2017年8月18日

第4号(2017年8月18日発行)

2017年8月18日

こんにちは、軽井沢風越学園設立準備財団です。

おかげさまで、サマースクールを無事終えることができました。幼児・小学生ともに、遊びから学びに繋がる問いが生まれる瞬間がたくさんあり、私たちが考えている情景を実際に目にして、手応えを得ています。同時に、もう少し考えを深めたいこと、関わるメンバー同士で対話を重ねたいことも明らかになりました。

ゼロから創るプロセスのもやもやの中に、います。

かぜのーと 第4号(2017年8月18日発行)
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【1】サマースクール実施しました
【2】子どもと一緒に読みたい本 vol.4 苫野一徳
【3】わたしたちワークショップ、開催予定です
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【1】サマースクール実施しました
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8/6〜9の4日間、サマースクールを実施しました。幼児は前・後半に分かれて28人、小学生は38人の参加に対し、約20名のスタッフが関わりました。

幼児は、とにかく野外でたっぷり遊びました。お迎えに来た保護者が、あまりの泥だらけな子どもの姿に、苦笑いしながら抱っこをためらうシーンもあったくらい。日常的に森のようちえんなどの野外保育で自然に親しんでいるかどうかはあまり関係なく、環境と大人の関わり次第で、子どもは自分から仲間と共に自然の中で遊ぶことができるものです。

たとえば川遊びの場面。それぞれのペースで川と仲良くなっていく子どもたちは、途中から石を集めて高い山にすることに夢中になりました。どうすればもっと高くなるんだろう? なんで高く積めないんだろう?このような遊びの中で不思議に思うことが、大きくなったときの学びにつながっていくと考えています。

その川に向かう途中のことです。子どもたちはドキドキコースとゆっくりコースを自分で選びましたが、ドキドキコースを選んだ一人の女の子が、崖を降りる途中で怖くなって止まってしまいました。

すると、崖の下から力強く助けにきてくれた女の子。彼女はその日、緊張していたのか、それまで一言も発さずに、頑なまでに黙々と自分の決めた遊びを続けていました。そんな彼女が、友達の困っている様子を見て、土の中にぐっと指先を食い込ませながらも、助けに来てくれたのです。大人が先回りして手を出していたら、きっと見られなかったその子の持つ力強さに、はっとした出来事でした。

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【2】子どもと一緒に読みたい本 vol.4 苫野一徳
『勉強するのはなんのため? ー僕らの「答え」のつくり方』
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『勉強するのは何のため?—僕らの「答え」のつくり方』(苫野一徳、日本評論社)
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自著を紹介するのは少し気が引けるのですが、風越学園にもゆかりの深い本だと思いますので、今回はこの本を。主に中学生・高校生に向けて書いた本ですが、小学校高学年のお子さんでも、がんばればきっと読めるのではないかと思います。テーマはズバリ、「何で勉強なんかしなきゃいけないの?」。この問いに、2500年の人類の英知がつまった「哲学」の考え方を用いて答え抜きます。

まず哲学の初歩の初歩として、2つの考え方のコツをお伝えしています。1つは、「一般化のワナ」に陥らないということ。もう1つは、「問い方のマジック」に引っかからないということです。「一般化のワナ」とは、わたしたちはしばしば、自分の「経験」を過度に一般化して物事を語ってしまうことがあるということです。特に教育は、誰もが受けた経験があるものなので、要注意のテーマです。

たとえば、かつて受験エリートだった大人たちは、そんな自分の経験を一般化して「勉強するのはいい大学に入っていい仕事につくためだ」と、自分の子どもにもしばしば言ったりすることがあります。一方、学歴を必要としない職業についた大人たちは、そんな自分の経験を一般化して「学校の勉強なんて何の役にも立たない」と言うかもしれません。でも、人それぞれ、受けてきた教育の経験も、そこから得たものも役に立ったものも立たなかったものも、本当はみんな違っているのです。

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【3】わたしたちワークショップ、開催予定です。
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10月22日(日)10時~15時 軽井沢発地市庭にて、軽井沢町・御代田町・佐久市・小諸市に在住の方を対象とした「わたしたちワークショップ」を開催する予定です。

軽井沢風越学園では、学校づくりを学校の中だけで完結させず、学びや遊びを地域の人たちと共有するイメージを持っています。たとえば、こんな情景です。

「中学生の放課後」https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/scene/3179/

ワークショップでは、学校づくりのプロセスで大切にしていることや取り組んでいきたいことなどをお話し、軽井沢風越学園と地域の皆さんとでどんなふうに連携していけるか、お互いにやりとりできる場をつくりたいと考えています。詳細は、9月15日発行予定のかぜのーと5号でお知らせいたします。

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(あとがき)

サマースクールに参加した子どもたちは、残りの夏休みをどんなふうに過ごしているでしょうか。サマースクール中に生まれた問いや不思議な気持ちが、ふだんの生活にも続いていると嬉しいなと思います。

サマースクールは、来年も実施する予定です。今年は軽井沢町・御代田町在住の方のみの対象としましたが、来年どうするかは検討中です。冬や春にも何かしらできれば…と思っています。決まり次第、ホームページやメールマガジンでお知らせします。

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発行元 一般財団法人軽井沢風越学園設立準備財団
ホームページ https://kazakoshi.ed.jp
メールアドレス info@kazakoshi.jp
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