毎日うろうろ 2020年8月25日

次なる変態のはじまり

岩瀬 直樹
投稿者 | 岩瀬 直樹

2020年8月25日

夏休みもあっという間に終わり、軽井沢風越学園は今日からスタート。
この夏の間、スタッフは「一人ひとりの遊びや学びに伴走するというのはどういうことか」について対話を重ね、悩み、準備をしてきた。

ぼくたちは「変態の追求」を大切にしている。変態とは、青虫が蛹になって蝶になるように、もとのかたちに囚われずに全く異なる形態に変わっていくこと。変えることは常にリスクがあるので不安な気持ちもある。でも常に「よりよい」を目指すため「思いっきり変態する、恐れず変態する」ことを追求し続けたいと思う。

5月から7月を振り返って、子どもたちのあそびが充実していないという大きな課題をぼくらは感じていた。いくつも要因はあるが、その一つは環境があそびを促したり、没頭できる環境になっていたりしないこと。
そこで前期(年少〜2年生)のスタッフを中心に、外の環境を大きく変化させはじめた。例えば、ほとんど使っていなかった林をこんな感じに。

今まで使われていなかった林に分け入っていくと

新しく集まったり、遊んだりする場がつくられつつあった。夏の間に敷地の木を切り倒し作った新しい丸太椅子も並んでいる。

新しいフィールドで、ソラたち3人は早速秘密基地づくりに取り掛かったよう。
「秘密基地作って、そこでお弁当を食べるんだ」。環境があそびを刺激したみたい。

水あそびも大胆にできるような環境に変化中。
前期では、物理的な環境はもちろん、あそび集団が大きく、多様になるように、子どもが集まる単位も大きく変えてスタートした。新たな刺激と関係の中で「昨日の続き」が毎日生まれるような継続的なあそびがどんどんうまれるんじゃないかな。
あそびの環境もこれからどんどん変わっていくはず。まだその端緒についたところで「変態」の真っ最中だ。


後期(3〜7年生)の子たちは、6月・7月にあまり外では遊んでいなかった。梅雨が長くて天気が悪かったというのもあるし、Chromebookの魅力に引っ張られていたというのもある。オンラインから分散登校、通常登校になる怒涛の1学期のなか、スタッフも学びを軌道に乗せることに一生懸命になるあまり「あそびの価値」を置いてきてしまった感じもある。そもそも今年の3月か5月はコロナ禍で、たっぷりかかわること、大勢で遊ぶことが物理的にできない時期が続いたことも影響しているだろう。後期にとっても「あそび」は大きな課題だ。

さて、スタートの今日。風越では全校朝会も校長の話もないので、朝から時間はたっぷりある。当たり前のようにのぼくの出番がないので、校内をうろうろしていると「たっぷり遊ぶこと」からスタートすることにしたホームがいくつかあるようだ。

午前中たっぷり遊ぶ予定が書いてあった。いいねいいね。

校庭にでると、3年生から7年生が3チームに別れて、水風船を投げ合いつつ、相手の宝を奪う群あそびをしていた。1時間以上たっぷり。途中ルールでもめていたけれど、それこそが大事な経験だと思う。「わたし」が楽しく遊ぶためには、他の人も楽しくないとあそびとして成立しない。ルールもなんとか折り合いをつけるしかないわけだ。

後期の子が走り回っている中を、ドロドロの前期の子が通り過ぎる。こちらもたっぷりあそび浸ってきたようだ。

今日の午前中は、校舎の中はわりと閑散としていて、前期も後期も外であそび浸る人がたくさんいた。朝から半日、川あそびに出かけていったホームもある(初日から大胆な!笑)。お昼にびちょびちょになって嬉しそうに帰ってきた。

これからしばらく、ぼくは改めて「子どものあそび」についてじっくり考えて、あれこれ試したいと思っている。あそびの中で経験していること、学んでいることに寄り添ってみたい。あそびってそもそも子どもにとってどんな経験なんだろう。幼児と7年生では何が違うんだろう。あるいは共通することがあるのだろうか。


校舎の中に戻ってくると、一人ひとりと面談をしているホームが2つあった。今日で全員と面談をするらしい。

子ども一人ひとりがつくり手になっていくには、まず一人一人のことを知ること。一緒に考えること。一緒に試すこと。そのために一人ひとりとの対話の時間からスタートする。それが全部のホームで「揃えてスタート」じゃなくていい。よいものは自然と広がっていくはずだから。

子ども一人ひとりが自分のつくり手になっていくことに伴走すること。一人ひとりの成長を支えるパートナーを目指してスタッフ自身も変態していくんだという構え、みたいなものを感じる風景だった。
後期もここからぐっとカリキュラムの形を変態させる。これまで以上にホームを超えて「みんなでみんなをみる」を意識するために、かたちを変えていっている。毎日どんなことが起きていくのか楽しみ。うまくいかなくて悩むことも多いだろうけれど、そのチャレンジにワクワクしているスタッフが多いのがなんとも心強い。

それにしても今日はゆったりとした、いいスタートだったな。

岩瀬 直樹

投稿者岩瀬 直樹

投稿者岩瀬 直樹

幸せな子ども時代を過ごせる新しい学校を創ります。私は公教育の可能性を信じています。子どもが持つ学ぶ力を信じています。教員の力を信じています。それらが最大限発揮される学校とはどのような形でしょうか。これまで学級で実践してきたことを出発点に、子どもも大人も「こんな学校に通いたい」「こんな学校を増やしたい!」とワクワクする学校を、一から創っていきます。

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