2017年10月16日
2017年10月7、8日の週末に4回目の採用合宿を終えました。合宿に参加してくれた50名のみなさん、ありがとうございました。近隣だけではなく、北は北海道、南は熊本から。飛行機、フェリー、新幹線、深夜バス、長距離運転…。そして翌日は通常勤務という人がほとんど。たくさんのエネルギーを費やして、この合宿に参加してくれたこと、本当に感謝しています。みなさんと出会えたこと、うれしかった。これからもゆるやかに長くつながっていきましょう。
2月1日のプレスリリースと同時に一緒に軽井沢風越学園をつくる仲間の採用をスタート。最初の応募があったのは2月6日のこと。本当に応募してくれる人がいるんだろうか、という気持ちもありましたが、一通目の書類が手元に届いて、ほっとした感覚は今でもしっかり残っています。その後、全国各地からどんどんと届き、最終的に150名近い方が応募してくれました。
最初のころ、手探りで応募書類を読み込んだり、Webでの面接を進める中で、自分たちが進めている採用への「これでいいのだろうか?」という漠然とした不安の存在に気がつきました。<同じから違うへ、分けるから混ぜるへ>を謳っているにも関わらず、自分たちと似たような人たちを採用しようとしているのではないだろうか…。このままだとまずいかもしれない。もっと<違う>人達と一緒に学校を創りたい。でもWeb面接だけでは、どうもその人と出会った感じがしない。応募してくれている人に僕らのことも知ってもらいにくい。もっと丁寧にすすめられる方法は何かないだろうか、と考え、1泊2日の「合宿」を採用プロセスに加えることにしました。
4回に分けて実施することで、長くお待たせしてしまう人もでてくるし、遠くから軽井沢まで来てもらうという負担もある。忙しい人たちの貴重な休日を費やしてもらうことになる。それでも合宿をやろうと思ったのは、やっぱりしっかり出会いたかったから。そして、応募してくれた人たち同士も出会ってほしかったから。僕らが掲げた「こんな学校どう?」に共感してくれた人たちだから、きっとその出会いが今後につながっていくはず。そんな思いから、合宿の実施を決断しました。
岩瀬、甲斐崎、寺中、そして僕の4人でこの合宿は企画・運営してきました。実は、毎回けっこうしんどい気分でした。やっぱり「選ぶ」というのは楽しいものではない。それ以上に「選ばれる」というのはもっと気持ちのよいものではないはず。だからこそ、どうやったら1人ひとりにとって、安心できる場になるか、意味ある場になるか、将来につながる場になるか、4人で何度も事前にやりとりを交わしました。合宿が終わった後は、たっぷりふりかえりもしました。「あの部分、もっと丁寧に進めるべきだったんじゃないか。」「次はこんなふうに変えてみよう。」「これは取りやめてみよう。」「順番を入れ替えるとまた雰囲気が変わるんじゃないか。」いろいろな試行錯誤を重ねたこの4回の合宿は、僕ら4人にとっても大事な場でした。
毎回、合宿の最後には野外で輪になって座り、1人ひとことずつ話します。この場面で、4回目の合宿の時に、こんなふうに語ってくれた人がいました。「採用合宿ということで、どんなことをするのかなと緊張して参加しました。でも、参加してみるとそんな緊張は消えていきました。2日間、とても大切にされている感じがして…。こういう場って、自分でもどうやったらつくれるのかなと、もう少し考えたいと思っています。」 合宿を運営する身として、ご褒美のようなとてもうれしいフィードバックでした。この「大切にされている感じ」は、僕ら4人だけでつくったものではなく、参加してくれた皆さんと共につくりあげた雰囲気だと思います。このこと、本当に有り難いことだったなぁと感じ入っています。
組織を表現する上で乗り物に例えることがありますが、軽井沢風越学園には、それはあてはまらないなと思っています。乗り物だと、乗れた人と乗れなかった人がはっきりと分かれてしまう。僕らのイメージに近いのは、港です。軽井沢風越学園という港がある。その港に荷物を積んで、それぞれが自分の船を運転してやってくる。大きなタンカーもあれば、小さな釣り船もある。カヤックのような船もあるかもしれない。持ってきた荷物を、他の船と交換する。港で流行っていることを、自分の母港に持ち帰る。中には荷物は何も積まずに、すっからかんでヘトヘトの船もあるかもしれない。でもそんな時にこそ、立ち寄れる港でありたいと思う。そして僕も、そんな船の一つです。僕らが港を管理しているわけではなく、たまたま最初に港にたどり着いた何艘かの船。港に立ち寄る期間もそれぞれで、3ヶ月滞在する人もいれば、5年の人もいる。タイミングが来たら港を旅立ち、また新たな港へと出発していく。そういういろいろな船が行き交う港のような場が軽井沢風越学園。
今回、軽井沢風越学園の理念に共感して応募してくれた皆さん、それぞれのタイミングで、また港に立ち寄ってください。待っています。
何をしているのか、何が起こっているのか、ぱっと見てもわからないような状況がどんどん生まれるといいなと思っています。いつもゆらいでいて、その上で地に足着いている。そんな軽井沢風越学園になっていけますように…。
詳しいプロフィールをみる