イベントレポート 2017年11月13日

わたしたちワークショップを開催しました

かぜのーと編集部
投稿者 | かぜのーと編集部

2017年11月13日

台風が迫る2017年10/22(日)、軽井沢の発地市庭にて、軽井沢町・御代田町・佐久市・小諸市在住の方たちを対象に、第1回わたしたちワークショップをおこないました。

中学生、軽井沢で陶芸教室を開いている方や、幼稚園の子どもを持つ保護者など、多様な参加者10名と関係スタッフ4名、ファシリテーターに古瀬ワークショップデザイン事務所の古瀬正也さんを迎えて、一日を過ごしました。

まずは、お互いにゆっくりと出会っていくところからスタート。一人ずつの簡単な自己紹介のあとに、本城からなぜ学校をつくろうと思ったのか、今どんな学校をつくろうとしているのかについて、お話しました。

”僕らが学校づくりで一番大事にしているのは、理念とか何かの教育方法に陥りすぎないということです。わかりやすい事例のもとに学校をつくったり、効果のありそうな方法論に飛びつかず、もう少ししっかりと丁寧に、どんな学校なのかを描いていく。それが、情景です。岩瀬や他のスタッフたちと、学校の中でどんな物語が流れているかの情景を持ち寄って、お互いに手を入れて、それぞれの情景がなんとなく重なりあっていく、ということを繰り返しています。情景のベースとなっていることは、実は自己主導や協同や探究の学びということではないんです。むしろ大事なのは、そのベースとなっている「<同じ>から<違う>へ」と、「<分ける>から<混ぜる>へ」ということ。一人ひとりが違うということを尊重し合うこと、そのうえで混ぜていく、違いが混ざり合っていくことが、一番大事なことだなと思っています。

また、これからさらに関わる人たちと、いろんなやりとりしながら決めていくことをたくさん残していこうと思っています。学校づくりで大事なのは、僕がリーダーシップを発揮することではないと思っています。僕がリーダーシップを発揮する場面は、むしろ限定的で少ないほうがよくて、関わってくださっている人たち、ここにいらっしゃる皆さんもそうですが、その人たちが、自分の学校としてオーナーシップを発揮してもらうこと。たくさんの人がオーナーシップを発揮できるような環境をつくることが僕の役割で、僕のリーダーシップというよりは、それぞれの人たちがオーナーシップを発揮できるような学校にしていきたいと思っています。そして、「いろいろな人が行き交う学校」というタイトルの情景にもあるとおり、地域の人や色んな人が日々行き交うような学校にしたいなと思っています。”

このあと小グループに分かれて自己紹介をし、自身と軽井沢風越学園との出会いについて、どんな関わりをしたいと思っているかなど、それぞれ共有しました。
昼食休憩を終え、午後の部です。「軽井沢風越学園と私(または、私たち)がこれから関わり合っていくために、 今、この場で話し合ってみたいことは?」という問いの中から、参加者が話し合いたいテーマを提案、自分の興味のあるテーマのもとに集まり、分科会をおこないました(「OST(オープン・スペース・テクノロジー)」という手法)。

OSTをおこなう上での4つの心構え

『軽井沢の「地域」にすでにあるもの、今ないものってどんなもの?』、『風越学園と親の関わりって?』、『外国語教育や留学って、どう考える?』、『風越を巣立つ子どもたちの姿のイメージは?』、『子どもたちに望むものは? そのためにわたしたちに何ができるか?』など、多様な8つのテーマがうまれ、その中から4つのグループに分かれて、80分間の自由な話し合いの時間を持ちました。

一つのテーマをもとに、互いの価値観を交換しあった80分はあっという間。それぞれの場で出た内容を全体でシェアして、場を閉じました。

終了後、ファシリテーターの古瀬さんに感想を聞いてみました。

”まず1回目に、ちゃんと出会えてよかったな、とほっとしたのが一番です。関係ができれば、何か必要なときに声をかけあうことができるので、出会って関係ができるところが第一歩かなと思って準備しました。
ファシリテーターをするうえでは、参加者が自然と向かっていこうとしている方向に向かっていけるように、ということを大事にしていました。植物とかって、伸びていく先があるじゃないですか。そこを邪魔したくないというか、伸びていく方向にゆけ、と。

今日の参加者以外にも、何か関わりたいという気持ちを持った人たちは、まだまだたくさんいると思うので、そういう人たちとも一緒に何かできる場を持って、コミュニティ型で学校づくりができるといいかもしれないなと思っています。僕も、潜在的に何か関わりたいな、と思っていた一人だったので、本城さんから声をかけてもらった時はすごく嬉しくて。これから、どんなふうに続いていけるか楽しみです。”

古瀬さんの言葉通り、この1回目で具体的な何かが始まったり、何かが完結したわけではありません。ここから動き出すきっかけを得て、これからも長く続けたいと思える時間を過ごすことができました。
学校が開校したあとも、たとえば「PTA総会」ではなくて「わたしたちワークショップ」として、子どもたちも含めた参加者主体の対話が生まれる場に育つとよいな、と考えています。

#2017

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かぜのーと編集部です。軽井沢風越学園のプロセスを多面的にお届けしたいと思っています。辰巳、三輪が担当。

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