2019年7月15日
2〜5歳まで27人の子どもたちが毎日通う認可外保育施設「かぜあそび」がはじまって、3ヶ月。
木々が葉をつけ、花が咲く。草木が茂り、緑が深まる。季節の移ろいに合わせて、鳥井原の森のフィールドも、おおきく姿を変えてきました。
その変化と隣り合わせにある、こどもたちの遊びや生活もまた、変化する。
この3ヶ月のあいだに、新しく生まれた遊びもあれば、なくなっていった遊びもあり、改めて、遊びの移り変わりからも、とどまることなく、常に姿を変えていく自然という環境とこどもたちの密接な関係を感じずにはいられません。
そして晴れの日には日差しが強く、雨もよく降るこの季節、あずまやで工作をするこどもたちの姿も多く見られるようになってきました。
かぜあそびの工作コーナーには、現在、こんな素材と道具が置いてあります。
【素材】
紙、ダンボール、木材、廃材
【道具】
ハサミ、ボンド、ガムテープ、ペン、のこぎり、釘、トンカチ
切る、貼る、打つ、描く。
この日も、多くのこどもたちが工作コーナーを訪れ、素材や道具をつかって思い思いに遊んでいました。
そんな彼ら・彼女らの遊びを覗いていて、ひとつ特徴的なのが、“大人が使っている道具”をつくることが多いということ。
登園して真っ先に、工作コーナーへ向かったしゅうときいちが、ダンボールとガムテープをつかって「スマートフォン」を作り、そのスマホを持ってフィールド中を駆け回りながら、友だちの姿を写真に撮っている姿や、
ゆうがスタッフが保育中に連絡手段として使用している「トランシーバー」を作り、スタッフと連絡を取ることを試す姿がありました。
やってみたい。面白そう。憧れる。
そんなこどもたちの気持ちが、作り出したモノに表れているのかもしれません。
その一方で、“何も作り出さない”という姿にもよく出会います。
トランシーバーを作り、スタッフに話しかけるゆうの姿をじっと見ていたかなでが、ハサミとダンボールを手に取ったので、「かなでもトランシーバーをつくるのかな?」と思ったのですが…
かなでは、手にとった全てのダンボールを小さく切ると、満足げにハサミを置き、工作コーナーをあとにしたのです。
必ずしも、何かを作り上げることが目的とは限らない。
「なにつくっているの?」
「なにつくったの?」
この一言をそっと横に置くことで、こどもたちから気づかせてもらえることが、たくさんあるなと思います。