2020年6月14日
(書き手・野村 祐衣/22年12月退職)
何を書こう?と考え書き出そうとして、手が止まる。
大きな声では言えないけれど、書くのも読むのも好きだけど、なんだか苦手。
そんなわたしでもサクサク読めて、ページをめくるたびに、わくわくした気持ちが湧き出て、思わずにやりと頬が緩み、嬉しくなっちゃう本が「なんだかうれしい」。
なんだか面白そうな表紙をめくると、飛び込んでくるのは9歳ぐらいのニカニカ笑顔の女の子。二段ベットの二階から、パジャマ姿でこちらを覗き込んでいる。そこに、こんな言葉が添えられてはじまる。
目がさめた。
いいにおいがしてくる……
ごはんのたけるにおい。
この本には、だれかの、いつかの「なんだかうれしい」がいっぱい綴られている。ページをめくるたびに、改めて、もしくは新しく出逢う、だれかの、いつかの「なんだかうれしい。」
読みすすめていけばいくほど、そのなんだかうれしいに『あぁ、こういうことあったなぁ』とか『そうだよね、嬉しいよね』って心がじわじわ、ほくほくしてくる。
そして、「なんだかうれしい」は私たちのすぐそばにあるということに気づく。
ホームのお友だちが集い、始まる朝。(なんだかうれしい)
ハルゼミの抜け殻を発見。「潰しちゃわないようにそぉっとね…。」(なんだかうれしい、ね。)
手をのばす。気にかける。(それってなんだかとってもうれしいな)
森の探検へ誘われる。季節の移ろいと生命の蠢きを感じる。(偉大だ…。そしてなんだかうれしい)
よく見過ごしちゃったり、通り過ぎたりするけれど、実は日々の中にたくさん在る「なんだかうれしい」。今日出逢うであろう「なんだかうれしい」を見逃しちゃうのはもったいない。小さく弾む心に意識をむけてみる。
あなたは、わたしは、これから、どんな「なんだかうれしい」に出逢うのだろう。
「なんだかうれしい」をなかまと共に積み重ね、分かち合えるこれからの日々、なんだか最高にうれしいなぁ。なんだか、なんだか、うれしいな。
あれれれれ、なんだかうれしいを言いたいだけみたいになっちゃった。