2020年12月8日
開校して8ヶ月。通常登校が始まってから半年。子どもたちはどんな毎日を過ごしているのだろうか。校内をうろうろしながら、久々にミニインタビューをしてみた。
朝オフィスを出たらアマネ(小2)に出会う。
ー アマネ、最近どんな感じ?
私はね、「ラボ」とか「読書家の時間」とかいろいろ楽しい!
ー 何が楽しいの?
例えば、算数だったら詳しく教えてくれる人いるし、読書家だったら『おばけ図鑑のレストラン』が面白くて全部読んじゃった。ラボは、私はつくるのが大好きで、ピアスとかー、セメダインで固めてつくったりとかね。
今一番やりたいのは、コロナ終わったら、あ、私の夢はねyoutuberだったんだけど、今は、わたあめ機でわたあめを売ったりとかやりたいなー。今はつまんないことは1個もない!
そういうと、自分のホームベースの方に駆けて行った。最近は「◯◯ベース作りプロジェクト」に没頭している姿をよくみるアマネ。転んだ人にさーっとかけよったり、幼児にもどんどん声かけたりと、頼もしいお姉さんだ。
その次はユウタ(小5)。
ー ユウタ、学校始まって半年経ったけど、
はやいねー!
ー 最近のユウタはどんな感じ?
風越の目的が明確になってきた。自分で勉強を自分の思い通りに、理解できるように進められるようになった。セルフビルドも充実してきたし、算数もキュビナのおかげで先の単元もやれたし、その授業内にわからないときは相談できるスタッフもいるし、上の学年の人と難しい問題を解いたりもしてる。ゴリさん、やってるとこ見てたよね。
ー 見てた見てた。6年生と「円の面積の問題」一緒にやってたよね。風越ってユウタにとってどんな場所?
風越って自分でできるやり方で勉強して、自分で理解できるように学ぶ場所かなー。
最近楽しいのはねーなんだろうー。いろいろあるなー。一つは、セルフビルドでやっているヘボコン。
ー ヘボコンって何?
技術力の低い人のためのロボットコンテスト。無線、センサーとかは禁止で、自分で改造してつくるんだよ。12月に大会にでようかなーって思ってる。他にも楽しいことあるんだけどね。
プログラミングにもハマっているユウタ。ユウタに会いたい時は技術家庭室にいくとかなりの確率で出会える。「聞かせてくれてありがとうねー」と声をかけると「こちらこそありがとう!」と気持ちよく返してくれた。
エントランス前の水槽には、毎朝シンノスケ(小5)がいる。最近設置された水族館。毎日餌やりや水換えに忙しい。
ー 毎日ここにいるねー。シンノスケにとって風越ってどんな場所?
うーん、自分のやりたいことを、趣味とかは無理かもだけど、プロジェクトとしてできる場所。俺だったら、虫が好きだから、虫が生活できるために「蝶の庭プロジェクト」やったりとか。
ー やりたいこととをプロジェクトでできる場所かあ。最近は魚のことをずっとやっているよね。
俺ね、魚が好きで、魚のことをみんなに知ってほしんだよね。あのさあ、みんな水族館とかいくじゃん。ゴリさんならこれ見る?(と、水槽にいるウミタナゴを指さす)。見ないでしょ?特色あるやつだけ見るじゃん。綺麗なのとか大きいのとか。地味のやつもみてほしいんだよ。地味の可愛さもある。
あと、淡水魚の水族館ってないじゃん。軽井沢って水族館ないし、海もないから、魚に触れる機会ないんだよね。だから軽井沢にいる淡水魚とか、水生昆虫とか知ってほしいんだよね。
ー 知ってほしいんだね。水族館できて今はどんな感じ?
