イベントレポート 2019年10月24日

風越ワークショップ子ども版~風越学園って知ってる?

かぜのーと編集部
投稿者 | かぜのーと編集部

2019年10月24日

7月31日から9月7日までの間に合計30回開催した風越ワークショップ。この記事では、子どもワークショップについてご紹介します。

子どもワークショップは各回3時間、2歳児から年中、年長から小学2年、小学3年から小学6年までの3つのグループに分けて活動を行いました。年長以上のお子さんには、各回のスタッフによって異なる体験の時間を過ごしたあと、軽井沢風越学園のことを話し、こんな学校だったらいいな、と子ども自身が質問やアイデアを出す機会としました。

以下は、ある回のはじまりです。


KAI)おうちの人は、向こうの部屋で大人から風越学園について説明してもらっています。今日が終わったら、おうちの人と君たちで風越に通おうかな、通わないかな、どうしようかなと話し合ってほしいので、ここでいろんなことを体験してもらいます。

今日やることは、風越でやることとほとんど一緒だと思ってください。ただ、ばーっと遊ぶだけじゃないですよ。では、最初にぴっきーから風越学園のことについて、ちょっとだけ紹介したいと思います。

 

ぴっきー)みんな、風越学園って知ってる?

今度の4月に幼稚園と小学校と中学校ができます。どんなところにできるかな。こんなふうに風越学園は森の中にできる学校です。みんなが行っている学校とか幼稚園と比べてどう?

今、建物を建てているところなんだけど、こんな感じ。上から撮った写真だよ。

校舎の真ん中にすごく大きな図書館があって、本がたくさん。このへんが体育館かな。こないだ、ぴっきーやKAIさんたちスタッフみんなで行ってきました。校庭、グラウンドはこんなかんじ。すごいでしょう。

校庭の真ん中に何がある?そう、木が生えてるの。こんなに遠くに人が見えるね、ここまで全部校庭なんだよ。こんな場所で、学校が始まります。森の中でみんなで何しようかな。カブトムシもとれるかもしれないね。きっとみんなの楽しいこととか、不思議なこととかがいっぱい見つかる場所になると思います。今日はそんなみんなやりたいこととか、楽しいこと、不思議なことが見つかる時間になるといいなと思っているので、楽しく過ごしていきましょう。

私たちが風越学園で大事にしていることは、いろんな年齢の子たちが混ざりあって遊んだり学んだりすること。実は今日もいろんな年の子がいます。5歳の人、手を挙げてみてください。6歳の人は?7歳の人?もしかして、4歳の人もいるかな?

こんなふうに、3歳から15歳まで、いろんな年齢の人たちが混ざって、勉強したり遊んだりする学校になります。その中でね、みんなはまず、いっぱい遊んで、とにかくとにかくいっぱい遊んで、その中から探究っていう、ふしぎだな、なんでだろう?ということを発見して、それを自分で解決したりとか、そういう芽を育ててほしいな。その中で、みんなはいろんなことを学んでいきます。きっと言葉もそうだし、数を数えたりとか、ルールを決めたりするよね。そういう土台の芽、学習の力も少しずつつけていってほしいなと思っています。

(KAI)今日は特にこれ、探究の芽、土台の芽をやります。

ま、むずしいけどね。実際にやってみるとわかります、なにをやるか。ただ自由に好きなことをやる場ではないです。ルールや約束を守ってください。

みんなの約束事、ひとつめ。『さんかする』。かんたんじゃーんと思うかもしれませんね。ここにいてください。ここにいて、みんなと一緒に何かやる。だけども、参加の仕方は自分で選んでください。たとえば、今日これからこれやるよといったときに、なんか怖い、ちょっとお腹が痛いから、それは不安だから、という気持ちがあるかもしれない。そういうときには、やらないことを選んでもかまわないです。ちょっとだけ参加するのでも、かまわないです。だけども、自分でそれを決めてください。この場からいなくなることだけは、やめてください。参加の仕方を自分で選びます。かんたんでしょ。

ふたつめ、『あんぜんにやる』。この下が大事。『からだもこころも』。怪我したら、せっかくの楽しい時間が悲しくなっちゃうね。体の安全を守るのは、自分自身でもできるし、友達の体の安全もまもってあげてください。つぎ、心の安全ってなんだろう。心が傷つくことってある?(いじわるとか)そう、いじわるされたときとか、悪口いわれたとき、ぐさっと刺さりますよね。心が痛いときありますよね。そういう安全も守ってください。

3つめ、ジャン。『いっしょうけんめいやる』。今、自分が持っている力は全部ここで出し切ってください。

4つめ、『たのしくやる』。これが一番だいじ。でも自分一人だけが楽しむだけはやめてね。人の不幸のうえに、自分の楽しみを乗っけない。みんなで一緒に楽しくやることを考えてください。約束はこの4つです。「さんかする」、「あんぜんにやる」、「いっしょうけんめいやる」、「たのしむ」。今日はこれを約束ごとにして、これを守れていないとき、KAIさんは、「はい、ちょっとやめー、いま安全にやってる?安全にやるためにはどうしたらいい?」と、みんなに聞きます。全員が楽しめるようになるといいですね。


こうしたインストラクションの後は、各回によって内容は異なりました。

例えば、「上に伸びるかたち」というテーマで活動した午後があります。「高いタワーを作りましょう」というテーマではなく、あえて「上に伸びるかたち」にしたのは、子どもたちが自分なりの試行錯誤できるようなワークショップにしたいと考えたからです。結果的に、塔やお城、棒のようなものを伸ばそうと苦心する子や、葉っぱをひたすら重ねて伸びるかたちを表現する子どもの姿がありました。開校後も、何か具体的なものをつくりましょう、とスタートするのでなく、子どもたちの遊びから拡がる投げかけをしていきたいです。

他にも、屋外で見つけたもののかたちや大きさ比べををしてみたり、いくつかのキーワードを組み合わせて自分が書いてみたい物語を書いてみたり、公園でひたすら自分のやりたい遊びにひたる時間もありました。人生で初めてオニヤンマを捕まえた!と大喜びする子どもがいる傍に、人生で初めてお母さんと離れた寂しさと格闘する子どもがいました。

保護者ワークショップと同じように、軽井沢風越学園がこんな学校だったらいいな、こんなことしてみたい、と書き出した子どもたちの様子を保護者が途中で覗きに来ることもありました。子どもたちが書いた願いや問いは、保護者が書いたそれらと全然違い、保護者は思わず苦笑い。

3時間という時間を鑑みて当初は構成的な場を準備していたものの、違和感が残ったり、手応えが薄いことが続き、用意していたものを手放して非構成な場に切り替えたこともありました。本当に手放したままで良いのかどうかについて逡巡したこともありました。そうした時に、スタッフから子どもたちに別な提案をしてみても、それすら気が乗らないという子どもの姿が見られることもありました。今回のような3時間限りの場では、やりたくない気持ちを尊重するとして、開校後に同じような場面に出会った時、スタッフはどんなふうに関わると良いのだろう。子どもたちを目の前に、わかっているつもりでいたそれぞれのスタッフの考え方や関わりの違いが見え、私たちにとって学びの多い時間でした。

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かぜのーと編集部です。軽井沢風越学園設立準備のプロセスを多面的にお届けしたいと思っています。辰巳、中村、三輪が担当。

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