
2026年3月14日
新卒で軽井沢風越学園にやってきた、幼稚園スタッフのぴょん(阿部)。
子どもの頃から幼稚園の先生になることを夢見てきた彼女は、いま自然の中で子どもたちと日々過ごしながら、何を感じているのでしょうか。じっくり話を聞きました。(編集部・三輪)
__ 風越学園で働くようになってもうすぐ一年経ちますね。今の気持ちを聞かせてください。
大学で幼稚園教諭から中学校教員までの免許を取っていたので、自分は幼稚園か小学校の先生になるんだろうなとは思っていました。でも、まさか野外保育をするとは思っていなくて、雪が降る日も外で過ごすような場所で保育をしていることに、いまでも驚くことがあります。
でもその一方で、自分の好きなことが詰まった環境で保育ができているなって感じているし、毎日すごく楽しいです。
__ 好きが詰まっている環境なんですね。
はい、大学でキャンプにハマってから、自然の中で過ごすことが大好きになったんです。あと、子どもが好きなので、子どもたちと遊んだり、子どもの世界に一緒にいる感じも楽しいです。
毎日子どもたちと過ごしていると、そういえば私も小さい頃は、土手を段ボールで滑ったり、ザリガニを釣ったりして、ずっと外で遊んでいるような子ども時代を過ごしていたなと思い出したりもするんですよね。
風越で過ごしていると、本当に毎日いろんなことが起きるんですよ。
ちょうど今日、義務教育課程で「ミュージックフェス」があったんですけど、幼稚園の子どもたちも前日に出るって決めて、少し練習をしたんです。それで当日の朝、登園してきた子どもたちがまた練習するのかなと思ったら、「蝶ネクタイ作る!」って言い出して。本番がもうすぐなのに、今から作り始めるんだ、みたいな(笑)。
大人からすると「今から!」って思うようなタイミングなんですけど、子どもたちにとってはそれが今やりたいことなんだなと思って。そういう一瞬に出会えるのが本当に面白いです。
風越って、行事も少なくて、やることもほとんど決まっていないからこそ、毎日子どもたちからいろんなアイデアが出てきます。そこから遊びが展開されていく。子どもたちの遊びがどんどん変化していくのを見るのも面白いですし、「今日はこの子こんな感じなんだな」と思いながら保育するのも楽しいです。
__ ぴょんの話を聞いていると、「楽しい」という言葉がよく出てきますね。ぴょんにとっての「楽しい」って、どんなものなんでしょう。
いつからかは分からないんですけど、毎日楽しいほうがいいなって思っていて。楽しいって、好奇心があることとか、あと少し大変なことがあることですかね。ちょっと乗り越える要素があったほうが、自分の中では「楽しい」に繋がる気がしています。
__ その感覚は、どこで育ってきたんでしょう。
大学のときに関わっていた、子どもたちとキャンプをするNPOの活動が大きいと思います。最初は子どもと関わる機会がほしくて参加したんですけど、だんだんキャンプそのものにもハマっていって。山に登ったり、焚き火をしたり、そこからアメリカにもキャンプに行ったりするくらい好きになりました。
なんでこんなに好きになったのかなと思うと、そこに関わっていた大人たちがすごく魅力的だったんですよね。
特に、代表のことは本当に信頼していたなー。おおらかで、芯があって、ユーモアたっぷり、火遊びとか陰口とかはバシっと怒るそんな人なんです。
人への伴走の仕方も絶妙で、「やりたいと思ったときがやる時!」とぐっと背中を押してくれる時もあれば、「楽しそうって思うならやってみてもいいじゃん!」という雰囲気でそっと背中を押すときもあって。大人、スタッフに対しても、子どもに対しても、その人がその時感じているそのままの気持ちを大切にしてくれていました。
そんな代表とキャンプをつくり、過ごしている中で、どきどき、わくわく、うれしい、悲しい、心が動いたその瞬間をまるっと大切にしたうえで、「大変だったけど楽しかったね」って思えるようなキャンプにしたいと、私自身も思うようになって、そういう経験は、自分の中に今も残っている気がします。
__ 風越で一年過ごしてみて、自分の中で変化したことはありますか。
振り返る時間が増えたことですかね。風越ではフィードバックをもらったり、自分で振り返ったりする機会が多くて、「今、自分はどんな気持ちなんだろう」と考えることが増えました。今まであまりそういうことをしてこなかったので、自分の中では大きな変化だなと思います。
今まで見えていなかったことが見えてきたり、考え直すきっかけになったりするので、いいことだなと思うんですけど、これまでは「なんとかなるからやってみよう」みたいな感じで進んできたところもあったので、立ち止まって考えるというのは新しい感覚です。
__ 保育者としても、もうすぐ一年になりますが、自分の保育観のようなものは見えてきましたか。
それを見つけてみようと思って、4月に保育を始めたんですけど、まだ見つかっていないかなというのが正直なところで。
みほさんはこういうことを大切にしているなとか、あいこさんはこういうところに力を入れているなとか、周りのスタッフたちを見ながら、「じゃあ私は何を大事にしていくんだろう」って考え続けています。
__ 最後に、いま子どもたちと過ごす中で大切にしていきたいことがあれば教えてください。
年少さんとは、この一年いろんなことが初めてのことでした。田んぼへお散歩に行ったり、畑で野菜を植えたり、学校の行事に参加したり、本当に子どもたちと一緒に一歩ずつ進んで、一緒に育ってきた感じがあります。
子どもたちには、まだまだいろんな世界が待っていると思うんです。だからこれからも、その世界を子どもたちと一緒に、新鮮な気持ちで出会っていきたいなと思っています。
(インタビュー実施日:2026年2月13日)

のんびりのどかな静岡で生まれ、大学4年間を自然たっぷりな山梨で過ごし、長野へやってきました。子どもの世界観に触れながら、ドキドキやワクワク、心ときめく瞬間をたくさんキャッチしたいです。
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