2024年5月27日

第85号(2024年5月27日発行)

2024年5月27日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

今年度、幼稚園の人たちは過ごす場所が変わり、年少さんから年長さんまでまざってあそぶことが増えました。
ゴールデンウィーク明け、新しく入園した人たちの名前をみんな覚えたよ、と誇らしげに教えてくれる年長さん。
名前がわかって名前を呼ぶと、そこに世界と関係が生まれるということが、体感的にわかっているんだなぁ。

かぜのーと 第85号(2024年5月27日発行)
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【1】『元「のらねこぐんだん」になった彼らの背中』末永 真琳
【2】『ほんとうのことば』奥野 千夏
【3】『「見えないだけ」の詩から始まるわたしとわたしたちの世界』辰巳 真理子
【4】 スタッフ募集のお知らせ
【5】 幼稚園 園開放のお知らせ
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【1】# 幼稚園
   『元「のらねこぐんだん」になった彼らの背中 』末永 真琳
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昨年度のスタッフ振り返りの時間で一年間頑張ったことについて話をする時間があった。私はのらねこぐんだん(昨年度の年中グループ)と過ごした一年、自分が頑張ったこととして「頑なさを手放す」と言う言葉が思い浮かんだ。彼らの予想を超える行動はいつも、私自身の頑なさに出会わせてくれた。

のらねこの人たち、あいこさん(坂巻)、まりすというチームで過ごし、仲間の夢中にたくさん出会った。みんなで集う意味を問い続けた。「なんでやるの?」「やりたいことをやっていいんだよ」「自分で決めていいんだよ」「本当にそうなの?」「それでいいの?」とたくさんのやりとりを重ねた。それは体感的にも物理的にも長い時間であったし、夢中である友だちを待ち続け、待ってもらうことも経験した。のらねこの人たちにとって、本当にコミュニティーというものが必要なのかどうか分からなくなることも多かった。そうしたことが色濃く残る一年であった。きっとのらねこの人たちも同じように感じているのではないだろうか。

春が来て、元「のらねこぐんだん」は年長になった。彼らの日常は地続きではあるけれど、新しく季節がめぐり、昨年度とは暮らしの拠点が変わり、新しい年少さんという存在が現れた。今年度私は年少グループの担当ということもあり、幼稚園に来たばかりの人たちの目線で彼らと出会うことが増えた。そして、その目線で出会う彼らの夢中や何気なく話す言葉、しぐさ、間合いには、ここで過ごしてきた日々が感じられた。今回のかぜのーとでは、そうした年長の姿をいくつか紹介したいと思う。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/34021/

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【2】# ことば
  『ほんとうのことば』奥野 千夏
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昨年の9月、私の大学院の先生が徳島から風越を見学に来てくださった。先生は長年大学の附属幼稚園で幼稚園教諭や園長をされてこられて、現在は私のように在職で学んでいる日本全国の保育者の指導をされている。今まで日本全国たくさんの幼稚園、保育園、こども園を見てこられたことだろう。風越幼稚園は、そんな先生から見たらどう映るのだろうか。

今まで見学に来られた人たちからは、軽井沢の自然の豊かさ、そんな環境での野外保育、ライブラリーやラボなどの校舎の環境、保育者の関わりについてはよく見学後の感想としていただいていたが、先生からの一番の印象は「ここの子たちは言語能力がとても高いですね~。」だったことに私はとても驚いた。見学した方から、風越幼稚園の子どもたちの言葉について言われたのはこれがはじめてだった。

その後、別の見学の方からもまた同じようなことを言われたこともあり、これはきっと風越だからこその理由が何かあるのかもしれないと思い始めた。もちろん、ライブラリーの環境や蔵書は素晴らしく、日々の読み聞かせも大切にしている。それも風越の豊かな環境の一つではある。でも、それは他の園でもありそうだ。それだけではない「風越の子どもたちの言葉が育まれる理由を探してみよう!」とそれからしばらく私はアンテナを張っていた。
続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/34008/