この水族館できて嬉しいと思ってる。だってさー、これできてから、前期(の子たち)の動き方が変わったように感じる。俺がここにいると、水槽で「かわいいー!』って立ち止まってみてくれるのがうれしい。前の場所(エントランス)に置いてメリットばっかり。これからは、ちゃんとした水族館というのもなんだけど、もっとガッツリ水族館にしたいなー。
それから、俺はセルフビルドが一番好きだけど、テーマプロジェクトも好き。俺にあわせたプロジェクトっていうか、おれにあっているプロジェクト。森だよ?だって。俺のためにあるようなもの!みんな森ちょっとずつ好きになってきてるよね。もっと好きになってほしい。
風越はせっかく自然の中にあるんだから「虫嫌い!」「なんで?」「わからない」なんてもったいない。わからないなら気持ち悪くないはずじゃん。固定されちゃってるんだよね、気持ちが。まずは姿見て、知って、それで気持ち悪いならいいけど、虫=気持ち悪いになってる。それをかえてほしい。ゴリさんも蛇好きになってよ(笑)!
ー それは無理だわ(笑)。でも、「気持ちが固定化されている」かあ。確かにそうかもなあ。そういえば最近、シンノスケ、算数を頑張ってる姿よく見るようになったんだけど、何か変わった?
強いていうなら、楽しみができたから?
だってさー、楽しみができたってことは、楽しみが早くきてほしいやん。算数やって国語やって終わると、テーマプロジェクトとかセルフビルドとか楽しみがくるやん!それに集中すると時間短くならない?だから最近、算数あっという間。
俺1日のノルマみたいなの決めてて、例えば、「今日はテスト1枚頑張る」って決めてて、それが終わったら、まる付けして、直して、終わったら時間関係なく終わりにしてる(笑)。国語は決めてないけど、時間いっぱい頑張るみたいな。楽しいことあるから頑張れるみたいな感じあるなー。
ここで朝の集いの時間になったので、もう少しきいてみたい気持ちを抑えてお別れした。
楽しみができたら変わっていくっておもしろい。没頭しながら学びひたる経験は、その人の軸のようなものを太くしていくんじゃないかな。
その後もあちこちでミニインタビューをしながら午前中を過ごしてみた。その子の半年の物語をちょっと垣間見られる、いい時間だったなあ。
ハルノ(小5)は、「これから風越がどうなっていくといいと思う?」の問いにこう話した。
「みんなが自分の好きなことを探究できるといいな。やりたいことを見つけられて、自分の世界を広げられるといいなと思う。自分の熱中できることって強いじゃん。強いっていうか、自分の個性ができていくっていうか。」
コウタ(小6)は、「最近どう?」の問いに、
「最近は、予定表にやりたいことをとにかく書いて、変わっちゃう時もあるんだけど、やりたいことはやりたい!ってなっていて、自分で「いいな」って思ってる。
最近は巣箱をつくること。森が家のすぐ近くにあって、そこに巣箱ほしいって思っていて。完成したら巣箱の中に卵を産んでくれたらいいなと思ってる。
今、設計図を探究ノートに書いたんだけど、どんな鳥のサイズにするかを考えているところ。こんな感じに木に引っ掛けるといいかなとか、こう置く感じにしようかなー、とかいろいろ迷うけど、とりあえず作ってみようと思う。設計図を書くだけではわからないから」
と話した。
思いを形にするチャレンジが始まるようだ。コウタは「やってみなくちゃわからない」、ということにたどり着いているようだ。
結局、今日は10人以上の人にあれこれきいてみた。
ある7年生は、
「軽井沢風越学園っていじめとかないじゃん。学校に行きたくなくていやだー、消えたい、ってなっている人に、おいでっていえる学校にしたい。この学校いいヤツ多すぎだろーって感じ」
と話していて、ああ、そういうことにこの学校の価値を感じているのだなあ、つくづく本人にきいてみなくちゃわからないと思った。
子どものことを子どもにきく。何度も何度もここに戻りたい。
幸せな子ども時代を過ごせる場とは?過去の経験や仕組みにとらわれず、新しいかたちを大胆に一緒につくっていきます。起きること、一緒につくることを「そうきたか!」おもしろがり、おもしろいと思う人たちとつながっていきたいです。
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