問いが共有されました。
この後、数名に分かれてこれから取り組むべき課題のアイデア出しへと続きます。

これからスタッフ研修で取り組みたい課題を出し合いました

毎日4時間分の学習計画を立てて、学んでみる

土台の芽・探究の芽土台の学び探究の学びホームコミュニケーションプラットフォーム、子どもの一日、行事の考え方をテーマに、たくさんの研修アイディアが生まれました。これらを手がかりに次のように研修を計画することにしました。

・毎週、「個別学習計画」をたてる
・毎日、「読むこと・書くこと」経験する
・空きコマは、決められた研修はなく、何を学ぶかは自分で計画を立てる
・誰かに講師をお願いして学びの時間を作るのもOK
考えたプロジェクトをスタッフで実施する

金曜日に個別の学習計画表を立てることにしました

実際に行った研修の様子も紹介します。

「読むこと・書くこと」では、グループで「フィードバックをしながら作品を書く&1つの本を選んで読書会」をしました。

読書会に向けて選んだ本はこちらです。
・ルイス・サッカー『穴』
・エンリケ・バリオス『アミ 小さな宇宙人』
・瀬尾まいこ『幸福な食卓』

また、「書くこと」も出版を目指して書き始めました。こちらの記事は、出版に向けた練習の一つです。

「読むこと・書くこと」について研修講師をしているスタッフ(澤田)は、「こういう姿を見ても、自分で書く場所や姿勢やデバイスを決められるのは大事だなあと思う。」というつぶやきがありました。これまで話し合ったり考えてきたことも、実際に経験してみることで納得できると、実感した瞬間でした。

一方で、スタートしてみると、うまくいかないことも出てきました。
たとえば、あるスタッフは『徐々に個人の余白の時間がなくなっていくのが気になる。計画にも個人でやりたいことを書く欄があるのに、実際にその週に入ると全員が対象とされる予定に上書きされる感じも楽しくはないかな。4月からのことを思うと、制度として時間割化すると学びが手元から離れていくことが気になる。』
と研修記録に書き込んでいました。

子どもが一人ひとり違うように、大人も学ぶべきこと、学ぶペースは違います。余白が大事だと分かっていながら、つい欲張って研修を詰め込んでしまったり「みんなで一緒に」という形をとってしまっていました。決められたことを学ぶようになると、学びが手元から離れていく。それは、子どもも大人も同じでした。そこでもう一度、研修全体の進め方を見直すことに。今回始めた大人の学びの時間から、開校後も、子どもたちが学ぶことで、カリキュラムも変わっていくんだろうなぁと想像しています。

「まずやってみる」「次はこうしてみよう」を繰り返しながら学びをつくる今回のチャレンジ。残りの3ヶ月、「大人も学び続ける」軽井沢風越学園はどんな開校を迎えるのでしょう。スタッフ一人ひとりのチャレンジを大切にしながら、変化を楽しんでいこうと思います。

井上 太智

投稿者井上 太智

投稿者井上 太智

「◯◯」ってナンダ??暮らしの中には不思議がいっぱい。思考をめぐらせ、からだを動かし、思いっきり遊びたい。冷たいってなんだ?眩しいってどういうこと?自然と戯れ、不思議を見つけて、遊び浸ろう!遊び・学び・科学について探究中。探究の旅はまだまだ続く…。

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