2023年6月12日
今年度、長野県教育委員会から派遣されているおかつさん(竹内)、ほりけん(堀内)の2人は軽井沢風越ラーニングセンターの「学習者中心の学びのための教師教育プログラム」(以下、単にプログラムとします)を受講していますが、月曜日から金曜日、1〜6コマ目まで、ほぼびっちりプログラムが入っています(私がかつて所属していた教職大学院の院生より忙しい…)。たとえば6月5日の週は、午前中は幼稚園での研修、午後は義務教育学校でテーマプロジェクトの研修、放課後はリフレクションと大忙しでした。
午後のテーマプロジェクトの研修、今はそれぞれテーマプロジェクトに入ってその授業の様子のドキュメンテーションを書く、という課題に取り組んでいます。
ドキュメンテーションとは、イタリア市のレッジョ・エミリア市の保育実践で生まれた、子どもの活動や発言を写真などの視覚的な資料を用いて可視化した活動記録のことです。各園でファイリングされているだけでなく、ドキュメンテーションそのものを書籍としても販売しています(邦訳はない)。日本では幼児教育の文脈で取り入れられ、発展し広がってきています。
風越学園では、評議員でもある大豆生田啓友さんの書籍(*1)を参照しながら、2020年からテーマプロジェクトの記録としてドキュメンテーションの試行錯誤を始めました。
プログラムでは、4月からドキュメンテーションについて文献で学んだり、これまで教科の授業を観察して記録したドキュメンテーションをお互いに読んで検討したり、ブラッシュアップしたりしてきました。
5月中旬より、おかつさんは5・6年生のテーマプロジェクト、ほりけんは7・8年生のテーマプロジェクトに入り、毎時間授業に入り記録し、ドキュメンテーションをその日のうちに仕上げて授業を担当しているスタッフと共有しています。
ドキュメンテーションは、スタッフが共に授業を振り返り、次の時間の検討をする(共同リフレクション)リソースとしての機能、学習者にとっての学びの履歴や振り返りの促進の機能、保護者と学びを共有する機能など、これまでの実践記録とは違う新しい形が求められます。今まさにその新しい形を、探究しているところ。
フィールドにでたり、プログラムの中で振り返ったり学んだり。理論と実践をその場ですぐに往還できるのはスクールベースだからこそ。
今二人は、ドキュメンテーションを介して、いかに共に振り返り次の時間につなげていくか、というスタッフ間のコミュニケーションへの生かし方を大きなテーマとして持っています。観察者としての関わりではなく実践を一緒につくっていく人として、ぐっとコミットしていくのが必要だと動き出している現在地です。
*1…大豆生田啓友・おおえだけいこ「日本版 保育ドキュメンテーションのすすめ」大豆生田啓友・おおえだけいこ著,小学館,2020)
幸せな子ども時代を過ごせる場とは?過去の経験や仕組みにとらわれず、新しいかたちを大胆に一緒につくっていきます。起きること、一緒につくることを「そうきたか!」おもしろがり、おもしろいと思う人たちとつながっていきたいです。
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