2023年11月27日
こんにちは、軽井沢風越学園です。
先週22日(水)に義務教育学校の子どもたち全員参加のアドベンチャープログラム・遠足(とおあし)を開催しました。
約200名の子ども、ランナー・ウォーカー・コースボランティア約80名の保護者、スタッフ含めると300名以上が集まり、全長約19km、獲得標高約400mのコースを、走るか、歩くか、どこまで行くか、すべて自分で目標を立ててチャレンジします。(今年のリタイア者はゼロ!)
ゴール後、自分なりの目標を達成できたうれしそうな顔、思いがけず完走して誇らしげな顔、たっぷり楽しんだような満ち足りた顔など、いろんな表情に出会いました。
風越学園の日々をぎゅっと凝縮したような一日のようでした。
21年度・第1回遠足のかぜのーと記事
>> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/20917/
かぜのーと 第78号(2023年11月27日発行)
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【1】『大事にしたくなるフィードバックとは?〜テーマプロジェクト「光」を通して』外舘 ゆき子
【2】『「本質的な問い」の存在 〜テーマプロジェクト「繊維のある暮らし」から考える【前編】〜』新井 佑香
【3】『わたしには力があるんだという実感』岩瀬 直樹
【4】『いまファシトレが面白い』青木 将幸
【5】実践ラボ「概念で深める探究の学び in 科学者の時間」実践者募集のお知らせ
【6】ライブラリーとラボのサポートスタッフを募集します
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【1】# 3,4年生
『大事にしたくなるフィードバックとは?〜テーマプロジェクト「光」を通して』外舘 ゆき子
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今年度1ターム目終わりの7月のアウトプットデイ。私が担当をしている3,4年生の子どもたちも「フィードバックください!」と自分たちの発表を聞いてくれた人たちに声高に呼びかけていた。フィードバックという言葉が、子どもたちの中で共通言語となりつつあった。
色とりどりの付箋に書かれたフィードバックを、子どもたちは発表ブースのテーブルやホワイトボードに貼っていく。「こんなにもらったんだよ!」「僕たちは20枚!」と嬉しそうな顔。しかし、「どんなことが書いてあったの?」「誰からのフィードバック?」その問いかけには、ほとんど反応がなかった。そして、片付けのとき、床に散らばった色とりどりの付箋たち。一枚一枚に、小さな文字がぎっしり並んでいる。
先輩、保護者、訪れて下さった方、スタッフ…。風越は、こんなにも子どもたちの学びに思いを寄せ、心からのメッセージを送ってくれる人たちが集う場所なのだと思う。「これ、誰のー?」聞いてみたが誰の手も挙がらない。「もらったフィードバック、大事にしようよ。」そう呼びかけてみたものの、「届いてないな」という感触と「何か違うな」という違和感があった。
大事にするってどうすること?
私は子どもたちに何を伝えようとしているのか?
フィードバックってなんだろう?
たぶんこのときの違和感が自分の中で小さなしこりとなって残り、2ターム目のテーマ設計をするとき、一つの軸になっていったのだと思う。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/32246/
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【2】# 7,8年生
『「本質的な問い」の存在 〜テーマプロジェクト「繊維のある暮らし」から考える【前編】〜』新井 佑香
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第2タームに7・8年生が行った、「繊維」を中心に置いたテーマプロジェクト。10/5のアウトプットデイで一旦区切りを迎えた今、設計をしてきた私自身の目線から1ヶ月半のテーマプロジェクトを振り返ってみようと思う。振り返ると、書き留めておきたいことが溢れ、前編・中編・後編に分けることにした。前編であるこの記事では、テーマプロジェクトの中核を担う「本質的な問い」を話題にしてみようと思う。
風越学園のテーマプロジェクトを設計する時に、考えるべき項目の1つに「本質的な問い」がある。風越学園では、この本質的な問いを「プロジェクトを通じて子どもたちとスタッフが共に考え続けられる問い」と定義している。
「プロジェクトを通じて子どもたちとスタッフが共に考え続けられる問い」って何だろう。スタッフから手渡し、子どもたちそれぞれの興味関心と重ねながら進んでいくテーマプロジェクトにおいて、「共に考え続けられる問い」はどうあるべきか、どんな問いであると学習の中で機能していくのだろうか。第1タームの実践を終え、本質的な問いをどうテーマプロジェクトで扱っていくかが課題に残っただけに、第2タームの構想を練り始めた時に共同設計者のようへい(佐々木)と一番に話題に挙がったのも、この部分だった。
