2020年4月10日
来週から各家庭に貸し出される予定の本たち。
返却時にどの棚に戻すか分かりやすいようにシールを貼る作業から1日がスタート。
「時間がないからシール貼りながらミーティングをしよう」と、澤田(あすこま)、石山(れいかさん)、羽田(はたちゃん)。
「こういう作業してるときに、いいアイデア浮かぶはず!と自分を正当化する!(笑)」なんて呟きながらの作業です。やがてじわじわ人が集まってきて手伝い始めます。詩集にシールを貼りながら、「詩は短いから、朝のzoomにいいかも」と井上(たいち)。すると澤田(あすこま)から「詩は本当にいいと思う。(そこにある)アーサービーナードの『ゴミの日』という詩集はとてもいいよ」とすかさず紹介。ぼくも読んだことなかった。こっそり借りて読んでみよう。
「図書室の思い出って何かある?」と斉土(わこさん)からの問いかけに笠原(たまちゃん)、小学生の時、図書室の鍵が壊れているのを知っていて、朝こっそり忍び込んで本を読んでから教室に行っていた、という思い出を話してくれました。カーテンの隙間から朝日が入ってくる静かな図書室で好きな本を読む時間は、幸せだったんだろうなあ。ちなみにわこさんの思い出は?ぜひご本人とお話しする機会にきいてみてください。
ぼくもシール貼りに参加。
リンドグレーンの本が並ぶ棚に差し掛かりました。大好きな作家のひとり。『長くつ下のピッピ』最高。
リンドグレーンは「遊んで遊んで “遊び死に” しなかったのが不思議なくらい」な子どもで、安心と自由の中で子ども時代を過ごしていたそうです。そう言い切れる子ども時代は幸せだ。
一方、若い頃はかなり苦労したようです。息子を預けて働いてお金を貯め、3歳の時にようやく一緒に暮らせるように。その息子と、一緒に木登りをしてスカートが裂けても気にしにしないほどたっぷり遊んだようです。子育てを通して自身の子どもの頃の感覚を取り戻し、その感覚を作品に投影していきました。「私は私自身のなかにいる子どもを喜ばせるためだけに書いてきた」とリンドグレーン。ピッピは彼女の中にいたんですね。だからあんなに伸びやかな、子どもの心が踊るストーリーを描けたのだろうな。
「よい文学は子どもに世界での居場所を与え、子どもの心の中に世界を創造する」
とは彼女の言葉。
さて来週から子どもたちに本を届けますよ。届いた本が子どもに、この世界での居場所を与えてくれますように。そして、せっかくのたっぷりとした時間。リンドグレーンのようにたっぷり遊んでほしいな。
ちなみにその横にあるルパンシリーズも懐かしい。旧版の装丁の本、子どもの頃に読み耽ったことを思い出しました。しみじみ。
今週もお疲れ様でした。また来週!
参考)2015年11月12日 朝日新聞「今こそアストリッド・リンドグレーン」
幸せな子ども時代を過ごせる場とは?過去の経験や仕組みにとらわれず、新しいかたちを大胆に一緒につくっていきます。起きること、一緒につくることを「そうきたか!」おもしろがり、おもしろいと思う人たちとつながっていきたいです。
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