2019年12月10日
認可外保育施設「かぜあそび」のこどもたちは、森、川、野原、築山、畑のある「鳥井原の森」をフィールドに、日々、自然のなかに身を委ねながら生活をしています。
以前、季節が巡り出会う生き物やフィールドの様子が変わることで、こどもたちの遊びや生活にも変化がみられることをレポートでお伝えしましたが、気候もまた、彼・彼女たちに影響を与えます。
「雨の日や風の強い日、寒い日はどう過ごしているの?」そう疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ある雨の降った10月のかぜあそびを覗いてみることにしました。
10月下旬、この日は朝から冷たい雨が降っていた鳥井原の森。こどもたちはレインウェアを身にまとい、登園してきました。
「おはよう」「あめいっぱいだね」
そうお喋りしながら、ひとまず雨をしのげる東屋に自然と集まるこどもたち。
そんなこどもたちを雨のなかへ誘い出すのが、降りつづける雨音が奏でるメロディーと、溜まってゆく雨水です。
東屋やくろまるの軒下に置かれた鍋やバケツ、トレーに溜まってゆく雨水が雨をより意識しやすく、関わりやすくしてくれる。
鍋からボールへ水を移したり、トレイの中に足を突っ込んでばちゃばちゃしてみたり。バケツに溜まる雨の軌道を辿ってどこから落ちてきているのか気がつくと、雨水を手のひらに集めたり、飲んでみようとする姿も見られます。
雨に触れる。雨で遊ぶ。雨と遊ぶ。
そんな風にして、かぜあそびの雨の一日は始まります。
雨がたくさん降るとできる、水たまり。うまれる、泥。
カズオ、ハヤト、カンタはそんな水たまりを探して、フィールドを探検します。
フィールドにできた10個以上の水たまりをまわり、「ねぇ、ここすごいんだよ!」と案内してくれたのは、足をいれるとずぼっと嵌る水たまり。
足が抜けそうで抜けないぬるっとした感覚や、泥の表面がぺちゃぺちゃと足を跳ね返らせる感覚が面白いようで、何度もなんども繰り返していました。
「ケイくん、くろまるであそぶー」
寒くなってきた子どもたちの中には、室内で過ごすことを選択する子もいます。
ケイとカナデもそのうちのふたり。濡れたレインウェアと長靴を脱いで、くろまるに入ってきました。
手にとった丸いシールを紙に貼りながら、「たくさんあめがふってるよ。ほら、たいふうです」と、ケイ。シールを雨に見立て、紙の上に世界が広がっていきます。
「これはね、くるまでワイパーなの」
「カナちゃんはあめたくさん」
肌で感じた雨の激しさや量が、表現に繋がった瞬間でした。
この日、スタッフの振り返りのなかで、だんちょがこんなことを言っていました。
「たっぷりあると遊びが変わる」
常に姿を変え、そこにたっぷりと存在する自然。さあ、今日はどんな鳥井原の森でどんな遊びが繰り広げられていくだろう。