2025年6月24日
この春から幼稚園に仲間入りした年少さん。どんな世界に出会っているんだろう。
6月4日(水) 一週間ぶりに原っぱへ散歩に出掛ける。
原っぱの草が前日までの雨を吸ってグーンと成長し、背丈がかなり伸びている。大人の膝よりも上の高さまである。そんな中、キジが姿を現した。でも背が高くなった草のせいで子どもたちはキジの姿を見ることはできなかった。
原っぱの真ん中には、小高い山がある。そこで大きな倒木を見つけた。倒木なのだけど子どもの視線から見るとかなり大きく迫力があるだろう。どうやら恐竜の骨らしい。
ジンタロウ「恐竜の骨だけど死んでるから大丈夫!でも、一緒に見に行こう〜」
怖さを抱きながらも、「死んでるから大丈夫」というお守りを持って進んでいるのが伝わってくる。
数人で草をかき分けて恐竜の骨に近づき、ジンタロウ「ほらね、死んでる」と言いながら骨の周りを周回する。
フウカ「木じゃん!」「木だよ」
ジンタロウ「あの木さ、恐竜の骨だからね」(木ということはわかっている)
ユズル「もう死んでる?」「動物園では(恐竜)見たことないし、博物館では見たことあるけど・・・。」
しずかにつぶやくように話している。
しばらく小高い山の付近で遊んでいると草の中から「ケンケン!」とキジが鳴く声がした。すごく近い。キジは大人(保育者)が近づくと黙って潜んでいる様子だが、子どもだけで近づくと「ケンケン!」と鳴いたあと羽をばたつかせ、威嚇している。キジの怒りの態度が伝わってくる。ジンタロウが恐竜の骨のところに行こうとしたらまたキジが鳴いた。
そのキジの態度にブルっと震え「怖い!」と逃げてきた。
しばらく原っぱで遊んでいるとまたキジの鳴き声。さっきまでの出来事をそこにいた人たちに話すジンタロウ。それを聞いたユウゴは怖くて近づけない。サクは、いたずら心で近づいてみる。するとやはり威嚇される。でも一瞬「うぁ!」と身震いし、怖がるがすぐに親指を出して「いける!」の合図をした。そこから、キジをからかうように少しづつ近づき、威嚇されるときゃ〜と逃げるという遊びがはじまった。怖さもあるけど”みんなと一緒”という安心感があるみたい。
新しい場所に出会い、新しい友だちや人に出会い、風越の森と出会った。春からこれまでの二ヶ月で、自分の遊びを見つけるという時間から、友だちと共に見える世界を広げる時間へと、少しずつ変化してきているように思う。それに合わせて、それぞれが見ている景色も変わってきたのではないだろうか。
森で過ごしているとたくさんの出会いがある。この時、子どもたちは目には見えないイメージの世界のもの(恐竜)と姿が見えないけど確実に存在するもの(キジ)と出会っている。子どもたちは全身でその存在を感じよう、受け取ろうとしているようにみえた。
※次の日。キジのメスが小さな5羽のヒナを引き連れて私たちの目の前に現れた。前日のオスの威嚇は、この母鳥とひな鳥たちを守るためだったのかな〜。