そんな時、夏休みのスタッフ研修日の一コマを使って、ほりけん(堀内)とおかつ(竹内)による「本質的な問いに関する研修会」が開かれた。(参考:かぜのーと「実践者として、初めて研修を経験した」)そこでは、改めて「何が本質的な問いといえるのか」を学ぶと同時に、夏休み後に実践を控えている各ラーニンググループのテーマプロジェクトの構想を持ちよりながら、考えられる問いを書き出し、どういったものが「本質的な問い」になり得るかを吟味した。
そこでもらったアイデアをもとに、第1タームの振り返りを踏まえつつ、ようへいと本質的な問いを決めるところから、テーマプロジェクト全体の設計を進めていった。
本質的な問いを考えていく上で材料にしたものの一つに、設計者である私たちスタッフの願い(ねらい)がある。第2タームで行った「繊維のある暮らし」に、私たちスタッフは「繊維という素材の特性が暮らしの中の随所に活かされ、私たちの暮らしをよりよくすることに貢献していることを実感してほしい。普段意識を向けないものに目を向けるきっかけにしてほしい。」という願いを込めていた。その願いを材料にしながら、本質的な問いの候補をいくつか挙げ、最終的に「繊維を使って、私たちはどのように暮らしをより良くできるのだろうか?」に決定した。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/32199/
中編:「社会とつながって学ぶ〜テーマプロジェクト「繊維のある暮らし」から考える」はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/32228/
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【3】#わたしをつくる
『わたしには力があるんだという実感』岩瀬 直樹
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4月から毎週続けてきたファシリテーター・トレーニング(通称ファシトレ)。
この記事(動き出すホーム、そして学校)のその後の子どもたち。
前回の記事の最後に書いた言葉、「いいコミュニティは誰かがつくってくれるわけじゃないんだ。自分やコミュニティの変化は一人ひとりの手の中にある」。この手元感を持ちはじめた人たちはその後も歩みを続けている。さまざまな企画チームをつくっては、コミュニティの変化に参画している。
7月に実施した今年度1回目のアウトプットデイ(通算13回目)の閉会式では、「子ども・保護者・地域の人がまざって振り返りたい!」という企画チームの願いから、トークフォークダンスをしたい!という声があがった。
いやいや200人近くの人でできるのか?無理じゃない?大人のぼくはついそう思ってしまうが、なんと実現させてしまった。大人と子どもが混ざり合いながら、200人が校舎の2階廊下で円になってアウトプットデイのことを語り合っている場は圧巻だった。
「閉会式」という言葉の当たり前に縛られていたのは大人の方だった。実現したい世界に向かって全力でやっていけばかたちになっていく。
10月に行われたアウトプットデイ開会式は、7月の開会式では小さい人が飽きてしまっていた、という反省から、「1年生から9年生みんなが楽しんでほしい!」という願いをもったオープニング企画チーム。そこで生まれたのが演劇。マリオとルイージが魔王のクイズに答えてピーチ姫を助ける!というストーリーを編み出した。クイズの答えを会場みんなで考えているうちに、アウトプットデイの概略がわかるという秀逸なデザイン。それはそれは楽しいオープニングだった。
企画チームのメンバーは、ファシトレ初期から参加している8、9年生と、今回の企画で初めてファシトレに参加してみたという5、6年生が混ざっていた。8、9年生が5、6年生の力を引き出しながら一緒につくりあげた。異年齢が当たり前であると、大きい人たちが小さい人たちの「あこがれ」になっていく。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/32208/
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【4】# 風越参観記
『いまファシトレが面白い』青木 将幸
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みなさん、こんにちは。軽井沢風越学園の評議員であり、ファシリテーターの青木マーキーです。先日、かざこしを訪れることができたので、久しぶりにレポートします。
ちょっと前に「マーキー、いまかざこしで、ファシトレっていうのをやっていてね、なかなかやりがいがあるんだよ」と校長のゴリ(岩瀬)が教えてくれた。どうやら、ファシリテーションに関心のあるメンバーが自由参加できる「ファシリテーション・トレーニング(通称:ファシトレ)」が、かざこしで展開されているようだ。「いちどマーキーにも場をもってもらえないか?」とゴリに言われ「よろこんで、やるよ」と2つ返事で応えた。
去年のことだったか、理事会&評議員会のついでに訪問した時のこと。子ども達と交じってサッカーをしたことがある。1限・2限の時間を使ってサッカーしまくって、さんざん汗をかいたあげく、さらに「昼休みもサッカーやるよ!来る?もうちょっと一緒にサッカーしようぜ」と誘ってもらったのがうれしくて、ファシリテターをつとめる評議員会の直前なのに、時間をみつけ出しては顔をだし、汗だくになってボールを蹴っていたら「ところで、マーキーってさぁ、どんな仕事しているの?」と話しかけられた。
