風越のいま 2020年6月17日

ぎゅっと手をにぎる

清水 春美
投稿者 | 清水 春美

2020年6月17日

先週から数日間かけて、身体計測・内科健診を実施しています。前期の子どもたちの身体計測は、5つのホームごとに個性の光る、色鮮やかな時間でした。

風越では子どもたちの「~したい」を大切にした、学びや遊びや生活のなかに、自分のからだ、こころにも目を向けることを組み込んでいきたい。
健康診断は絶好のチャンスであり、はじまりなので、からだの感覚を楽しみながら、自分のからだに目を向ける機会にしたい。
そんな思いを込めて、計画をしました。

学校医であるべにさんをはじめ、ほっちのロッヂのみなさんとも、一緒に進めています。ほっちのロッヂ視点での記事は、ぜひこちらをご覧ください。

>> 「「お医者さんに自分のからだじまんをする。」ポジティヴヘルスを土台にした内科検診の始まり」

ほっちのロッヂのかれんさん、さっこさんとの打ち合わせで、前期の子どもたちは、手形をとってみよう!刷毛で塗る感覚もいいね!というアイディアが生まれ、絵の具を使って手形をとることにしました。

身体計測は読み聞かせからはじまります。

その後、たくさんの作品ができあがりました。

用意した絵の具の中から好きな色を選ぶ子もいれば、絵の具を混ぜて新しい色を作る子もいました。

アイラの手形は、新しい色を作って押し、また色を作って押し、と2回押したので、2重になっています。
自分だけの色で、自分だけの手形です。

手形ではなく、足形をとる子もいます。
裸足でいるのが好きなケイは、「足でとりたい!」と真っ先に教えてくれました。

とった手形のまわりに、色を塗ったり、絵を描いたり。手形すら塗りつぶしてしまう子もいました。
でもそれも、子どもたちの今の記録です。

マユは、手形のまわりに水玉をのせ、足もやりたい!と裏面に足形をとり、さらに色を塗りました。

手形や足形をとるだけでは終わりません。
絵の具とともにできた色水に、毛糸や石を浸して、色をつけてみる遊びがはじまりました。

チカは、ピンク色に染まった石を大事そうに持っています。
色水を洗い流すのではなく、浸した石をペーパータオルでそっとくるんで、色が落ちないように工夫したの!とうれしそう。

思いきり楽しんだ子どもたちは、手や足だけでなく、顔や服も絵の具で染まっています。
ヒカリは、赤い絵の具で服を真っ赤にして帰り、まさに返り血を浴びたように(笑)と、保護者の方からコメントをいただきました。

楽しんでいた子どもたちばかりではありません。
なかには、計測や手形そのものを拒否する子もいました。
からだをきゅっと丸めて、小さな手をぎゅっと握りしめて、その場をさっと離れて。

どれも子どもたちからの、大切な意思表示。
べにさんは、子どもたちの様子を見とり、話を丁寧に聞いてくれ、気持ちを引き出してくれました。
べにさんと2人きりで個別に計測した、リン。
終わったあと、ちょっとほっとしたような、ちょっと誇らしげな顔をしていました。

ユウダイは、手の形をマジックでなぞりました。
大好きなピンク色に、満面の笑顔でした。

別の機会にしようと、今回は見送った子もいます。
アイは「どの色にする?」と、小さい子たちに声をかけながら、そっと寄り添います。
小学校での身体計測の経験があるシンタロウは、はかるときはこうするんだよ、とポイントを教えてくれました。
計測ひとつとっても、子どもたちは、こんなにもたくさんの姿をみせてくれました。

私は先入観を持っていなかっただろうか、子どもたちと真正面から向き合えているだろうか、そんなことを考えた時間でもありました。
色鮮やかな手形、足形とともに、子どもたちが懸命に意思表示をしてくれた姿は、強く印象に残っています。

幼児から中学生までいる、風越。
この振り幅の大きさに、私も日々大きく揺さぶられます。

あっという間に過ぎていくと思う、この1年。
これからの数年、そして12年。
今を大切にしつつ、その先の子どもたちの姿を見据えながら、自分のからだやこころとともに生きていく、「せいかつ」を一緒につくっていきたいと思っています。

清水 春美

投稿者清水 春美

投稿者清水 春美

子どもたちの日々のなかに、生きる原動力をちりばめたい。いってらっしゃいと送り出しながら、いつでも戻れる場を整える。自分の人生を生きてほしいと願うから、生きるためのサポートを丁寧に。

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