2020年10月19日
7月31日、「Qubenaをより良くしようプロジェクト」のメンバーは風越学園に来ていた。夏休みにもかかわらず、なぜ僕らは風越に来ているのか。株式会社COMPASSの小川社長らにZOOMでプレゼンをするからだった。
株式会社COMPASSとは、Qubenaをの開発・改善をしている会社だ。
モットーは 「より多くの人が自分に合った勉強をできる」。僕たちはそのモットーにそって、株式会社COMPASSにQubenaの改善の提案をした。
では、なぜこのチームが立ち上がったのか。
そもそも、一番最初にこのプロジェクトを立ち上げようと考えたのは6年のカズアキだ。
カズアキはまだオンラインで授業していた頃に
「今みたいにQubenaをただやるだけだとつまらないんですよね。なんとかならないですか?算数の勉強。例えば、あすこまさんが作ってる詩のチャンネル(コミュニケーションプラットフォーム・typhoon上に、国語担当のあすこまが詩と本を紹介するスレッドのこと)みたいに作ってくださいよ。」と、よだちゃんに相談したところ、
「自分で作ってみればいいんじゃない?チャンネルは、スタッフが入れば自分で作れるんだから。」
と言われ、チャンネル「数とパズルの世界」をつくった。
「数とパズルの世界」の最初の投稿は、5月21日。カズアキのマッチ棒パズル。そこから、算数・数学の学びを自分たちで作っていくという取り組みが始まった。
その後も「数とパズルの世界」の投稿は続き、通常登校になって1週間たった6月8日(月)に「Qubenaをより良くしようプロジェクト」が発足した。もともと、「数とパズルの世界」の目的は、「算数、数学を楽しく学ぼう!」だ。そして、「数とパズルの世界」の設立のあと、もう一つの目的ー「Qubenaを楽しく学ぶ」を達成するため、「Qubenaをより良くしようプロジェクト」が発足した。
僕はQubenaをより良くしようプロジェクトが発足してからしばらくして入った。通常登校になってから、Qubenaをやってなかったし楽しくないなと思ってたから。Qubenaの改善プロジェクトやるよと言われて入ることを決めた。
最初の打ち合わせは6月12日。COMPASSの木川さんとZOOMをつないで行った。そのときのメンバーはカズアキ、アイリ、カイノスケ、よだちゃん、しんさん、の6年生1人、7年生2人、スタッフが2人だ。
その時から、Qubenaをより良くしようプロジェクトが本格的に始まった。そして、最初にQubenaで自分たちが改善して欲しいと思っているところを出し合った。
二回目の7月6日に木川さんが風越学園に来てくださった。会議をして、これからの大まかなスケジュールと改善策について話し合った。
僕たちの改善策で候補に上がったのは、「文字認識を向上させる、又はタイピングで回答を入力できるようにする」ということだ。木川さんからは「文字認識の精度は高いに越したことはないが、雑に書かれた文字にどこまで対応するべきか判断するのは難しいところ。それよりももっと別の方法を探したほうがいい」と言われ、僕らも納得した。そもそも、算数・数学は記号や数字が多いため、タイピングでいちいち打つのは大変だし、Qubenaはもともとタブレット専用のソフトのため、タイピングは現実的に難しそうということになった。木川さんからは、僕たちからのアイデアは今後の改善の参考にしたいので、社長の小川さんにプレゼンテーションしてみないかと提案してもらった。
文字認識の他にも「いろんな人が楽しめるなぞなぞコーナー」や、「解説の充実、豆知識」など色々なアイデアが出た。この中でどの改善案を提案するか。僕たちは風越のQubenaを使っている人にアンケートをとり、がどのような変化を望んでいるのか、自分たちの考え方は受け入れられるのかを調査した。
その結果、
1. 問題数、正答率、時間などの学習状況の閲覧
2. 文字や数字などの入力方法
この2つを提案することに決めた。(このアンケートはプレゼンにも使った)
スケジュールが決まったら、もう提案する内容と改善の具体案を詰めなければならない。
その後は、木川さんとGmailでのやり取りをしながら、最終的にどんなことの改善提案をするのか、チームでいろいろなところを詰めていき、小川社長へのプレゼンテーションに備えていった。
改善案は次の通りだ。
一つ目 自分の正答率や自分の取り組んだ問題数、正答率、取り組んだ時間などの学習状況をわかるようにすること。
このような学習状況がわかれば、自分の間違えているところ・苦手なところなどがわかり、Qubenaの目標「より多くの人が自分にあった勉強をできる」に近づけるのではないか、と考えた。
二つ目 文字や数字などの入力方法の改善。
今はタッチペンを使うなどして手で書いているが、僕たちは、電卓のような 入力方法ができると、文字認識の間違いを改善でき、手で書くのが苦手な人も回答しやすくのではないか、と考えた。
両方とも後期の人にアンケートを取り、それを受けて改善して、なるべく質の良い改善案にしたつもりだ。
プレゼン当日は順調に進んだ。もう少しミスをしたり、説明の間違いをしてしまうのではないかと緊張していたけど大丈夫だった。間違いがあっても他のメンバーが「ミュートになってるよ」などと教えてくれたので、大きなミスにはならなかった。緊張したが、終わったときには自分たちの考えたことをきちんと伝えられて嬉しかった。
その後の振り返りでしんさんがとても心に残ることを言ってくれた。それは
「全国に、何万人って小学生や中学生がいる中で実際にQubenaの人たちにプレゼンテーションできたのは4人だけだったでしょ。すごいこういうチャンスは、たぶん、他のところでもごろごろごろごろ転がってるはずだから、そのチャンスはちゃんと取りに行ってほしいな。」
ということだった。一番響いたのは「全国に何万人も小学生や中学生がいる中でQubenaの人たちにプレゼンできたのは4人だけだった。」というところだ。他の人ができなかったことをできたということももちろん嬉しかった。「そういうことができる環境にいるんだな」と思いこの環境を作ってくれた人たちに感謝した。
プレゼンから一か月半が経った、9月23日。僕達は、久しぶりに集まった。木川さんから、社内で検討した結果をきくためだ。検討した結果、僕達が提案した形とは少し違うけれど、プレゼンテーションで伝えた提案を受け入れてもらえる形になった。
最後にプロジェクトのメンバーの感想を紹介したい。
カズアキ:しんさんの言ったように、この「チャンス」を取りに行けた、というのは風越ならではの特徴だろう。自分がこの「チャンス」を最終的にモノにできる、最終的に活かせる、そのようになりたい。
アイリ:最初は社長にプレゼンすると聞いて緊張したけど、貴重な経験ができてよかった。スタッフにも手伝ってはもらったけど、基本自分たちで改善案を考えたりプレゼンを作ったりして、勉強では学べないことも学べたと思う。反省点も、しんさんの言葉も、今後に活かしていきたい。
オカショー:コンパス社の社長や開発責任者にオンラインでプレゼンしたのは緊張した。
9月にまた集まってコンパス社の人から「こんな感じに改良します。」という話し合いのとき、自分たちのアイディアが実際にイメージ画面になっていたりして、とても嬉しかった。
この「チャンス」を取りに行けたので、次の「より良くする」につなげていけたらと思う。
書き手:カイノスケ(7年)
プレゼン当日の動画はこちらから見ることができます。