2023年1月26日

第69号(2023年01月26日発行)

2023年1月26日

こんにちは、軽井沢風越学園です。

スタッフは12月から来年度のカリキュラムに向けて検討を重ね、また9年生の子どもたちは年明けからどんな卒業式や謝恩会にしたいか話し合い始めました。この冬一番の寒さの中、春に向けての動きが続いています。

かぜのーと 第69号(2023年01月26日発行)
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【1】『ぶつかったその先に』井手 祐子
【2】『立ち止まる、考える、悩む、動いてみる』佐々木 さやか
【3】『「 I can do or not.」 私はできるか、できないか。』甲斐崎 博史
【4】『#003 授業見学』本城 慎之介
【5】『子どもと大人と一緒につくるテーマプロジェクトで大切なこと』栗山 梓
【6】『自由進度学習をやめてみて、何を始めようか』佐々木 陽平
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【1】#ホーム
  『ぶつかったその先に』井手 祐子
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冬休み前、ホーム最終日をどんな風に過ごす?と相談していた時、3年生のショウタが声をあげた。「ねぇ、どうして読書の時間は入ってないの?最近、読書の時間取れてないじゃん。」すると、「ショウタ、ホームの日だからみんながやりたいこと、みんなでできることをしようよ」と4年生のアマネ。「読書の時間に、みんなで読書すればいいでしょ?おれは読書がしたいんだ。」とショウタ。

そんなやりとりをきっかけに、ホームぬけあな史上最大の議論に発展。

ホームの日に、みんなで活動することに疑問があるショウタ。「みんなが同じことをやるなんておかしい。それぞれ好きなことをする時間があってもいい」と主張。ショウタの思いを聞いて、「ショウタ、ホームの日だから。ホームの日は、一人で活動するんじゃなくて、みんなで過ごす時間なんだよ。」とアマネ。「読書はホームの日じゃなくてもできるでしょ?」とノブ。

次第に、「読書をしたいショウタ」対「ホームの日にわざわざ読書をしなくてもいいと考える多数」の激しい言い合いになった。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/27915/

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【2】#ウェルネス
  『立ち止まる、考える、悩む、動いてみる』佐々木 さやか
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1,2年生の靴箱周りが荒れている。靴を靴箱に入れない人が多いのだ。3年生以上になると、きちんとしまえる人が増えていく。
これは、風越以外の教育を受けてきた人と受けていない人の差なのか?年齢によるものなのか?1,2年生は、出入りが多いからか?言わなくても、待ち続ければしまえるようになるのか?

そんなことをグルグル考えたものの、「こんなものは習慣だから、一度できるようになれば誰でも無意識にしまえるようになるはず!」と決断した私が、6月の1ヶ月間、靴箱美化強化月間と銘打って、勝手に活動してみた。

登校時間に、1,2年生の靴箱の横に立ち、声をかける。ついでに傘のたたみ方と仕舞い方を伝える。口うるさいおばさんだと嫌がられたが、だんだんと子ども同士で声をかけ合ってくれるようになる。

1ヶ月後、靴箱の外に出ている靴がなくなったことに安心して、靴箱美化強化月間は終了した。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27873/

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【3】#セルフディスカバリー
       『「 I can do or not.」 私はできるか、できないか。』甲斐崎 博史
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Don’t decide by whether you want to do or you don’t, decide by whether you can do or not.
やりたいかやりたくないかで決めるのではなく、できるかできないかで決めよう。 
                        (狭山市在住58歳男性)

アドベンチャーカリキュラムの3本の軸のひとつ、「セルフディスカバリー」(以下SD)は、自己発見を目的としたプログラムです。長期遠征のアドベンチャープログラムで、6年生と9年生で実施します。9年生は、4泊5日で学校から新潟県上越市の日本海までキャンプしながら自転車で走破するプログラム、6年生は、冬季に3泊4日で小谷村周辺の雪山登山や雪洞泊を行うプログラムです。しかし、昨年度の6年生は新型コロナウィルスの影響で実施することができませんでした。そこで、7年時に違う内容で行うことになりました。

選ばれたコースは「信越トレイル」です。長野県と新潟県の県境に連なる関田山脈をメインルートとした全長110kmの日本でも屈指のロングトレイルです。そのトレイルの西側の起点斑尾山から牧峠までの45.1kmに、斑尾山、牧峠、光ヶ原高原までのアプローチルートを含めた全長56.7km、獲得標高約3000mのコースを4日間で歩き抜きます。4日分の着替えと装備(寝袋、マット、生活道具等)、1日分の食料と水分を大きなザックにパッキングして背負います。宿泊はすべてテント泊、風呂もシャワーもありません。1・2泊目のキャンプ場には電気も水道もありません。歩いたり登ったりするだけでもきついところに、休めるはずの宿泊地でも非日常的な慣れない生活、中には不快に感じることもあるような生活を強いられることになります。心身の状態は天候にも左右されます。2日目の夜には雨が降り出し、テントの中まで水浸しになるチームも。しかし、なぜこんなきつくて辛いことをやるのでしょう。