「うん、ファシリテーターっていって、会議の進行役みたいな仕事をしているんだよ。家族会議から国際会議まで、いろんなテーマの話し合いを進行するのが仕事。僕はかざこしの評議員という役割もやっているから、このあとの時間、評議員会の進行もするんだよ」と話したら、さっきまでちょいと乱暴な口もきいていた男子たちが口々に「それって、俺たちの先輩じゃん!」とリスペクトを込めて驚いてくれて、ちょっと(いや、かなり)うれしかった。そう、彼らは「俺たちはファシリテーターだ」という認識があるのだ。
かざこしの子どもたちには「自分たちで、学校をつくる」という意識が育ってきている。これは、開校3年間の積み重ねの成果で、ほんとうに素晴らしいと思う。ホームやプロジェクトやかざこしミーティングの話し合いをファシリテーションする面々は、話し合いを進める難しさを噛みしめていたりもする。そんなニーズをつかみとって、ゴリが始めたのが「ファシトレ」らしい。ファシリテーションの技と心を、体験を通じながら学ぶ時間だ。はじめは少人数相手にやっていたらしいが、どんどん参加希望者が増えて、かざこし全体のファシリテーション・レベルがあがっていると聞き、僕は「どんな風にやっているんだろう?」と気になっていた。そんなタイミングでの大切な友からの声かけ。うれしい限りだ。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/insight/32005/
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【5】#お知らせ
実践ラボ「概念で深める探究の学び in 科学者の時間」実践者募集のお知らせ
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軽井沢風越ラーニングセンターでは、12月15日(金)に「概念で深める探究の学び in 科学者の時間」というテーマで実践ラボを開催します。
講師は、当校の井上太智(理科担当)です。
これまで「問いの探究」をテーマに、理科の授業の実践を続けてきました。子どもたちは自分の関心や問いに基づいて、実験や観察を計画し、その問いにアプローチしていきます。そこに学ぶ面白さがあると信じているからです。教科教育の中でも、探究の学びをどう実現できるかというチャレンジの途中ですが、様々な課題が見えてきました。
自分の問いで学び始め、それぞれの道を歩き始めた子どもたちに一人の教師がどう伴走するのか、問いで学ぶのはワクワクして楽しいけれど、単元で学ぶべき理解をどう支えるのか、などなど悩みが尽きないのが現状です。実践ラボに集まってくれた皆さんと、日々の実践の悩みや葛藤について学び合う時間を過ごせると嬉しいです。(理科に関心のある先生方の学びのコミュニティになったら嬉しい!)参加者同士で語り合うことで、お互いに新たな気づきが生まれると期待しています。ぜひ、一緒に学び合いましょう。
詳細は、実践ラボのページをご確認ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/klc/labo/
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【6】#お知らせ
ライブラリーとラボのサポートスタッフを募集します
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ライブラリーとラボそれぞれの場で、日々の学びをつくっていくための環境を整える仕事を担うスタッフを募集します。
ライブラリーは軽井沢風越学園の心臓ともいえる、学びの中心にある場です。もう一つのラボは図工室、技術家庭室、理科室からなるエリアで、子どもたちが”つくってみたい”、”描いてみたい”、”ためしてみたい”の想いをかたちにしていく場です。
子どもたちの学びが充実するように、スタッフが思いっきり学びの実践に向き合えるように、直接的にも、間接的にも支えてくれる仲間を求めています。
ライブラリーは来月2023年12月中に勤務開始できる方、ラボは2024年4月から勤務開始できる方を対象としています。
詳細は、採用ページをご確認ください。
>> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/32303/
(あとがき)
なんだかあっという間に今年も12月を迎えることになりました。
最近はさらにあちこちでいろんな動きが起きていて、もはや誰も全体像は把握していないような。
12/3(日)には、軽井沢町中央公民館で「本日和」というイベントがあります。マイプロジェクトから派生して町内の町内の小中高合同プロジェクトメンバーで企画準備してきました。本にまつわるいろんな企画が楽しめるようです、どうぞいらしてください。
>> https://sites.google.com/kazakoshi.ed.jp/honbiyori/
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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