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風越のいま 2024年9月25日

子どもの世界を覗いてみると3『「やってみたい!」と駆け出していく。〜イブキのハーブティー探究〜』

林 里紗
投稿者 | 林 里紗

2024年9月25日

8月26日から、本格的に1・2年生での活動がスタート(編集部注釈:夏休み前までは1〜4年生のラーニンググループで活動していた)。今日は、1学期にめぐりめぐるチームと1年生が育てていた庭の畑の周辺をみんなで見に行くことに。

畑に行って、トマトやシソなどなっていたものをある程度収穫した後、1年生のイブキが「ハーブも見に行こうよ!」と提案して、1年生数人で庭に植えてあるハーブを見に行く。

たくさんのハーブがなっている中、「これはレモングラスだね。」「これは、お肉の臭い消しに使えるやつだってママが言ってた!」と、ハーブについて知っていることがたくさんある1年生たち。数種類のハーブを集めていく。

「これ、水に入れたら美味しい水になるかも!やってみたい!」とイブキ。キッチンに向かって駆け出す。

キッチンに着き、まずは採ったハーブを種類ごとに分ける。葉の形や、匂いを嗅いで判断し、分類していく。

分け終えると、とりあえず水を入れてみるイブキ。でも、なんだかちょっと物足りない感じがしている様子。

すると、「作り方が載ってる本とかあるといいな〜。」ということで、ライブラリーへ行くことに。ライブラリースタッフのメミ(黒川)に「ハーブ水の作り方を知りたいの。そういう本ある?」と尋ねる。

そして、メミと一緒にライブラリーに行って、ハーブの本を数冊紹介してもらう。たくさんのハーブの種類の写真が載っている本を見て、「今あるのはどれかな…。あ!これだ!これ、形がすごく似てる!」と興奮しながら本を見つめるイブキ。

メミが「ハーブ水じゃなくて、ハーブティーの作り方ならこの本に載っていそう」とハーブティーの本を手渡してくれる。そこに載っている作り方を一緒に読み、「これなら作れそう!」ということで、その本をもってキッチンに戻る。

戻っている途中でヒラとコトホに出会い、ハーブティーを作ってみたい!という二人に、「一緒にやろう〜!」と仲間が増えてさらに嬉しそうなイブキ。

本に載っている通り、ハーブを刻み、お湯を沸かして、ポットに入れて5分蒸す。お湯を沸かしたり、ポットに入れる時に危ない場面もあったものの、自分たちで進めていく。ポットの様子を見て、「ハーブが踊っている!」「色が変わってきた!」と様々なことに気づきながら時間を待つ。

5分経ち、コップに移して恐る恐る一口飲んでみる。「んー!美味しい!」「すっきりした味!」と嬉しそうな3人。

「みんなにも飲ませてあげよう!」と動き出し、早くも外にハーブティー屋さんが誕生。「ハーブティーですよー!」「普通のものと、スッキリするものと、どちらがいいですか?」とお客さんとしてくれた仲間たちとやりとり。

活動を終え部屋に戻る時間になったものの、「部屋に持っていって、みんなに飲んでほしい!」と、部屋の中にもハーブティーブースを開設。

さらにカズトやミツルも合流したようで、「こちらに並んでくださいー!」「予約ですか?」とお客さん列を誘導する二人。最後まで大反響だったハーブティー屋さん。

時間を終えても、「昼休みもやるね!」「午後の時間もつくる!」と興奮気味の3人だった。

探究になっていく

スタッフで相談して、夏休み明け始まりの1週間は「一人一人の関心を知りたい」「子どもたちからどんなものが生まれるのか、見たり感じたりしたい」「子どもから生まれるものを見つけよう」という思いがあった。

そのため、あまりつくり込まずに、様々な環境の中で過ごす時間にして、どんな子どもたちの姿があらわれるか見ることにした。

つくり込まずにどんなものがあらわれるか…と思っていたけれど、初日でここまでいろいろなことが起こるなんて、やっぱり子どもたちはすごいなあ、面白いなあ、と感じた1日目だった。

イブキのハーブティーの一連の流れは、まさに『ハーブティー探究』だった。

「集める、分類、違和感、調べる、予想する、仲間をつくる、気付く、アウトプットする」と、数時間の中に探究の要素と流れが集まっていて、すごい探究エネルギーだ…と感心してしまった。しかも、本人はきっと「探究」なんて言葉は知らないだろうけれど、やっていることはまさに探究で、風越にある環境やリソースを使いながら自分のやりたいことを実現して、さらに活動を広げていく姿は圧巻だった。

イブキは今年度から風越に入った人。新学期当初は、何をして過ごそうか迷っていたり、「これ、やってもいい?」とスタッフに尋ねてきたりする姿もあったことを思い出す。きっとこの数ヶ月の中で、自分のやりたいことに思いっきりのめり込んでいく仲間の姿に出会ったり、実際に興味をもった様々なことを試せる機会に触れていったりしたことが、今回のような彼女の自由で意欲的な姿につながっていったんじゃないかな…と思う。これからの彼女の姿が楽しみになってくるエピソードだった。

#1・2年 #2024 #わたしをつくる

林 里紗

投稿者林 里紗

投稿者林 里紗

お散歩すること、甘いものを食べること、そもそもを考えること、人の考えを聞くこと、子どもたちとおしゃべりすることが大好きです。

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