2021年2月20日
私たちはいつも迷っている。
でも、できるなら力強く迷いたい。
ふと思い出したのは、5月の新緑鮮やかな森の中を楽し気に歩く子どもたちの姿。
でも、途中で雲行きが怪しくなって…
「ねえ、ちょっと迷子になってない?」
「あれ?おかしいんじゃない?ここ通った?」
うん、この子たちは迷っている。
この子たちも迷っていると思っているよなぁ。
けど、道を選ぶことには迷っていない。
ずんずんすすむ。
ちょっと休憩、話し合うかと思いきや…
「よし!こっちだ〜!!」
と、リーダーのチヅルの声でまたまたすすむ、すすむ。
道に迷ったら立ち止まり、行き先を検討する。
答えが見つからなかったら元来た道を後戻りするのが鉄則。
でもそれでは何も見つからない。
いつもの道を再発見するだけのこと。
ますますすごい勢いで進んでいく。
「こんなとこ通ったっけ?」
「ぜったいこっちじゃない、違う道だと思う」
でも…不安になっても止まらない。
迷っているのに迷いがない。
後ろにいるコウタがずっとしゃべってる。
「木を立てて、倒れたほうに行くんだよ!」
そうそう、それおれもよくやったよ。
それでたいがいがうまくいくもんだよね。
いつからそんな気持ちを失ったんだろうか。
立てた棒には意思はないけど、棒を立てた人には意思がある。
立てるか立てないか、委ねるか委ねないか、まあ、どっちに転んでもいいや、やってみるか、行ってみよう!っていう気持ちになるまでがすごく大変になってしまった。
「ここ、さっき通った!」
「同じところをグルグル回ってるんじゃない?」
マユの不安そうな声がする。
そうそう、いつまでたってもなかなか前に進まない時ってあるよね。
そして、ちょっと不安になる。
途中で別グループに出会う。
「やっぱりこっちで合ってた!」
いや、ぜんぜん違うんだけどね、
結果オーライということにしてしまおう。
すすめ、すすめ!
すすむ、すすむ、迷いなくすすむ。
「まいごのたんけんたい」楽しい歌まで飛び出してきた。
まったくめげない、不安はない。
ちょっと広いところに出た。
前に通ったところ?それさえ定かでない。
おさるのジョージ…リーダーのチヅルが木に登り始めた。
高いところから見ると道がわかると言う。
なるほど、その方法はとても正しいね。
へー、みんながみんな、実は自分はこっちだと思っていたんだね。
勢いがある人には、なんだかついてっちゃうよね。
うーん、なんか違うと思うんだけどなぁ…と思いながら。
でも、ついてっちゃったんだから自分の責任でもあるよね。
子どもたち、リーダーのチヅルに誰も何も文句言ってない。
チヅルだけ違う方向を向いてるのを見てめっちゃ笑ってる。
この場面、大人が当事者だったら何て言うかなぁ。
なんか想像できるな。
そしてコウタはまだ自分の方法にこだわって道を探している!(動画見直してね)
さあ、あきらめずに前にすすむ、すすむ!
先頭がいつのまにかエツミに変わっている。
向こうに何かが見える。
「風越学園が見えた!」
おー!やっと出た!!
森に入った場所から100m以上も離れた場所からポンと飛び出た。笑。
大冒険終了!
さあ、もう一回森に入って荷物取ってこなくちゃ!笑笑!!
子どもってすごい!って陳腐なセリフだけど言ってしまう。
迷いなくすすむ。
迷っているのを承知で、恐れず迷いながらすすむ。
でも、私たち大人も確かに昔もっていた感性なんだと思う。
時々その感性は知らず知らずのうちにもち上がってくる気もする。
迷うことを恐れず思い切って迷ってしまおう。
迷った道には新たな発見がある(はず)。
※ この動画は、5月に分散登校が始まって、ホーム「お」が風越の東の森を遊び場にしてから2回目に森に入った時のものです。ベースにしていた秘密基地(てんしランド)からちょっと離れたところに探検に行って、またベースに戻ろうとしたけど…こんな大冒険になってしまいました。(冒険メンバーは、ホーム「お」の、チヅル、エツミ、ユウキ、コウタ、マユ、ユノでした〜)