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【3】# 土台の学び
   『「見えないだけ」の詩から始まるわたしとわたしたちの世界』辰巳 真理子
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見えないけれどあるものに思いを寄せたり、言葉にしてみてほしい、9年生はそういう年齢にさしかかっている人たちだと思うから、というりんちゃん(甲斐)の願いとエールをこめて、牟礼慶子さんの『見えないだけ』の詩をきっかけとして、子ども一人ひとりが「見えないだけ」の詩を書く授業が始まった。詩を音読したり、同じように見えないことをテーマにした『星の王子さま』の一節を紹介したり、詩の構造のミニレッスンをしたり。

授業の内容を並べてみると、特別なことはない。それなのになぜか、りんちゃんと子どもたちの間に時にあったかい何か、時にピリリと背筋が伸びるような何かが生まれることがある。たとえざわざわと授業が始まっても、いつの間にかしっとりと言葉を味わう時間が流れている。なるべく私も授業に参加して一緒に漢字テストを受けたり詩を書いたりしながら、一体これは何が起きているのか、目を心を凝らすようにそこにいた。まだ見えていないこともたくさんあるだろうけれど、なんとか言葉にしてみたい。

「詩を書くということは、自分のほんとうの言葉を探る、ある意味で苦しい作業になると思う。だからこそ、私の授業での工夫が子どもたちに伝わらないように、子どもたちが自分たちで考えた、となるように準備することを心がけてるのよ。」とりんちゃんは言う。やらされていると感じたり、大人の言うことを聞いてこなす授業ではなく、子どもたちが自分で気持ちを向けて考えないことには、ほんとうの自分の言葉が生まれたり湧いてこないから、という意味だと思う。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/34079/

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【4】# お知らせ
   2025年4月参画のスタッフを募集します(7/7 応募締切)
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2025年4月から参画していただける仲間を募集します。

軽井沢風越学園は2020年に開設し、5年目を迎えています。
今年の3月に2期生の卒業を見送りました。子どもたち自身でつくる卒業式。
学園で過ごす中で、育まれてきたそれぞれのつくり手としての力が、それぞれの”らしい”かたちで現れた時間だったのではないかと感じています。

「子どもも大人も、つくり手である」

学園ではつくる経験を通して、わたしの、わたしたちの、今と未来を少しずつよくしていこうとしています。
しかし、つくる、ということや、つくり手であり続けることは結構な覚悟と勇気が必要なことであるとも感じています。

6月5日(水)と14日(金)の夜にオンライン採用説明会を開催します。
また6月10日(月)と27日(木)には風越学園に関わってくださっている方とともに風越学園の現在地や大事にしている幼稚園から義務教育学校までの12年間のつながりについてお話します。

詳細はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/news/recruit/34037/

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【5】# お知らせ
   幼稚園 園開放のお知らせ
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今年度も0〜2歳児(2024年度に2歳から3歳になるお子さん)の子どもとその保護者を対象とした幼稚園の開放日を設けます。

午前中、親子で一緒に屋外で過ごしながら、手遊びや絵本の読み聞かせ、森のお散歩や工作などを楽しむ予定です。
ご参加希望の方は、以下の通り事前にお申し込みください。お会いできることを楽しみにしています。

初回6月25日(火)実施分のお申し込みは6月11日(火)12時から受付開始します。
7月以降の日程は以下のお知らせページをご確認ください。

詳細はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/news/event/34057/

(あとがき)

3月に書籍「プロジェクトの学びでわたしをつくる」を予約購入してくださった方を対象にマイプロジェクトの日(水曜)の視察研修を優先案内しておりましたが、残席について5月31日(金)からご案内・申し込み受付いたします。日程は次のとおりです。

・2024年7月3日(水)
・2024年10月2日(水)
・2025年2月12日(水)

詳細・お申し込みは、Peatixからどうぞ(5/31以降に上記日程が表示されます)。
>> https://peatix.com/group/16189280

 
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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