記事はこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27967/

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【4】#開校までの歩み
  『#003 授業見学』本城 慎之介
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横浜市東山田中学校で2005年4月から2年間校長を務めた後、「学校をつくろう」という熱は、少し落ち着いた。学校で過ごす毎日は充実したものだったが、「どういう学校をつくりたいのか?」と質問されると、うまく答えられないようになっていた。それだけたくさんの問いが生まれ、抱えたまま過ごしていたのだと思う。

そんな時に、知り合いから「おもしろい授業している人が埼玉にいるから、見に行ってれば?」と紹介されたのが、狭山市立堀兼小学校に勤めていた岩瀬先生だった。授業を見学しに行ったのは2008年10月15日。今の僕からは想像できないかもしれないが、ちゃんとスーツを着て行った。

「おもしろい授業をしている」と聞いていたので、どれだけおもしろい授業なんだろうと期待していたが、その授業はちっともおもしろい授業ではなかった。その時の僕が想像していた「おもしろい授業」というのは、教師が黒板の前でまるでショーのように子どもたちを飽きさせず、グイグイ引っ張るようなものを想像していた。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/history/27913/

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【5】#テーマプロジェクト
  『子どもと大人と一緒につくるテーマプロジェクトで大切なこと』栗山 梓
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昨年12月にあった、風越に来てから2回目のアウトプットデイ。前回7月のアウトプットデイは、初めてのリアル・アウトプットデイで、ほぼお客さん状態の私。今回はテーマプロジェクト『BENTO』で一緒にがんばってきた7,8年Aグループの子どもたちが発表の場を持つということで、少し前から気が張っていた。でも、前日の子どもたち同士の「見合う会」での姿を見ていると、私が気張っている必要なんてないなとふっと力が抜けた。あとは子どもたちの学びを少し離れたところから見守っていようと。

そして当日。たくさんの「知らない大人」が集まる中、子どもたちはいつもと変わらない様子。自分たちのこれまでの歩みについて自分たちの言葉でじっくりゆったり語る。その姿には、「よく見せてやろう」とか、「学べてないと感じているのに学んだふりをしておこう」とか、そういった見栄や忖度は全くない。自分たちの学びを知ってほしいし、この場を使ってより良いものにしたいと願っている。子どもたちの姿は本当に頼もしく、カッコ良かった。

そんな子どもたちの姿が、冬休み前の最大のプレゼントになったわけだが、今回のテーマプロジェクトからは多くのことを学ばせてもらった。そこには、これからの風越学園での生活やテーマプロジェクトをつくっていくことのヒントになることが詰まっているような気がする。1年目の今感じたこと・考えたことを見栄や忖度なしにここに少し書き残しておきたいと思う。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27950/

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【6】#数学
   『自由進度学習をやめてみて、何を始めようか』佐々木 陽平
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算数・数学というのは、好きと嫌い、できるとできない、がハッキリする教科である。個人の差は見えやすいし、分かりやすい。そういう教科だからこそ遅れている子どもたちは遅れている子どもたちなりに学んで育つ、進んでいる子どもたちは進んでいる子どもたちなりに学んで育つということが大切である。風越学園における自由進度学習はそういった個の違いを大切にしつつ、学び合いながらコミュニティとして成熟してほしいという願いでのスタートだったんじゃないかなと想像している。

風越学園に来てからの悩みや出来事を少し書いてみようと思う。僕が2022年4月にここにきたとき、子どもたちは開校1年目にはAIドリル、2年目には教科書や問題集に基づいた自由進度学習を経験してきていた。僕はAIドリル、教科書や問題集に基づいた学習では、数学の知識及び技能を習得したり、その知識及び技能を習得する方法について学ぶことはできるだろうけど、数学的にものを深く考えることについては学べないと考えている。というのも、穴を埋めるだけのテキストや短答形式の問題では思考を表現することができないからである。

まずはその学習スタイルを変えたいと思ったが、それを変えるには少なくとも、思考を表現するような学習パッケージ(子どもたちが取り組むプリントのセット)をつくる必要がある。しかも、学習パッケージを3学年分ずっと用意し続けられるのかという不安と、またがらっと方法を変えてしまうと子どもたちの不安や心配は大きくなるんじゃないかという心配があった。そういう思いや心配があって、子どもたちとやりとりをしながら7年生については僕がえいやっと勢いで学習パッケージに基づいた自由進度学習を進める場をつくり、8年生・9年生についてはこれまで通り教科書や問題集に基づいた自由進度学習を進める場をつくった。

今回のかぜのーとでは、7年生の場をつくるプロセスについて振り返ろうと思う。

続きはこちら >> https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/now/27929/

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(あとがき)

ちなみに今日は長野県公立高校入試前期日程の出願日、来週が試験日です。
長野県ならではのルールや慣習にスタッフたちもドキドキしながら対応しています。
一人ひとりが、これでいいのだと思える春を迎えられますようにと願うばかりです。
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発行元 学校法人軽井沢風越学園
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